パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

プラモの世界(1)兜鎧 加藤清正 

2018-09-30 | life
昭和30年代生まれは、プラモに弱い。弱いというのは作れないという意味ではなく、手が出るという意味だ。

小学校の頃、憧れたプラモ作り。私の場合は、童友社の兜や刀のシリーズだった。しかし、お年玉でも鎧シリーズには手が届かなった。それに小学生では難しかったかもしれない。

童友社のHPでは、もう鎧シリーズは数少なくなっていた。需要がないということなのだろう。寂しい限りだ。定年退職した今年、童友社の加藤清正の鎧を作った。8月から9月にかけて約ひと月、パーツごとに少しづつ、接着剤が固まるのを待ち、数日おきに作った。集中する時間が心地よい。


武具とはいえ、この鎧は実戦重視ではなく、美を追求している。

なぜ、鎧が好きなのか。武具とはいえ、そこには死を前にした美学が感じられるからである。多くの部下を指揮、従え、多くの命を預かる武将。戦場では、鼓舞と羨望、そして象徴として鎧に身を固めた。戦いは引き分けがあるとはいえ、常に死と背中合わせだった。武具は、そこまでして生きることに執着せざるを得なかった時代の産物だと思う。

子どもの頃は、恰好いいだったかもしれないが、今は死を意識して作っている。
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万引き家族

2018-09-24 | book
2018年5月のカンヌ映画祭で最高の賞をとった。その小説本「万引き家族」を読んだ。2018年6月刊行。作者は監督の是枝裕和。

万引きを肯定しているようなイメージが先行して話題になったが、家・家族とは何か、個人の自立を視点に描かれたような気がする。映画の登場人物でイメージをして楽しめた。

治(リリー・フランキー)と小学生の祥汰の万引きの場面から。そこに虐待を受けている女の子ゆりが登場する。まわりを高層ビルに囲まれた東京下町の一軒家に住む。

年金が収入源のおばあさん、初枝(樹木希林)。そして治のパートナー信代(安藤サクラ)。そして信代の妹の亜紀(松岡茉優)。ひそやかだが温かい居場所がそこにある。食事の場面が印象的だ。コロッケ、うどん、そうめん、トウモロコシ。

そして、徐々にそれぞれの抱える過去やこの家に住むようになった経緯が明らかになる。
治の事故や信代のリストラ、家族で出かけた海。初枝の死など、いろんな出来事を繰り出しながら、祥汰の万引きの発覚を契機に、新展開が。

昔、読んでから見るか、見てから読むかというキャッチがあったが、そんな心境。

9月に亡くなった樹木希林。追悼。
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宇治拾遺物語 現代語訳

2018-09-23 | book
宇治拾遺物語。鎌倉初期13世紀に書かれた約200の説話集。こぶとりじさん、わらしべ長者など、読んだことがあると思われる物語がある。これを芥川賞作家、1962年生まれの町田康が現代語訳をした。名のある人のゴシップ、おとぎ話など、33の説話が掲載されている。

池澤夏樹監修の日本文学全集全30巻の8巻目。他に現代語訳で、伊藤比呂美訳の日本霊異記、福永武彦訳の今昔物語、伊藤比呂美の発心集が掲載されている。

町田は、大阪弁でのりのりで訳すので、読みやすく、おもしろく、くすぐる話が多い。
800年も前に書かれたものだ。しかし、人間の本性は変わらないと思わせる。
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もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX

2018-09-17 | book
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」。第1弾に続いて出た第2弾の「青のりMAX」を読んだ。2017年12月刊行。神田圭一、菊池良作。

なんのことはない。カップ焼きそばの作り方のワンパターンを、それぞれの文豪の有名作品の語り口で書いた。本作は、渡辺淳一、ゲーテ、カズオイシグロ、井伏鱒二、紫式部、ブルゾンちえみ、カフカ、朝井リョウなどその数111人だ。

巧妙な語り口。知っている作家なら、その雰囲気ありあり。

なんてことはない本。でも、痛快。雰囲気あるよなと膝を叩く。
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帰ってきた空飛び猫

2018-09-16 | book
空飛び猫の第2弾。ル・グゥインの「帰ってきた空飛び猫」(catwings return)を読んだ。原作は1989年刊行。日本では村上春樹訳で1993年刊行。
丘の上の農場の納屋の屋根裏に住む、羽のある4匹のきょうだい猫。農場のハンクとスーザン兄妹は、4匹との生活を楽しんでいた。
フクロウに襲われ傷ついたジェームズも治り、ハリエットと、ジェーン・タビーお母さんが恋しくてたまらない。セルマとロジャーはハンクとスーザンが心配するので残ることになった。

なんとか生まれ育った町にたどり着いたジェームズとハリエット。しかし、スラム化し、ビルも壊されていく。お母さんはどこにいるのか、無事なのか。
2匹は、そこで羽のある黒い子猫に出合う。子猫は怯え隠れていたが、ジェームズとハリエットが何とか手なずかせる。しかし、住処もいよいよ壊されそうになる。そこで出会ったムクドリが、ほかに猫がいるという場所を教えてくれる。
ジェームズとハリエットは、お母さんに会えるのか。また、丘の上の農場に帰ることができるのか。黒い子猫は。羽の生えた猫の冒険譚の第2弾。本編52ページ。
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昭和の鉄道模型を作る 2

2018-09-09 | life
コントローラーをセットし、Nゲージの鉄道模型を走らせる。そこに暮らす人々。

松の湯、貸家、理髪店


面影橋駅のプラットホーム


駅裏の昭和通り。郵便局、薬局、書店側


昭和通りの映画館、パン屋、スナック・すし屋、喫茶店


面影橋通り


面影橋駅前の八百屋と魚屋


面影橋通りと昭和通り

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昭和の鉄道模型を作る

2018-09-02 | life
「昭和の鉄道模型をつくる」。講談社が、2007年(平成19年)8月2.9日号から2008年(平成20年)7月31日の1年間、毎週、プラモ付きで発売した50冊。Nゲージのジオラマ制作マガジンだ。価格は、1号が特価の税込み780円、以降50巻までは各巻税込み1,490円。50巻で合計73,790円だ。全巻購入予約の人には、25巻までの応募券で、無料で特製コントローラーがついた。そして、特製クリアケースが、2008年8月28日(木)までに税込み29,400円で買うことができた。

企画は、昭和と銘打ち、この頃、定年前後の団塊の世代を狙った。7万円は一気に出せないが、毎週1,500円ならいける、そう思わせた。Nゲージの鉄道模型とプラスティクの模型。昭和の時代を生まれ生きたこの年頃のおやじたちにはたまらない魅力であったろう。

自分は、当時定年まで10年を数えていた。今後、この間、どんなことが起きるのか。無事、迎えられるのか。もちろん、家族がどんな状態にあるのかさえも、わからない。そんな中、この企画は、もちろん魅力的だった。毎週、書店から送られてくる部品を眺め、雑誌を読み、家に持ち帰り、倉庫にしまい込んだ。定年までの願掛けのように。3万円のアクリルケースは買えなかったというか、定年まで、つまり、この鉄道模型を作るまで生きているのかさえもわからないのに3万円も出せないし、しまう場所もなかった。

その鉄道模型を作った。アクリルケースの代わりに近所のDIYで塩ビの透明版一ミリと角材を組み合わせ、作成した。ミニチュアの世界を紹介する。

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