ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

驕るNHK - 41 (  『沖縄メッセージ』への誤解 )

2019-09-09 05:05:36 | 徒然の記
 総理の話に一段が落つきましたので、『拝謁記』に戻ります。
第5章の(5)は、下記5項目でした。   2項目が終わり、本日は3項目からです。
 
  ◦   驚きだが、気をつけて見るべき               ・・・  日本大学・古川隆久教授
 
  ◦  国際政治の冷厳な現実を重視                     ・・・ 一橋大学・吉田宏特任教授
 
  ◦  主権国家なら、当然と言うこだわり        ・・・ 歴史家・秦郁彦
 
  ◦   リアリスト昭和天皇の、安全保障論       ・・・  志學館大学・茶谷誠一准教授
 
  ◦   大局的に考えている                                    ・・・  日本大学・古川隆久教授
 
 【  主権国家なら当然だというこだわり   】・・・ (  歴史家・秦郁彦氏の話 )
 
  ・旧軍閥の復活はダメだというのが前提で、憲法9条を改正して再軍備をすることが、主権国家として当然だというのが昭和天皇のこだわりだ。
 
  ・一方吉田茂も、独自の再軍備の構想を持っていた。ちょうどこの頃に、警察予備隊ができたが、吉田としては、日本の経済力が足りないうちは、本格的な再軍備はできないので、待っていてもらいたいという意味を込めて再軍備に反対していた。
 
 「掃き溜めに鶴」という言葉があります。類似語に、「ごみために鶴」「塵塚(ちりづか)に鶴」という言葉も、あるそうです。秦氏の意見がまさにそうで、ヘドロの中で、場所に似合わぬまともな意見に出会いました。
 
 古川氏と異なり、「旧軍閥の復活はダメだというのが前提で」と、正しく陛下のお言葉を解釈しています。
 
    自衛隊のような軍を考えておられるとか、外国に侵略できるような軍でないなどと勝手な解釈をしていません。
 
 経済力がついたにも関わらず、総理の後継者だった自民党の政治家たちが、憲法を改正しなかった怠慢だけが、残る日本の課題となりました。
 
 秦氏は、吉田清治が慰安婦狩りをしたと大嘘をついた時、済州島で現地調査を行い、事実が存在しなかったことを明らかにした学者です。もともと、このような反日番組に参加する人物でないのですから、断ればよかったのです。
 
 【  リアリスト昭和天皇の安全保障論   】・・・ (  志學館大学・茶谷誠一准教授の話 )
 
  ・実際に私の祖母が、内灘で試射場反対の座り込みやっていたので、その孫としては、少し複雑な心境なのは確かだ。
 
  ・今の観点から言うと、昭和天皇がひどいことを言っている。とても保守的な人だと思うかもしれないが、戦前の自由主義の価値観では、自分たちの国を自前の軍隊で守るというのは、当然のことなので、
 
  ・その視点から言えば、当然のことを言っているだけだ。現実主義的な、『リアリスト昭和天皇』の安全保障論が強く出ている。
 
  茶谷氏の意見を読みますと、「二羽めの鶴か?」と早合点する人がいるのではないかと思います。しかし氏は、そうではありません。
 
  ・昭和天皇が、昭和22年まだ日本が占領中の時期に、戦後日本の安全保障論として、沖縄および他の琉球諸島に、駐留米軍にとどまってもらいそれで日本の安全を守ってもらうしかないという、いわゆる『沖縄メッセージ』を出していることを考えると、
 
  ・沖縄とか本土の一部の地域に、駐留米軍を置いておくことで日本を守るんだという考えが、昭和天皇の頭の中に戦後通貫した考えとしてあったと、受け取っていいのではないか。
 
  ・昭和天皇にとって、安全保障上の持論だったということが、今回の資料で改めて分かった。
 
 『沖縄メッセージ』という言葉を持ち出し、陛下のお考えを推測するところに反日学者の影を見ます。『沖縄メッセージ』には以前から議論があり、様々な解釈があります。
 
 良い機会なので、曖昧だった自分の知識を整理し、息子たちに伝えておきたいと思います。陛下への誤解をなくすためにも避けて通れませんので、詳しくは、次回といたします。
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驕るNHK - 40 ( 吉田総理と吉田教授の意見比較 )

2019-09-08 15:03:31 | 徒然の記
 吉田総理の「著作」の 3回目です。第三章 の憲法に関する叙述を紹介します。
 
 「こうした大きな改革は、大体のところ、多くの国民の支持を得た。」「例えば、新しく発布された憲法は、国民によって支持された。」
 
 「しかし、憲法改正のイニシアティブが、占領軍によって取られたことも、否定し得ない事実である。」「従って、日本人の発意によって作られた憲法と同じように、容易には日本の社会に根づかなかった。」
 
