パンダ イン・マイ・ライフ

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御宿かわせみ(32) 十三歳の仲人

2016-10-02 | 御宿かわせみ
十三歳の仲人
御宿かわせみ32
平成16年3月 オール讀物平成15年2月号から10月号7月号を除く

十八年目の春
三代も続く仲の悪い平河町の菓子屋,丸屋と老松屋は,18年前の天神さんのご縁日に,丸屋の倅,19歳の新兵衛,老松屋の娘16歳のおそのが行方知れずになった。親の心,子知らずの話。

浅妻船さわぎ
狸穴の方月館に麻布十番で馬秣を扱う飼葉屋政右衛門が訪ねてくる。馬秣の中に,桐の箱が置いてあり,浅妻船之図 英一蝶と書いてあった。これは元禄の頃,将軍綱吉の妾の舟遊びを扱ったもので,当時は発禁ものだった。その浅妻船の偽物をふところの中に入れた経師屋の竹彦が殺された。六本木の店を竹彦に紹介したのは,赤坂の地主,市兵衛で,その妻,お久麻30歳は竹彦の幼馴染,飼葉屋政右衛門の先妻の子だった。お久麻の腹違いの妹お久美は,東吾に姉さんを助けてほしいと頼みに来る。そして,お久麻と,お久麻の昔の情夫,徳三が市兵衛の家で殺される。市兵衛は知り合いの家で一夜を明かしていた。

成田詣での旅
るいの茶の湯の師匠,寂々斎楓月が喜寿を迎え,成田詣でに出掛ける。そのお供にるいとお千絵,深川の料理茶屋辰巳屋新兵衛と女番頭のお篠30歳など17名がいた。旅の途中,お篠を訪ねて,幼馴染の弥七が横浜からやってくる。結婚して欲しいというのだ。それを知り,新兵衛はお篠と祝言を上げる。しかし,その新兵衛が海釣りに出かけ,船が転覆し,死んでしまう。東吾はお篠と弥七を疑う。弥七は横浜の荷揚屋相模屋の手代で一人娘の婿になっていた。お篠は新兵衛の弟のたくらみで辰巳屋を追い出されてしまう。
運命に翻弄されるお篠。

お石の縁談
かわせみの女中お石に縁談が舞い込む。深川門前町の薪炭問屋の奥津屋の若旦那仙太郎だった。六兵衛とおさだ夫婦も熱心に会いに来る。しかし,大店に嫁ぐことに気が向かいない。しかし,奥津屋は火事に会い,六兵衛夫婦は死んでしまう。失意の仙太郎を,堀江町の大工,源太の息子,小源太が励ます。源太は10年前に死んでいた。そのお石は,2人で頑張ろうと仙太郎に言うが,仙太郎は首をくくり死んでしまう。お石の幸せを願う東吾とるい。

代々木野の金魚まつり
東吾は傷心のお石を連れて代々木野へ恩師の法事に出かけた。お石は見事法事の裏方を仕切る。その代々木野に金魚市が立つと聞いて出かけたが,そこで大工の小源の弟子,定吉と絡まれるが,お石は4人の暴漢をやっつけてしまう。その定吉はお石を逆恨みして襲う。お石と小源のなれ初め。

芋嵐の吹く頃
かわせみのお吉が凝っている曲物。薄い板に熱を加えて曲げ丸い容器を作るもの。その曲物屋の神田飯田町の大杉屋を気に入っていた。ある日,東吾が大川に落ちた深川門前町の茶問屋の清水屋の隠居,金右衛門を見つけ,かわせみに連れてくる。川に飛び込み,助けたのは大杉屋の倅,宇都宮に住む18歳の弥吉だった。その金右衛門は,今度は綾瀬川に落ちて死んでしまう。自殺だったという。

猫芸者おたま
佐原で有名な醤油造り家の木島屋の若旦那敬太郎はかわせみに泊まり,回向院のお茶屋で20歳過ぎのおたまという芸者と仲良くなり,別れ金を東吾に託す。そのおたまの弟,正太が横浜で異人を切り付け逃げていた。正太はおたまの妹分のおひろに入れあげ,奉公先の金に手を付け,辞めさせられていた。おたまは逃げ込んだ正太を匿う。

十三歳の仲人
神林通之進の家に大工の小源が出入りしていた。麻太郎は千春を道で見かける。千春はかわせみの女中,お石に縁談があると泣いていた。その話を麻太郎は家に帰り,その話をする。その時,小源は梯子から落ちて怪我をする。麻太郎は麻生宗太郎を連れ,千春はお石を連れて,小源の長屋へ見舞いに行く。一方,お石の縁談が進んでいた。故郷の野老沢(ところざわ)に帰るという。13歳の麻太郎と7歳の千春が取り持つ縁。仲人をお願いされた2人。見守る東吾とるい。そして通之進と香苗も加わる。お石の縁談3部作の最終章。

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