パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

春到来

2012-03-31 | life
梅の開花が、平年より一月も遅れていたという。我が家のさくらんぼの木にも花が来て、強風で散り始め、葉桜となり始めた。沈丁花にも花が来たが、いつもより香りが弱いような気がする。
3月中旬にも積雪があったが、大霜の日もあった。寒い冬だったためにいろいろと植物もたいへんだったのか。

また、この季節を迎えることができ、ありがたい。別れと出会いの季節。さまざまな感情を含んだ、春霞がやってきた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

言葉抄(1)『働く君に贈る25の言葉』から

2012-03-25 | book
2010年10月に初版。その後、ベストセラーに。1944年、昭和19年生まれの佐々木常夫の『働く君に贈る25の言葉』。
東大卒で大企業の取締役に。しかし妻の病気と自殺未遂、長男の病気と3人の子の子育て。夕方6時に退社する課長職の中で、会社員として上り詰める。単なる出世本ではないところに世間の目が向かう。

たしかにこの傾向の話は、自慢が鼻につくことが多い。巻頭には、「運命を引き受け、人を愛しなさい。それが自分を大切にすることです」とある。「なぜ自分は出世できないか」「なぜ、仕事ができないか」「あいつばかりがなぜ出世する」などど考える前に、やはり、原因は自分にあることを考えねばと思う。

この本から気になった言葉。

1、自分を磨くために働く
強さの根底にやさしさがなければ、幸せになることはできない
会社とは、仕事の8割は雑用。しかし、目の前の仕事を一生懸命にやることで、おもしろさを見つけよ
会社なんてどこへいっても似たようなもの。食べるために懸命に働いてみよ。
名誉欲、金銭欲、出世、昇進。欲は生きていくための原動力。大切にしろ。それで壁にぶつかり、欲(自分本位)は磨かれて(乗り越えて)志(部下の成長を願う気持ち)になる。真の味方ができる。
仕事相手、部下は選ぶことはできない。思うように進まないのはあたりまえ。

人間は利己的だ。失敗し、叱られ、傷つく。でも、それでもなお、と一歩踏み出す。これが自分を磨くことになる。それでもなお、逆説の10か条。
それでもなお、①人を愛しなさい、②良いことをしなさい、③成功をしなさい、④良いことをしなさい、⑤正直で素直なあなたでいなさい、⑥大きな考えをもちなさい、⑦弱者のために戦いなさい、⑧築きなさい、⑨人を助けなさい、⑩世界のために最前を尽くしなさい。

心の糧、人生観を持て。母親の言葉。「運命は引き受けよう」。世のため人のために尽くす人になりなさい」「人を傷つけてはいけません」「ウソをついてはいけません」「間違っていたら勇気を持ってごめんなさいと言いなさい」
長時間労働の多くはダラダラ残業。家族や趣味を大切にせよ。「ワーク・ライフ・バランス」は、考え。「ワーク・ライフ・メネジメント」という手法が大切。何をすべきかを明確に。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

井筒ファミリーの第3弾『おまえさん』(下)

2012-03-20 | book
「残り柿」は、政五郎が三太郎の出自で悩む。政五郎の妻お紺の動揺。実の母親、玉井屋の後添えおきえの「残り柿を目指して枝から枝へと登っていくのだ」が力強い。それに触発されるお六と彦一の恋の道。
「転び神」は、野菜売りの丸助と、弓の助の兄、淳三郎のふれあいと悩み。
「磯の鮑」は、恋に悩む信之輔が、これも叶わぬ恋に身投げしようとした娘を助ける。お徳の店の2階に学問所を開いた叔父の源右衛門が信之輔を諭す。「どうしたらいいのかわからぬときは学問あうるのが一番」と。
「犬おどし」は、逃亡中の犯人を捕まえる捕り物編。

いずれも、男女の機微が描かれていて、せつない。本道の殺人事件の結末もさることながら、周りの人々の悩みや生き様が描かれる。

「おまえさん」で大きな流れをつくり、一度、収束させて、3話を構成。そして、最後の話で大団円にという構成もおもしろい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

井筒ファミリーの第3弾『おまえさん』(上)

2012-03-18 | book
『ぼんくら』『日暮し』に続く第3弾。宮部みゆきの時代小説『おまえさん』。2011年9月刊行。2006年から2009年にかけて月刊誌に連載された4話と今回書き下ろしの最終話からなる。
江戸を舞台に、八丁堀同心井筒平四郎とそのファミリーともいうべき人々の活躍を描く。
井筒の甥の河合屋の美男・弓の助、本所の岡っ引き・政五郎とその手下三太郎、幸兵衛長屋の総菜屋のお徳さん。
これに今回、新顔で本所深川廻り同心の間島信之輔と叔父の本宮源右衛門、弓の助の兄の淳三郎が加わる。