 期待して再読しましたが、ごく普通の文章でした。
 
 「また、憲法改正のような変革を、人々はその好むように受け取った。」
 
 「戦争を放棄した、憲法第9条がそのよい例で、それが自衛のための武装も禁止しているのかどうかについて、初めから、人々の意見は定まらなかった。」
 
 「一般の国民は詳しく考えず、ただ戦前の軍国主義への反動から、第9条を支持したように思われる。」
 
 左翼の人々は、戦争に苦しんだ国民が、諸手を挙げて「憲法」賛成したと説明しますが、氏の捉え方は少し捉え方が違っています。
 
 「法律を変え、政治体制を修正することはやさしいが、それを根づかすのは難しいのである。」
 
 「結局、戦後の改革で日本に根づいたものは、日本側に何らかの基礎があったものであり、それがなく、かつ、日本の実情に沿わなかったものは、独立回復後に変更されたように思われる。」
 
 独立回復後も憲法を変更しなかったところを見ますと、吉田総理は憲法が、日本の実情に合ったものと考えていたのでしょうか。それとも、「日本人の発意によって作られた憲法と同じようには、容易に日本の社会に根づかなかった。」という考えを、終生抱いたままだったのでしょうか。
 
 疑問を解く鍵が、「第四章・奇跡の経済発展 」の中にあるような気がしますので、その部分を紹介します。
 
 「昭和25年の6月、講和条約起草という目的を持って、アチソン国務長官の顧問に任命されたダレス氏が日本を訪れた。」
 
 「この時ダレス氏は日本の安全保障の問題について、日本が軍備を持たない状況を続けることは、国際状況からして到底許されることでないから、講和独立の条件として、日本の再軍備を主張した。」
 
 やはりダレス氏は、日本の再軍備を主張していました。陛下が、独立国には軍が必要であると田島氏に語られ、吉田に会うと言われたのが、丁度この頃です。
 
 しかし田島氏は、陛下のお言葉を抑える厚い壁となりました。
 
 警察予備隊が作られたのは朝鮮戦争の勃発後ですから、ダレス氏が総理と会談したのはこれより少し前の時期です。
 
 「この再軍備要請に対して、私は正面から反対した。」
 
 「当時の日本は、経済自立のための耐乏生活を国民に強いなければならない、困難な時期にあった。」
 
 「そのような時に軍備に巨額のお金を使うことは、日本経済の復興を極めて遅らせたであろう。」
 
 「それは例えて言えば、やせ馬に、重い荷物を負わせるようなものであったに違いない。」「正式な軍を作れば、日本経済がダメになるし、無理をして作れば役に立たない軍しか作れない。」
 
 軍を持ち戦力を維持するためには、どれだけの負担がかかるかを、分かりやすい言葉で説明しています。ダレス氏の要請は二度ありましたが、都度氏は断り、断る理由は常に「経済再建の優先」でした。
 
 ここで、前のブログで取り上げた吉田教授の話に戻ります。
 
 「吉田路線によって、憲法の問題をきちんと議論しないまま、なし崩し的に再軍備が進み、その延長線上に今日があるということを考えると・・・」
 
 総理の言葉を読めばわかる通り、なし崩し的に再軍備を進めたのでなく、国民生活のため経済再建を優先しています。むしろ「きちんと議論をしないまま」にさせた張本人は、田島氏ではなかったのでしょうか。
 
 陛下のご意思を総理に伝えさせなかったウイロビー准将 と芦田首相  、その指令のままに動いた田島氏のラインにこそ、責任があると思えてなりません。
 
 政府内で議論をさせなかったのはこの三人でしたのに、そこを言わず、総理に責任を押しつける吉田教授の意見に、「ねこ庭」は同意しません。
 
 著書の引用で長い横道となりましたが、左傾学者吉田氏の意見の紹介を終わります。
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驕るNHK - 39 ( 吉田総理が語る「民意」 )

2019-09-08 06:37:59 | 徒然の記
 本日も総理の著作の続きで、紹介しているのは第三章 の部分です。
 
   第一章 明治の創業  ・・・ 冒険と成功
 
   第二章 近代化のジレンマ
 
   第三章 戦後の二、三年  ・・・ 困難と努力
 
   第四章 奇跡の経済発展  ・・・ 勤勉と幸運
 
   第五章 奇跡の後で
 
 「アメリカで組織され、準備を進めてきた人々」と、総理が言っているのは、ウイロビー准将の率いる「民政局」メンバーのことです。准将に嫌われた政治家ですから、苦労したはずなのにそういうことは書いていません。
 
