1951年(昭和26年)生まれの作家、浅田次郎は、「鉄道員(ぽっぽや)」で1997年平成9年第117回直木賞を受賞した。
1995年平成7年発表の表題の「鉄道員」はじめ、1995年から1997年までに発表された8つの短編からなる1997年4月刊行の「鉄道員」。もう一度読みたくなる珠玉の短編集だ。
鉄道員(ぽっぽや)
正月明けの北海道の幌舞線。廃線が決まっている線の終着駅が幌舞だ。炭鉱町として栄えた町。閉山。駅長の乙松は、勤続45年。今年3月に定年を迎えようとしていた。零下20度の駅。二月目で亡くなった娘、そして妻も10年前に亡くなり、一人で駅に住んでいる。そんなある日、一人の女の子が駅で遊んでいた。
ラブ・レター
40近い吾郎は、便利屋として新宿歌舞伎町で暮らしている。吾郎がやくざに頼まれ戸籍を貸した、出稼ぎ中国人の妻、白欄が病気で亡くなったと刑事が言いに来る。顔も見たいことがない遺体を、千葉へ引き取りに行くようにというのだ。彼女は24、5歳だという
悪魔
山の手の高級住宅街に住んでいた僕のもとに、東大生の家庭教師、蔭山がやってくる。僕は彼を悪魔と呼んだ。小学5年生の思い出。一家の没落。
角筈にて
46歳の貫井は、本者営業部長だったが、プロジェクト失敗の責を負わされ、海外へ異動させられることになった。その送別会が終わり、一人帰る道すがら、貫井は40年前の夏に分かれた父親と遭遇する。貫井は叔父の家に預けられる。叔父の娘の久美子が妻となった。
伽羅
ファッションメーカーの営業部員だった小谷は、26歳。いい成績を上げていた。彼は、同業者からの紹介で、ブティックを紹介される。その店は、30半ばの女性店主だった。店の名は「伽羅」といった。20年前の日々を回想する。
うらぼんえ
ちえ子は両親がおらず、祖父母に育てられ、今は独りぼっちだ。外科医と結婚したが、子どもはいない。その夫が看護師と浮気し、子どもができた。夫の実家で法事が執り行われる。
ろくでなしのサンタ
柏木三太は、30歳。母親と二人暮らし。ポン引きで警察にお世話になり、クリスマスイブに釈放される。三太は、同じ雑居房にいた北川という人の好い窃盗犯が気にかかる。北川には、母と妻、小学生の娘が二人いた。
オリヲン座からの招待状
大企業に勤める41歳の佑次と35歳のその妻、良枝。高校生の子がいる2人は、京都の西陣で育った幼馴染だった。しかし、今は佑次の浮気と、それが原因の良枝の不倫で、別居中だった。そんな2人に、小さい頃通った映画館オリヲン座から閉館の知らせが舞い込む。
1995年平成7年発表の表題の「鉄道員」はじめ、1995年から1997年までに発表された8つの短編からなる1997年4月刊行の「鉄道員」。もう一度読みたくなる珠玉の短編集だ。
鉄道員(ぽっぽや)
正月明けの北海道の幌舞線。廃線が決まっている線の終着駅が幌舞だ。炭鉱町として栄えた町。閉山。駅長の乙松は、勤続45年。今年3月に定年を迎えようとしていた。零下20度の駅。二月目で亡くなった娘、そして妻も10年前に亡くなり、一人で駅に住んでいる。そんなある日、一人の女の子が駅で遊んでいた。
ラブ・レター
40近い吾郎は、便利屋として新宿歌舞伎町で暮らしている。吾郎がやくざに頼まれ戸籍を貸した、出稼ぎ中国人の妻、白欄が病気で亡くなったと刑事が言いに来る。顔も見たいことがない遺体を、千葉へ引き取りに行くようにというのだ。彼女は24、5歳だという
悪魔
山の手の高級住宅街に住んでいた僕のもとに、東大生の家庭教師、蔭山がやってくる。僕は彼を悪魔と呼んだ。小学5年生の思い出。一家の没落。
角筈にて
46歳の貫井は、本者営業部長だったが、プロジェクト失敗の責を負わされ、海外へ異動させられることになった。その送別会が終わり、一人帰る道すがら、貫井は40年前の夏に分かれた父親と遭遇する。貫井は叔父の家に預けられる。叔父の娘の久美子が妻となった。
伽羅
ファッションメーカーの営業部員だった小谷は、26歳。いい成績を上げていた。彼は、同業者からの紹介で、ブティックを紹介される。その店は、30半ばの女性店主だった。店の名は「伽羅」といった。20年前の日々を回想する。
うらぼんえ
ちえ子は両親がおらず、祖父母に育てられ、今は独りぼっちだ。外科医と結婚したが、子どもはいない。その夫が看護師と浮気し、子どもができた。夫の実家で法事が執り行われる。
ろくでなしのサンタ
柏木三太は、30歳。母親と二人暮らし。ポン引きで警察にお世話になり、クリスマスイブに釈放される。三太は、同じ雑居房にいた北川という人の好い窃盗犯が気にかかる。北川には、母と妻、小学生の娘が二人いた。
オリヲン座からの招待状
大企業に勤める41歳の佑次と35歳のその妻、良枝。高校生の子がいる2人は、京都の西陣で育った幼馴染だった。しかし、今は佑次の浮気と、それが原因の良枝の不倫で、別居中だった。そんな2人に、小さい頃通った映画館オリヲン座から閉館の知らせが舞い込む。