パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

モンテクリスト伯 4-1

2020-11-29 | book
「モンテクリスト伯」第4巻。
1話1話が、劇場の一幕一幕のように鮮やかに迫る。そして、その会話も。
4巻の49話「エデ」は、クリストが囲う若いギリシャの女。
50話は、「モレル一家」。唯一クリストが心休まる場所。亡きモレル船主の一家。長男マクシミリアン。妹のジュリー。そして、ジュリーの夫、モレルの店を継いだエマニュエルの3人が住んでいた。モレルの末期の一言がいい。
51話の「ピラムスとティスベ」は、マクシミリアンと、ヴィルホールの先妻との子、19歳のヴァランティーヌとの恋の会話。マクシミリアンがヴィルホールの家の菜園を訪れる。ヴァランティーヌは孤独だった。冷たい継母エロイーズと父。唯一の見方は、卒中で倒れてているヴィルホールの父、ボナパルト党員で元老院議員をしていたノワルティエだ。そして、父が進めたフランツ・デピネー男爵との縁談が進んでいた。ヴァランティーヌには亡き母や亡き祖父サン・メラン侯爵の財産が継承されるのだ。そこにクリスト伯が訪れる。ヴィルホールの来訪への返礼だった。

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俳句を楽しむ

2020-11-22 | book
1979年昭和54年に創刊された岩波ジュニア新書。2019年令和元年11月に初版の佐藤郁良の「俳句を楽しむ」を読んだ。

著者の佐藤は、1968年、昭和43年生まれ。自分が10歳年上だ。進学高校の国語教師。平成13年に2001年に生徒を俳句甲子園に引率し、自らも俳句をするようになった。教師なので、教える専門家だ。年も近いし、授業のような中身なのではと思い購入した。そしてジュニア向けだ。

第1章俳句甲子園、第2章俳句を鑑賞する、第3章季語の世界、第4章実作への第一歩、第5章俳句を楽しむの5章からなる。
2章の鑑賞では、名句を用いて、切字、表現技巧(比喩、固有名詞、数詞、リフレイン、オノマトペ)、音韻といったアドバイス、3章では、時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物の歳時記にある季語の魅力、4章では例句をもとにアドバイス。
実際に作る入門編というよりも、俳句の魅力を満載したものとなっている。俳句を楽しむのに、俳句の魅力を知らずして、楽しむことはできない。十七音で風景を切り取った文学を堪能できる1冊。

ただ、字体がすべてゴシックで、読みづらい。明朝か教科書体であるべき。岩波に言いたい。
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すぐれもの 25 LEDネックライト

2020-11-15 | すぐれもの
新聞の「そばにおきたい」で知ったネックライトです。首にかける小型のライトです。LEDなので、小さくて軽くて明るい。ゴム製なので軽く柔らかく、防水性も高い。

2019年10月に購入。これを自転車通勤で使っています。というのも日暮れになり、帰途に就く時、チャリ小屋の明かりが薄暗く、鍵穴が見えません。また、車で通勤するときも、駐車場までの足元が暗く、不安。そんなとき、これは久々(失礼かな)のヒットでした。

リチウム電池2個。使いだして1年を超えましたが、まだ、使えます。

いつもカバンに入れ、集会所や公民館などで夜、会議がある時も一緒です。首に下げるので、両手が使え、不便を感じません。

オープン価格ですが、1,000円ちょっとで買いました。配送料・手数料なし。失敗でもこの値段。ま、いいかで買うと、大満足です。


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俳句のための文語文法入門

2020-11-08 | book
正岡子規に惹かれ、著作に触れる。その中で、俳句は、やはり魅力ある17文字の世界だ。そこで、気になったのが、その言い方、つまり文語体だ。もちろん、子規は明治時代に生きたわけだから、文語体はしようがない。「日曜俳句入門」の吉竹純の勧めもあり、新聞の投句欄を見ると、皆、文語体なのだ。意味がわからない言い方もある。そこで、佐藤郁良の「俳句のための文語文法入門」平成23年(2011)を購入した。月刊句誌に平成20年200821年2009と連載されていた。

著者の佐藤は、1968年、昭和43年生まれ。自分より10歳年下だ。進学高校の国語教師。平成13年に2001年に生徒を俳句甲子園に引率し、自らも俳句をするようになった。教師なので、教える専門家だ。年も近いし、授業のような中身なのではと思い購入した。手ごわい。一応読んだ、いや、単に上っ面をかろうじて読んだだけ。ひと月かかった。

なぜ、俳句は、今でも文語仕様なのか。なぜ、文語の勉強はいるのか。そのうえで、例句を出し、問題もでてくる。演習付きだ。例句にルビがなく、つらいのと演習の答えが巻末なので、いちいち見なくてはいけない。ストレスだ。国語辞典や漢和辞典、古語辞典は必携だ。