 「彼らの中で、ニュー・ディーラーはその典型であり、計画や理念を重んじ、その実行に努力を集中して、それが日本の実情に合致して良い結果をあげうるかどうかは、あまり意に介しないようであった。」
 
 「のみならず、政府側の担当者が、いろいろ進言忠告を試みることは、たとえ、計画の推進を有利にしようとするものでも、時には、しばしば占領行政に対する抵抗と受け取られ、時には妨害と解された時もあった。」
 
 保守系学者の著作を読みますと、GHQは大抵悪辣な組織として語られ、敗戦国の日本を権柄ずくで扱ったと、そう言うトーンで終始します。しかし総理の言葉には違った響きがあり、違った重みがあります。
 
 「どうもアメリカ人は、理想に走り、相手方の感情を、軽視しがちである。」
 
 「机上で理想的なプランを立て、それが良いと決まると、しゃにむにこれ、押し付ける。拒んだり、喜ばなかったりすると、怒る。」
 
 「善意ではあるが、相手の気持ちとか歴史、伝統などというものを、とかく無視してしまう。この熱心な改革者との交渉は、日本人にとって、ユニークな交渉であった。」
 
 抑制された文章なので、そのまま読んでしまいますが、この裏には、総理や政府関係者の苦労が隠されています。息子たちには無理でしょうが、私たちの年代の人間なら、心の痛む叙述ではないでしょうか。
 
 「もっとも、すべてのアメリカ人が、このような人々だけではなかったのであり、マッカーサー元帥と一緒に戦ってきた軍人たちは、ともかく占領を成功させることを考えていたようで、一部の改革者たちの行き過ぎを多少制約する働きをした。」
 
 ウイロビー准将の「民政局」と対立していたのは、ホイットニー少将の「情報局」でした。
 
 反共主義者の少将は吉田氏を支持していましたが、吉田総理は人物名に触れず、客観的な叙述にとどめています。何度も比較したくありませんが、こっそりメモを書き公表した人物とは、品格が違うようです。
 
 短気なワンマンとして語られる総理でしたが、著作を読みますと、見識のある指導者だったことが分かります。生真面目に現実的思考をされる陛下と、基本的に楽天思考の総理は、敗戦後の日本には最適の指導者だったのでないかと思えます。
 
 「結果的には、アメリカの占領政策はかなりの成功を収めた。理想主義的な改革は、戦後の混乱と絶望の状態にあった日本人に、将来への希望を与えた。」
 
 「少なくともそれは、日本人の生活を単なるその日暮らしには、終わらせなかった。おそらく日本人は、アメリカ人の楽天主義に共通するものを持っているのかもしれない。」
 
 「しかし、何よりも大切なことは、日本人がアメリカの理想主義的な改革を、消化するだけの、能力を持っていたからであろう。」
 
 権謀術策の政界に生き、GHQを相手に交渉をしても、文章には攻撃や批判がありません。一時の感情に左右されず、事実を冷静に見る目を失わない総理に、敬意を表したくなります。
 
 「また、議会政治の経験があったことは、選挙制度導入時にありがちな混乱と弊害を少なくさせた。大きな改革にも関わらず、それは政治に継続性を与えることになった。」
 
 「選挙をする国民が、大正時代からある政党の議員に多くの票を投じたからである。」
 
 「それは、ニューディーラーたちをはじめとして、根本的な改革を望んでいた人々を失望させることであったかもしれない。」
 
 「確かにこのことは、改革を抑制する方向に作用した。しかしだからこそ、日本社会の混乱が少なかったのである。」
 
 この部分は、息子たちのため少し説明が入ります。最初の選挙で、ニューディーラーたちは、共産党や社会党の議員が大量当選すると期待していたのに、国民が多数票を投じたのは、以前からある保守党だったという話です。
 
 「今から振り返ってみると、もっと改革がなされるべきであったという気持ちは、全く湧かない。逆にあれだけの改革が、大した混乱もなしに、よくもできたものだと、しみじみ感ずる。」
 
 総理が語っているのは、「民意の大きさ」だと思います。GHQとマスコミが鳴り物入りで推奨しても、国民は左翼政党を選択しませんでした。民意が、一方的な宣伝や、力ずくで作られるものでないことを教える叙述ではないでしょうか。
 