しかし、いつもの井筒ファミリーがさらにパワーアップして殺人事件に挑む。今回は、心理戦的要素をふんだんに取り入れ、宮部ワールドが展開する。
5話からなるが。
まず、「おまえさん」。上巻506ページと下巻のうちの168ページ。
新薬にまつわる殺しめぐる人間模様「おまえさん」だ。
弓の助が、平四郎や政五郎など関係者8人を前に、お徳の総菜屋の2階で行う犯人推理の公開が1つの山場。それを受けた形で短編が繰り広げられる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビートルズのすべて 8 ロックアルバムの金字塔(5)

2012-03-11 | ビートルズ
音楽面や演奏サウンド展開では、『ラバー・ソウル』以来の多様で多彩な展開をさらに推し進めた。また、実験的な試みが実践され、成果を生んでいた。

『ラバー・ソウル』、『リボルバー』」では、ギター、ベース、ドラムスによるデビュー以来のアンサンブルを主体にキーボード、ホーンなどを加え、そこにテープスピードの変化、逆回転や、テープループの使用など、テープテクニックを加味して、斬新な演奏サウンドを展開していた。

『サージェント・ペパーズ』では、更なる変化が見られた。ギター、ベース、ドラムスによる基本のアンサンブルに、それぞれの楽器の音色に新たな工夫を凝らしていた。従来のありきたりの音から逸脱した新しい音色の追求。特にピアノをはじめ、キーボードをふんだんに起用し始めた。特に「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」で登場したメロトロンが、この『サージェント・ペパーズ』でもっ盛んに起用されている。ジョージ・マーティンのアレンジによるストリングスは多様化し、ホーンは多彩な音を奏でた。また、クラシック・現代音楽の手法を積極的に導入し、そのロック・ポピュラーミュージックと融合、一体化させた作品も含まれている。芸術面が評価される一面はここからもある。

音楽内とともに、評判になったのは、アルバムのカバーワークだ。架空のバンドの公演にやってきた聴衆が、ビ-トルズのバックにいるという構図。その聴衆としては、ビートルズのヒーロー・ヒロインから選ばれた人物、20世紀を代表するフィギアや造形物だった。裏表紙には赤地に歌詞が印刷された。これも初めてのことであった。これも評価を高めた。これ以降、アルバムのデザイン、形態など、アートワークにさまざまな工夫が凝らされるようになった。

また、アルバムに収録された作品の内容、構成が話題になった。アルバムそのものが一つの作品に即した作品で構成されていた。コンセプトアルバムと呼ばれ、ロックアルバムの構成に大きな影響を及ぼすことになる。いくつかの作品の組曲的な作品がみられるようになる。ロックオペラの登場も見られるようになる。

さまざまな面において既成概念を打ち破り、その枠組みを取っ払い、ロックミュージック、ポピュラーミュージックにおけるアルバムでの表現の可能性を示した画期的な作品であった。最後に本作の要となった「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を。

今回紹介された曲は、
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)」 
「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(With A Little Help From My Friends)」
ジョンレノンの弾き語りによる「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー(Strawberry Fields Forever)」
最初のテイク「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」
発表テイク「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」
ビーチボーイズ「神のみぞ知る(God Only Knows)」
「ペニー・レイン(Penny Lane)」
「ア・デイ・イン・ザ・ライフA Day In The Life」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ビブリア古書堂の事件手帖(2)』~栞子さんと謎めく日常~

2012-03-04 | book
三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』の第2弾。~栞子さんと謎めく日常~だ。2011年10月初版。
プロローグとエピローグに坂口美千代『クラクラ日記』(文藝春秋)を持ってきた。坂口安吾の妻の作品。栞子さんと、父と分かれた母親の関係が明らかに。
アントニイ・バ-ジェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)。前作で登場した女子高校生、小菅奈緒の妹の感想文をめぐる謎が明かされる。
福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)。福田定一とは。大輔が高校・大学と付き合っていた彼女の父が残した本のメッセージとは。栞子と大輔の関係に進展が。
足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)。古書堂に残された1冊の漫画本をめぐる、父と子の人生模様。2千円の値札に栞子の母親の思い出が。

北鎌倉を舞台に、栞子と大輔の関係も少しずつ進展を見て、二人の行く末が妙に気になる第2作目。本の香りが引き立ち、古書をめぐる人生模様が鮮やかに蘇る。さらに作家の歴史が紐解かれ、作品に誘う。さまざまな魅力が展開する。第3弾が待ち遠しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする