家に一冊の文庫本がある。244段からなる吉田兼好の随筆集、徒然草だ。川瀬一馬(1906年明治39~1999年平成11)の校注と現代語訳付き。第1刷が昭和46年1971年。手元にあるのは第11刷の昭和50年1975年発行のものだ。記憶では、高校の古典の授業で徒然草を知り、その世界に触れたいと書店を訪れ、棚にあった同著を買った記憶がある。多分、全部読むのではなく、教科書に載っていた部分を確認するために買ったのだと思う。値段は300円。半世紀前の本だ。
著者の吉田兼好は、鎌倉時代の終わり(1333年)から南北朝時代の人。1350年に68歳で亡くなったという。神官の家に生まれ、漢学から和歌、仏教にも精通していた。30代半ばに出家し、徒然草は50歳ごろに作られたとされる。
私も今年65歳となり、高齢者の仲間入りを果たした。いよいよ兼好法師が亡くなった年齢に近くなってきた。そんな時、図書館で「こころ彩る徒然草 兼好さんとお茶をいっぷく」と出会った。平成29年2017年、5年前に発刊された、昭和34年生まれのエッセイスト、木村耕一の著だ。244段の中から、現代に通じるメッセージを66選び、意訳した生きるヒント集だ。
このヒント集を読もうと、徒然草の解説本を検索してみた。直近では平成27年(2015)初版の「新版 徒然草 現代語訳付」を購入。令和5年(2023)37版だ。川瀬本と同様に、後半にまとめて現代語訳があり、注も川瀬本より少ない。
図書館で昭和54年(1979)第一刷の講談社学術文庫の三木紀人の徒然草を見た。各段に現代語訳、語釈、解説がある。4分冊だが、段落ごとに読む進めることができ、解説も奥深い。購入した本は、令和4年(2022)第50刷だ。つまり40年以上読み継がれているということ。
いずれも文庫本なので如何せん、字が小さい。どうしようもない。そこで、これも図書館で岩波書店の「新 古典文学大系39」の徒然草を見た。A4版の大きさで、現代語訳はないが、脚注が各ページにある。字も大きい。ただ、1989年(平成元年)1月初版(3,000円)。品切れで現在では販売していない。なんとかセカンドハンドで手に入れた。
もっと若い頃に読んでいたらと、よく感想にある。しかし、この境地はそれなりの経験を踏まなければ、心に響かないと思う。65歳にして、徒然草を前にあたふたする自分がいる。法師の心情が染みる。
よいお年をお迎えください。
著者の吉田兼好は、鎌倉時代の終わり(1333年)から南北朝時代の人。1350年に68歳で亡くなったという。神官の家に生まれ、漢学から和歌、仏教にも精通していた。30代半ばに出家し、徒然草は50歳ごろに作られたとされる。
私も今年65歳となり、高齢者の仲間入りを果たした。いよいよ兼好法師が亡くなった年齢に近くなってきた。そんな時、図書館で「こころ彩る徒然草 兼好さんとお茶をいっぷく」と出会った。平成29年2017年、5年前に発刊された、昭和34年生まれのエッセイスト、木村耕一の著だ。244段の中から、現代に通じるメッセージを66選び、意訳した生きるヒント集だ。
このヒント集を読もうと、徒然草の解説本を検索してみた。直近では平成27年(2015)初版の「新版 徒然草 現代語訳付」を購入。令和5年(2023)37版だ。川瀬本と同様に、後半にまとめて現代語訳があり、注も川瀬本より少ない。
図書館で昭和54年(1979)第一刷の講談社学術文庫の三木紀人の徒然草を見た。各段に現代語訳、語釈、解説がある。4分冊だが、段落ごとに読む進めることができ、解説も奥深い。購入した本は、令和4年(2022)第50刷だ。つまり40年以上読み継がれているということ。
いずれも文庫本なので如何せん、字が小さい。どうしようもない。そこで、これも図書館で岩波書店の「新 古典文学大系39」の徒然草を見た。A4版の大きさで、現代語訳はないが、脚注が各ページにある。字も大きい。ただ、1989年(平成元年)1月初版(3,000円)。品切れで現在では販売していない。なんとかセカンドハンドで手に入れた。
もっと若い頃に読んでいたらと、よく感想にある。しかし、この境地はそれなりの経験を踏まなければ、心に響かないと思う。65歳にして、徒然草を前にあたふたする自分がいる。法師の心情が染みる。
よいお年をお迎えください。