 「だからこそ、日本社会の混乱が少なかったのである。」
 
 総理の言葉を噛み締めながら、憲法と再軍備に関する話を次回に紹介します。
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驕るNHK - 38 ( 『日本を決定した百年』 )

2019-09-07 15:30:16 | 徒然の記
 今回は横道に入り、吉田茂氏の著書『日本を決定した百年』の紹介です。
 
反日吉田教授のおかげで、50年ぶりに読み返しました。
 
 参考までに、目次を転記いたします。
 
  第一章 明治の創業  ・・・ 冒険と成功
 
  第二章 近代化のジレンマ
 
  第三章 戦後の二、三年  ・・・ 困難と努力
 
  第四章 奇跡の経済発展  ・・・ 勤勉と幸運
 
  第五章 奇跡の後で
 
 ワンマン宰相と新聞で叩かれていましたから、少年だった頃の私は良い印象を持っていませんでした。わが家の新聞は朝日新聞でしたので、私と朝日も考えてみれば長いつき合いでした。
 
 学生時代と違い、今回の再読は意義深いものになりました。朝日の酷評と異なり、氏は立派な日本の総理でした。田島氏の違法なメモよりずっと歴史的価値のある氏の著作を、息子たちにも伝えたくなりました。
 
 「率直に言って、食うものも着るものもない当時の日本で、百年の大計などはおろか、先々のことを考えて対策を立てるなどと言う、生やさしい事態ではなかった。」
 
「極端に言えば、その日暮らしの窮境にあった。」
 
 「政府と同じように国民もまた、その日の生活に追われて、生きるために奮闘しなければならなかったのである。」
 
 この文を読みますと、父や母の姿が浮かんできます。それだけでなく、近所の大人たちの貧しい服装や笑顔などが思い出されます。陛下とだけでなく、吉田総理も、私の親たちと一つになり戦後を生きていたと、そんな気持なってきます。
 
 息子たちに言います。せっかくの機会なので、総理の言葉にしばらく耳を傾けてください。NHKや反日学者たちの解説の誤りだけでなく、もしかすると父の偏見も、明らかになるかもしれません。
 
    「幸か不幸か、われわれはその日の生活のことだけでなく、日本の将来に関することも考えなくてならなくなった。」
 
 「占領軍が、徹底的な改革を指令したからである。」
 
 「実際、第二次世界大戦後に訪れた占領軍は、歴史に例を見ないものであった。」
 
 「すなわちアメリカは、ただ単に勝者としてでなく、改革者として日本を 〈 非軍事化〉するために、進駐してきたのである。」
 
 敗戦後の日本で最高責任者であった陛下と吉田総理の、占領軍に対する想いを図らずも、知ることができました。日本を非軍事化し、弱体化させたGHQを憎んでいましたが、案外そうでもない事実がありました。
 
 「彼らはそのための計画を、日本に進駐する前から作っており、日本に進駐してくるやいなや、計画通りに日本の非軍事化と、民主化を推し進めていった。」
 
 「アメリカ本国で組織され、準備を進めて、日本に来た人々は日本を改革すると言う情熱に燃えていた。」
 
 「彼らは典型的なアメリカ人として、精力にあふれ、楽天主義に満ちた人々であり、本質的な善意のため、日本人の尊敬と協力を得るのに成功した。」
 
 50年前の読書では気づきませんでしたが、総理は、GHQに対しかなり肯定的な評価をしていました。居丈高に高圧的に、政府を追い詰めるばかりではなかったと言うことになります。
 
 「しかしまた、彼らはいささか尊大であり、かつ過酷でもあった。彼らは、日本の経済の復興を認めていなかった。」
 
 「昭和20年11月、アメリカ本国から、マッカーサー総司令部に与えられた司令は、貴官は日本経済の復興または強化に対し、なんらの責任を負う事なし、と書いている。」
 
 「彼らは、古い政治構造を破壊し、徹底的な社会改革を行うことが、日本人の生活にどんな影響を与えるかについても、単純に、楽観的であった。」
 
 学生だった50年前の自分と、今の自分の違いも教えられます。学生時代は何も知らずに読んでいましたが、今は氏の一言一言が、「生きた歴史」として心に響きます。
 
 「8月末に進駐してきた進駐軍は、9月11日に、東条元首相などの戦争犯罪人を逮捕したのをはじめとして、日本軍隊の完全な武装解除と、軍事機構の廃止、国家主義団体の解散などの、非軍事化のための措置、」
 
