1969年生まれ浪花、江戸時代の大阪を舞台に多くの作品を出している築山桂の「近松よろず始末処」を読んだ。2018年4月刊行。大阪の浄瑠璃芝居小屋「竹本座」を舞台に、悩める町民からの頼みごとを有料で請け負う、浄瑠璃作家、近松門左衛門の近松万始末処。その手先となって事件を解決する3人(?)衆。瀕死の状態を門左衛門に助けられた、竹本座の前で季節の花を売る虎彦。美形で長身の謎の剣客、少将。竹本座の番犬、鬼王丸の3人(?)だ。細工師の見習い、あさひも花を添える。元禄らしい題材で楽しめる。
お犬さま
朗問屋梅木屋の依頼。生類憐みの令の中、乱暴犬を切り捨てたと咎で切腹を命ぜられた奉行所の役人を助けてほしい。朗問屋の手代と丁稚が持っていた100両を奪われ、いなくなった。その手代が梅木屋の内儀の弟だった。
仇討ち
江戸からの依頼人の医者と養子の孝太郎。孝太郎の実家、長瀬家の仇討の顛末。
西鶴の幽霊
堺の商人、鶴屋市右衛門が依頼人。門左衛門と旧知の市右衛門。大阪の町で夜な夜な現れる井原西鶴の幽霊。その幽霊を退治してほしいという。大阪には、昔、京都から井原西鶴の新作で、近松の竹本座を潰しにかかった宇治座があった。
曽根崎異聞
曽根崎新地の女郎、お初が殺された。竹本座では大騒ぎ。下手人は少将だというのだ。そのお初には虎彦の旧知の九平治が横恋慕していた。お初の恋仲の徳兵衛も店の金を持って行方不明だという。近松は虎彦に騒ぎに立ち入るなと言うが。
熱血漢の虎彦とクールな少将、そして何もかも御見通しの犬、鬼王丸。浪速の事件を解決する。4編の作品それぞれ、百合、紫陽花、朝顔、笹と季節感あふれる計らいも。
お犬さま
朗問屋梅木屋の依頼。生類憐みの令の中、乱暴犬を切り捨てたと咎で切腹を命ぜられた奉行所の役人を助けてほしい。朗問屋の手代と丁稚が持っていた100両を奪われ、いなくなった。その手代が梅木屋の内儀の弟だった。
仇討ち
江戸からの依頼人の医者と養子の孝太郎。孝太郎の実家、長瀬家の仇討の顛末。
西鶴の幽霊
堺の商人、鶴屋市右衛門が依頼人。門左衛門と旧知の市右衛門。大阪の町で夜な夜な現れる井原西鶴の幽霊。その幽霊を退治してほしいという。大阪には、昔、京都から井原西鶴の新作で、近松の竹本座を潰しにかかった宇治座があった。
曽根崎異聞
曽根崎新地の女郎、お初が殺された。竹本座では大騒ぎ。下手人は少将だというのだ。そのお初には虎彦の旧知の九平治が横恋慕していた。お初の恋仲の徳兵衛も店の金を持って行方不明だという。近松は虎彦に騒ぎに立ち入るなと言うが。
熱血漢の虎彦とクールな少将、そして何もかも御見通しの犬、鬼王丸。浪速の事件を解決する。4編の作品それぞれ、百合、紫陽花、朝顔、笹と季節感あふれる計らいも。