文法なのでから、理屈ではない。決まりなのだ。こうなのだから、こうなのだで終わる。ある意味、心地よい。

多分、国語の文法で習ったのだろうが、記憶にない。しかし、未然、連用、終止、連体は覚えていた。三つ子の魂百までか。

言葉の構成を改めて、知ることができた。しかし、これで終わりではない。始まりなのだと痛感する。何回も開き、読みこなそうと思う本なのだ。

主語と述語。それをつなぐ、助詞。文を飾る形容詞と形容動詞。名詞・動詞に意味を添える助動詞。港に着いたのではない。これから、10の品詞の大海に漕ぎ出す気分にさせられた。荒波もあるだろうが、気持ちよさも伴う。不思議な感覚だ。
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海の見える理髪店

2020-11-01 | book
海の見える理髪店

結婚を間近かに控えた一人の若者が、髪を整えに、ある町の海の見える理髪店を訪れる。初老の主人。1時間の散髪の時間の出来事。
「海の見える理髪店」は、単行本35ページの短編。心の機微を描くストーリーテラーの荻原浩の作。1956年生まれで、1997年に小説デビュー。本作は、2012年12月に月刊文芸誌に掲載された。単行本は、他の2015年までに発表された5作品とともに、2016年3月刊行。2016年直木賞。

ここに店を構えて15年。主人は、若者の前で、散髪をしながら自らの半生を語り出す。
床屋の3代目として東京に生まれる。中学2年生で終戦。20歳で店を担う。昭和30年代の床屋の隆盛。結婚。昭和40年代の長髪流行による没落と離婚。有名俳優の常連。V字復活。48歳で銀座へ2号店。翌年2度目の結婚。出産。そして、事件。離婚。出所から今の店の開店。独白の合間に、髪切り、顔ぞり、シャンプー、マッサージの一連の工程が挿入される。

そして、若者の頭の傷。理髪店の庭に置いてある古いブランコ。

35ページの短編だが、奥深い。人生の流転。何度読んでも胸にしみる感慨。いい作品に出会えた。

他の5作品。

「いつか来た道」2015年10月
26歳で家を出て16年。父が亡くなり13年、姉は中学の時、私が10歳の時に亡くなる。弟も私も遠い街で暮す。弟から母が車いす生活になったと告げられる。久しぶりに画家の母の暮らす実家を訪れた私。抑圧された26年間と、独り暮らしの16年の歳月。思い出の残る家。42歳のわたし。そして認知症が入った母。母と娘。

「遠くから来た手紙」2014年1月
中3の頃に付き合った彼。同窓会でその彼と再開し、30歳過ぎて結婚。一人娘が生まれて3年。東京のマンションには夫の母が頻繁に立ち寄る。家庭を顧みない夫に愛想を尽かせて、東京から静岡の実家の農家に娘と2人で帰ってきた。実家には弟ができ婚で2階に2人で住み、農家を手伝っていた。その2階に今でもある机。その中には中3の正月明けに引っ越していった彼との文通の手紙が入っていた。そして、仏壇の中にあった亡き祖母の手紙。

「空は今日もスカイ」2012年3月
小3の茜は、両親が離婚し、母親と伯父の家にいる。都会から田舎へ。友だちもいない。夏休み。海を見に行こうと、旅に出る。途中の神社で出会った小学生のフォレストと海の見える場所まで来た。テントで一夜を過ごすビッグマンの家。

「時のない時計」2014年12月
2か月前、89歳で亡くなったサラリーマンの父の形見の腕時計。40年前の代物で動かない。兄夫婦と同居の母親がいいモノ好みの父親が買ったのでいいものだろうと形見分け。直しに入った時計店。高齢の店主。手慣れた手つきで修理をし始める。
店には様々な時計があった。店主は語り始める。結婚記念の鳩時計、娘が生まれた記念のディズニー時計。いなくなった妻のパタパタ時計。娘が亡くなった時のアニメの時計。父親の形見の懐中時計。時がそこで止まっている。
わたしは広告代理店の営業マン。妻と未婚の娘がいる。定年まで3年というときに突然意に沿わない異動を命じられ、2か月前に辞表を出した。それから無職。時計にまつわる様々な思い出がよぎる。

「成人式」2015年12月
30歳を前に生まれた娘。その娘が15歳、高校入学の春に交通事故で無くなる。そして、5年。夫婦の歩んだ道のり。そこに成人式のカタログが送られてくる。45歳になる妻は、振袖を着て成人式に出ると言い出す。
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