 「好ましからざる人物の公職追放、思想警察、政治警察の廃止、婦人参政権の付与、労働組合の結成、などの民主化のための措置を矢継ぎ早にとった。」
 
 「教育改革、土地改革、財閥解体、新憲法制定などの措置も、だいたい一、二年のうちに行われたのである。それは、無血革命と呼べるような、大変化であった。」
 
 総理の叙述には、GHQに対する怒りや憎悪がありません。この発見は、陛下のお言葉と同じくらいの驚きで、田島氏のメモ以上に貴重な歴史の資料だと、そんな気がしてきました。
 
  ( このまま続けたいのですが、スペースの都合で、一旦終わります。)
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驕るNHK - 37 ( 一部の不心得者の、意見紹介 )

2019-09-07 06:03:17 | 徒然の記
  第5章の(5)は下記5項目で、今回は、その2番目です。
 
  ◦   驚きだが、気をつけて見るべき
 
  ◦   国際政治の冷厳な現実を重視
 
  ◦   主権国家なら、当然と言うこだわり
 
  ◦   リアリスト昭和天皇の、安全保障論 
 
  ◦   大局的に考えている 
 
 
 【  国際政治の冷厳な現実を重視 】・・・ (  一橋大学・吉田裕特任教授 の話 )
 
  ・この資料を見ると、昭和天皇は憲法を改正したうえで再軍備すると、かなりはっきり繰り返し述べているので、昭和天皇が、独立国家であれば、軍隊を持つのは当然だと考えていることが、よく分かる。
 
  ・明示的に憲法を改正したうえで、しっかりと再軍備することを考えていたと分かったことは、新たな発見だ。
 
  ・吉田茂は、軽軍備や安保のもとで憲法を改正せずに、経済成長を優先させるという、いわゆる『吉田ドクトリン』を採っていたが、昭和天皇がそれとはかなり違う路線を考えていたということも新しい発見だし、あまり予想していなかったので、驚いた。
 
 「ねこ庭」では、学者たちが何度も同じ言葉を繰り返し、NHKがそのまま伝えているところに注目しています。同じ言葉を繰り返すのはコマーシャルの手法で、視聴者をその気にさせる魔法です。
 
  ・吉田路線によって、憲法の問題をきちんと議論しないままなし崩し的に、再軍備が進み、その延長線上に今日があるということを考えると、原点においてこれだけ議論があったということを振り返ることは、重要だと思う。
 
 NHKが、多くの国民を共感させる素晴らしい番組をたくさん作っていることを、「ねこ庭」は評価しています。従って「ねこ庭」では、NHKの全てを否定しているのでなく、NHKの中にいる一部の不心得者を批判していることを知ってもらいたいと思います。
 
 数%にも満たない彼らが、NHK全体のイメージを損なっている事実を指摘し 、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介しています。
 
 その一部の不心得者の一人、吉田裕特任教授の意見の続きです。
 
  ・昭和天皇は一貫して、国際政治の冷厳な現実を重視する一種のパワーポリティクスみたいな議論が、非常に強くて、軍事的な空白が生じたらそこにソ連が入ってくるという考えが非常に強い。
 
  ・背景として、朝鮮戦争の勃発によって冷戦が熱戦に転化してしまったことが大きく、それとともに起こった国内の治安問題やレッドパージなどの、騒然とした事態への危惧も非常に強い。
 
 パワーポリティクスという言葉を辞書でひくと、「国際関係を理解する、最も基本的な考え方。」と説明されています。陛下がこの様な視点で話をされているからといって、それがどうしたと言うのでしょう。
 
 左翼学者たちはパワーポリティクスを、「権力政治」や「武力政治」と勝手に解釈していますから、陛下のお言葉を間違って受け取ります。だから氏も、左翼学者の仲間なのでしょう。
 
 略歴を調べると、次のようにありました。
 
  ・吉田 裕(よしだ ゆたか )は、昭和29年生まれ
 
  ・日本の歴史学者、一橋大学名誉教授 東京大空襲・戦災資料センター館長
 
 「戦争の記憶を風化させるな。」と訴える、平和的人道的左系学者の仲間でした。どうやら氏は、陛下より「吉田路線」を押し通した総理の方を批判している様です。
 
  ・吉田路線によって、憲法の問題をきちんと議論しないままなし崩し的に、再軍備が進み、その延長線上に今日があるということを考えると、・・
 
 総理の経済優先には理由があり、「なし崩し的に、再軍備を進めた」と決めつけるのは間違いです。軽装備を主張したのは、敗戦後の貧しい日本の現実を踏まえたためです。「なし崩しも」何も、吉田氏の頭にあるのは軍の再建で、時期がくれば「吉田路線」は変わりますし、変わって当然です。
 
