パンダ イン・マイ・ライフ

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御宿かわせみ(16) 八丁堀の湯屋

2015-05-10 | 御宿かわせみ
御宿かわせみ16冊目「八丁堀の湯屋」1991年11月

「ひゆたらり」
東吾が方月館に行かなくなって1年にもならないが,狸穴の名主,松本庄右衛門の倅,伊太郎が師範代として勤めていた。(「千鳥が啼いた」)
東吾は久々に松浦方斎の元を訪ねる。その頃,狸穴の近くに医師が住み着いた。曲直瀬(まなせ)桃庵で薬頭の今大路成徳の血縁と名乗っていた。しかし,長女の浜路は宗太郎の母親,次女の糸路が後妻に入り,宗次郎,宗三郎を生んだ。西麻布の大百姓の荒木家で食中毒が発生した。この辺りを縄張りにしている飯倉の仙五郎の家に投げ文がある。ひゆたらりは悪い人だ。荒木家の女御隠居おとよが殺されると。
「びいどろ正月」
江戸で風邪が大流行り。宗太郎もかわせみ,神林家,麻生家とうがいと手洗いを奨励していた。そんな折,薬種問屋,長崎屋のうがい薬,びいどろの瓶に入った「神聖水」が評判になる。
その長崎屋で間違って口にすると猛毒になる消魔水が一瓶売ったという。びいどろの瓶は硝子職人,雛屋弥助が作っていた。弥助の妹,おせきは長崎屋を手伝っていた。
「黒船稲荷の狐」
門前仲町の呉服問屋,尾張屋半兵衛とおかつの一人娘おしまが昨年養子を迎えた要助が行方不明になった。その要助の許嫁というおいねが小田原から訪ねてくる。尾張屋では要助が返るまでおいねを雇うことにする。そんな折,尾張屋の恒例の大売り出しが始まる。東吾は,長介を小田原へ調べに向かわせる。
「吉野家の女房」
千絵に頼まれていっしょに雛人形を見に行ったるいは吉野家と言う古道具屋で雛箪笥を買う。その箪笥に恋文が入っていた。翌日,吉野家の内儀お多加が雛箪笥を引き取りに来る。その吉野家の主人,儀兵衛と雛人形屋の翁屋の女主人お初が心中する。東吾は,お初とお多加は新宿で宿場女郎をしていたことを突き止める。
「花御堂の決闘」
源三郎が毎夜、遅くまで働き、香の香りをさせて戻ると、浮気を心配して妻の千絵はるいに相談をかける。助は源三郎と亀戸天満宮の光蔵寺に張り込んでいるという。その寺の前にある茶屋の茶汲み女のお栄がいい女で、どうも源三郎に気があるらしい。そのお栄は、昔、東吾が源三郎とともに神道無念流、岡田十松の岡田道場に通っていたときの同門、五井兵馬の仇として東吾を狙っているものがいると源三郎に話す。五井は、盗賊の仲間となり、切腹をして果てていた。その妹、和世の世話を東吾と源三郎は見ていた。
「煙草屋小町」
東吾がかわせみの老番頭の嘉助に煙草を渡す。深川のそば屋長寿庵の岡引、長助も同じ煙草を吸っていた。どうも日本橋の花屋という煙草屋のものらしい。花屋は彦太郎とおはんの若い兄妹が営んでいた。おはんは煙草屋小町といわれるほどの人気者であった。そのおはんに、堀江六軒町の名主の倅、表之助がほれて、東吾は中を取り持ってってほしいと頼まれる。どうも兄の彦太郎が反対しているらしい。その、彦太郎がある夜、刺される。しかし、相手をいわない彦太郎。火事で焼け出された兄妹がどうして店が出せるようになったのか。東吾は不信を抱く。通之進の粋な計らいが光る。
「八丁堀の湯屋」
かわせもの嘉助のひいきの湯屋,松の湯がしばらく休むので,なつかしい八丁堀の湯屋大黒屋へ出かける。その大黒屋で,町奉行配下の同心,松田庄三郎が女湯の湯船で殺されていた。
「春や,まぼろし」
深川猿江町の足袋屋,三河屋喜兵衛67歳は2度目の妻もなくし,おつねとおかつの2人の子がいる。そこに喜兵衛は最初の妻おとよの父親違いの娘お小夜を連れてきた。おとよは30年以上行方不明になっていた。2人の娘はそれがおもしろくない。そのおつねの息子新之助12歳が水死する事件が起きる。新之助はおかつの婿金次郎と仲が悪かった。そのお小夜の出自を調べに行ったおつね夫婦がなかなか帰って来ない。東吾は源三郎に頼まれて長助と府中へ行くことになる。

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