パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

未婚30

2015-05-06 | book
未婚30
1983年生まれの白岩 玄(しらいわ げん)は,京都生まれ。「野ぶたをプロデュース」がテレビ化され,有名に。
アラサーの結婚を題材にした「結婚問題」。2014年9月刊行を読んだ。表題と今回書き下ろしの「葉子の離婚」の2作からなる。

「結婚問題」
30歳を前にした小さな出版社の編集者の望月里奈は,30歳の小説家,佑人と結婚を目前にしていた。家事を一切請け負う佑人,仕事にも行き詰まりを感じている里奈は,母から披露宴はしないのかと言われ踏ん切りがつかないでいた。里奈は,バツイチの遊人,葉子に相談。佑人は,京都で暮らす母親の元を訪ねる。
マリッジブルーになる里奈は,カメラマンの多賀谷の登場と告白に動揺する。佑人も最近書けない悩みがあり,不安定な収入を里奈の母に指摘されてしまう。2人に訪れる別れの危機。しかし,共に暮らしたいという思いが,再び2人を引き付ける。

「葉子の離婚」
里奈の友人,葉子は里奈と同じ30歳。2年前に離婚し,元夫と買ったマンションに1人で住んでいる。
病に倒れた父。看病に明け暮れる母。妹は2人の子育てで忙しい。父の入院費の工面で揉める家族。里奈と同じように葉子も実母としっくりいっていない。
そんな時,小学校4年の時,事故で片腕を失った5歳下の弟,樹はアメリカに渡り,映画づくりをしていた。その樹が葉子のマンションに転がり込んでくる。そして,元夫の再婚。最高に落ち込む葉子。「傷は消えない。ずっと残る。何もかも元通りになるわけじゃない」。樹の言葉に葉子は一歩を踏み出す決意をする。

人はいろいろ悩みを抱え生きている。そして人に支えられて生きている。アラサーの著者が送るエール。人生,一歩先はわからない。でも,踏み出さないと始まらない。そしてやり直しはきかない。

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