 『拝謁記』を読めば分かる通り、田島氏が壁の役割をし、陛下のご意思は吉田総理に伝わっていません。「お言葉が伝わっていれば、終生氏が「経済優先」ではなかったはずと考えます。
 
  ・原点において、これだけ議論があったということを振り返ることは、重要だと思う。
 
「これだけの議論」と氏は言いますが、「これだけの議論」はどこにも存在しておらず、田島氏のメモの中の話です。
 
 学生時代に買った本が、手元にあります。吉田茂著 『日本を決定した百年』 です。なんとなく処分できず、本棚にしまいこんでいた一冊です。
 
 表カバーに葉巻を手にした笑顔の写真があり、裏表紙ーには和服に白足袋で、ステッキをついた氏が写っています。大磯の、自邸の庭で撮ったものと思われます。
 
 陛下だけでなく総理についても、反日左翼の学者たちのいい加減な評価を、NHKで発信してもらいたくないと思います。
 
 話が横道に逸れますが、丁度スペースがなくなりましたので、続きは次回といたします。
コメント (2)
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驕るNHK - 36 ( 反日教授と、庶民の常識 )

2019-09-06 13:14:38 | 徒然の記
 本日は、第5章の(5)の最後になります。
 
 「NHKの説明」は、次の通りです。
 
 「  昭和天皇が、再軍備や憲法改正の必要性に言及していたことに対する 、『拝謁記 』の分析に当たった専門家の見方です。」
 
  (5)の内容は、下記5項目です。
 
  ◦   驚きだが、気をつけて見るべき
 
  ◦   国際政治の冷厳な現実を重視
 
  ◦   主権国家なら、当然と言うこだわり
 
  ◦   リアリスト昭和天皇の、安全保障論 
 
  ◦   大局的に考えている 
 
  【  驚きだが、気をつけて見るべき   】・・・  ( 日本大学・古川隆久教授の話 )
 
   ・昭和天皇が、戦前の軍隊に否定的な考え方だったということは、これまでの資料からある程度わかっていたが、改憲や再軍備に言及していたことは、今回の『拝謁記』で、初めてわかったことだ。
 
   ・これは一般の人だけでなく、研究者もかなり驚くと思うが、どういう文脈で、具体的にどういう内容を言っているかを、気をつけて見ていく必要がある。
 
 相変わらず、氏は敬語を使いません。こういう言い方を嫌悪される方もおられると思いますが、「たかだか私大の一教授が、陛下をここまで上から目線で語れるのか。」と、これが「ねこ庭」の正直な印象です。
 
    ・改憲と言っても、自衛隊的なものを作ることを憲法上認めるということで、国民主権や、象徴天皇の枠組みを変えるところまでは言っていない。
 
   ・再軍備といっても、戦前の日本軍のようなものを再現しようと言っているわけではないし、外国に侵略できるような、あるいは日本の国政を左右するような、軍隊ではない。
 
   ・昭和天皇は、旧軍に関してはものすごく批判的で、同じような軍隊を再現する気が全くないということは、ちゃんと押さえておかなければならない。
 
 氏は、NHKに協力した四人の学者のリーダー役をしています。いわば、このヘドロ番組を作った悪臭の発生源です。敬語も使わない学者の話を黙認していると、国民の役目が果たせていない気がしてきます。
 
 氏の意見のポイントを、つぎの4点に絞りました。
 
  1.  陛下は、自衛隊的軍隊を考えておられる。
 
  2.  陛下は、旧軍に対してものすごく批判的で、戦前の様な軍隊の再建は考えておられない。
 
  3.  陛下は、外国に侵略できる様な軍隊を、考えておられない。
 
  4.  陛下は、国政を左右する様な軍隊は、考えておられない。
 
 市場の魚屋の親父さんたちが、いっぱい飲みながら政談をしているのなら聞き流せますが、公共放送の電波を使い、教授の肩書きで放談をするのは見過ごせません。
 
 1番目の「自衛隊的軍隊」とは、どういう意味でしょう。専守防衛、シビリアン・コントロールという、二つの原則に縛られた自衛隊は、国際社会で言われる軍隊ではありません。
 
 専守防衛とは読んで字の如し、攻撃されるまで反撃できないという意味です。中国と北朝鮮のミサイルが合計300発、日本に照準を合わせています。核を搭載したミサイルが、一発でも日本を攻撃したら、広島、長崎どころの被害でありません。自衛隊の基地に着弾したら、自衛隊が一瞬で壊滅します。
 
 専守防衛では領土も国民も守れないだけでなく、肝心の自衛隊を失います。世界広しといえども、こんな軍があるのは日本だけです。攻撃される前に敵を叩いたら、戦闘行為でなく、刑法の殺人罪として裁かれるのが日本です。
 
 誰が、何時命令したのか、その命令は妥当か否かなど、自衛隊にはたくさんの制約があり、容易に動けません。世界の国々では、軍人の行為は軍事法廷で裁かれ刑法の殺人犯でなく、国のため戦った兵士として軍の裁判を受けます。
 
 自衛隊員が戦闘に参加した時、現在の日本では刑法の殺人罪が適用され、軍人の扱いを受けません。
 
 世界の非常識が、敗戦後の日本では「常識」とされています。
 
 国民の命も、領土も守れない自衛隊的軍隊を、陛下が考えておられると、氏はどこからこの意見を引き出したのでしょうか。
 
 2番目の主張も、お言葉からは導かれません。陛下は、「暴走する軍閥」を否定されていますが、「国を守る軍」は否定されていません。それだけでなく、国の独立には軍が必要であると言われています。旧軍全体の否定でなく、戦前の軍の中の「軍閥」を否定されているだけです。
 
 3番目の主張は、拡大解釈です。中国と北朝鮮のミサイルが、日本に照準を合わせているのなら、発射される前に叩かなくてなりません。相手が日本を破壊する兵器なら、領海を超えて基地を攻撃しなくて国は滅びます。
 
 陛下がご存命の頃は、中国・北朝鮮のミサイル配備が知られていなかったため、言及されていないだけです。敵基地攻撃のため領海を出ることが、なぜ「侵略」という言葉に置き換えられるのか。氏の意見は時代遅れの古雑巾みたいなもので、あちこちが擦り切れ役に立ちません。
 
 4番目も、拡大解釈です。陛下は、暴走する軍閥が、国政を左右した過去を否定されています。世界のどこの国でも、軍の行動は国政を左右します。動き出せば、軍は必ず国政を左右しますから、いかにコントロールするかが各国の工夫です。
 
 節度のある軍にするために、「愛国心」「ご先祖への感謝」「皇室護持」など、日本人の歴史と伝統が、国民と共有されることが基本になります。
 
 これを語らない学者の意見は、「ねこ庭」から言わせてもらえば空論です。
 
 「世の中の事は、全部正しいとか、全部正しくないという事はまづないので、一部は真理をいうが、一部の不完全は免れぬと言うのが物の常。」
 
  一部の理屈で全体を否定してはならないと、陛下が語られています。お言葉の一部を取り出し、都合良く解釈し、国民の電波で発信する行為は立派な犯罪です。まして、お言葉を勝手に作り変える行為は、国への反逆と呼べるのではないでしょうか。
 
  NHKに協力する反日教授と、庶民の常識の間には埋められない断層のあることが分かりました。
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驕るNHK - 35 ( 陛下と庶民の常識 )

2019-09-06 05:48:11 | 徒然の記
 本日は、第5章の(4)の、3項目の続きで、上から2番目になります。

  ◦ 現実を忘れた理想論は困る
 
  ◦ 米軍基地「止むを得ぬ現状
 
  ◦ 誰かが犠牲になり、全体が賠償するべき
 
 【 米軍基地「止むを得ぬ現状」 】 ・・・ 石川県内灘の米軍基地反対闘争
 
   ( 昭和28年6月17日の拝謁時のお言葉 ) 
 陛下
   「日本の軍備がなければ、米国が進駐して、」「守ってくれるより、仕方はないのだ。」「内灘の問題なども、その事を思えば、」「已むを得ぬ、現状である。」
 
 「よく外交が弱いというが、国際間の関係は、」「まだ道理というより、利害に動かされる故、」「正当の事の主張とて、通るとは限らぬ。」「外交上正しく主張するのに、軍備がものをいう訳故、」「日本の軍備をやめた今は、現実の状況としては、米軍に依る外ない。」
 
 「米軍中、不都合を働くものは、不都合故 、これは罰すればよい。」「そういう難点は、難点で考えてもよろしいが、」「その事の為に、根本的に反米とか、」「米軍が、日本の準備なき内に、退去するよう仕向ける事は、」「いかんと思う。」
 
 「私はむしろ、自国の防衛でない事に当る米軍には、」「矢張り感謝し、酬ゆる処がなければならぬ、くらいに思う。」
 
 陛下に敬意を払った元帥に、陛下も信頼を寄せられていたのでしょうか。アメリカ軍の駐留に、ソ連ほどの警戒心を抱かれていません。ルーズベルトとスターリンの密約を知られたら、それほどアメリカに感謝されることもなかったと思いますが、それは今だから言えることです。
 
 【  誰かが犠牲になり 全体が賠償するべき  】・・・ 両陛下が千葉県下ご視察
 
   ( 昭和28年11月24日の拝謁時のお言葉 )
 陛下
   「世の中の事は、全部正しいとか、全部正しくないという事は、まづないので、」「一部は真理をいうが、一部の不完全は免れぬ、と言うのが物の常。」「基地の問題でも、それぞれの立場上より論ずれば、」「一応、もっともと思ふ理由もあらうが、」「全体の為に、これがいゝと分れば、一部の犠牲は、已(や)むを得ぬと考える事、」
 
 「その代り、一部の犠牲となる人には、全体から補償するという事にしなければ、」「国として存立して行く以上、やりようのない話であるのを、」「憲法の美しい文句に捕われて、何もせずに、全体が駄目になれば、」「一部も駄目になってしまうという事を、考えなければと、私は思う。」
 
 「一部一部が、自分の利害の上から考へて、」「自分の利益権利という方に重きをおいて、全体の為にする義務という考えがないから、困ると思う。」「日本の国防という事を、現状に即して考えて、」「日本としてなすべき事が、分かれば、」「誰かが、どこかで不利を忍び、犠牲を払わねばならぬ。」「その犠牲には、全体が親切に賠償するというより、」「仕方ないと、私は思う。」
 
 心を鬼にし、多数のため少数の犠牲を決断する。犠牲に対しては、必ず格別の配慮を忘れない。人道主義者たちから、「非情」「酷薄」と非難されても決断するのが、政治家です。
 
 陛下の現実論に、氏がどのように答えていたのか知りたいのですが、ここにはメモがありません。後日、やっかいになりそうな問題には、メモを残さない氏の姿勢が、どうも評価できません。
 
 書かれているお言葉は、現実論というより、私たち庶民と共通する「常識」でないかと思えます。陛下を軽薄に見せるため、NHKと反日学者たちは、お言葉の最後を、実際は次のように書いています。
 
 「仕方ないと、私は思うがネー。」「考えなければと、私は思うネー。」「米軍にたよる外ないネー。」と、お言葉の最後にわざわざ「ネー」を入れています。
 
 こういう文章にすると、説明を読んだ視聴者は、「陛下は、他人事のように、気楽そうに言われる。」と思います。だから私は、自分の判断で「ネー」を削除しました。
 
 こう言う部分が、NHKの印象操作なのか、氏の小細工なのか、息子たちに知って欲しいところです。
 
 これで、第5章の(4)が終わり、(5) を残すだけとなりました。タイトルだけを見てましも、ロクでもない専門家が、ロクでもない意見を述べているのだろうと、容易に想像がつきます。
 
 飛ばしてしまいたいところですが、陛下のご辛抱を知れば、「何のこれしき」・・です。息子たちも、「ねこ庭」を訪問される方々も、同じ思いでいてくだされば幸いです。
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驕るNHK - 34 ( 田島氏への偏見 )

2019-09-05 13:12:57 | 徒然の記
今日から、「 第5章 」の、(4)にかかります。
 
  (1) 再軍備・改憲 やりとり詳細
 
  (2) ソ連の侵略 現実的な脅威を認識
 
  (3) 旧軍と軍閥 頑なに否定
 
  (4) 基地反対闘争に批判的な見解も
 
  (5) 再軍備・改憲 専門家の見方
 
 上記  (4)の 内容は、下記3項目です。
 
  ◦ 現実を忘れた理想論は困る
  ◦ 米軍基地「止むを得ぬ現状」
  ◦ 誰かが犠牲になり、全体が賠償するべき
 
 まず最初に、「NHKの説明文 」です。
 
 「『拝謁記 』 には、昭和天皇が、独立回復後の日本の安全保障や、米軍基地の問題に言及し、共産主義の脅威が高まる中で、国防をアメリカに頼る以上は基地を提供することもやむを得ない、という考えを示していたことが記されています。」 

 【 現実を忘れた理想論は困る 】 ・・・ 石川県内灘の米軍基地反対闘争について
 
  〈 昭和28年5月25日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
    ・新聞で見た事だけだが、小笠原でも奄美大島でも、米国は(基地を)返そうと思っても、内灘と浅間でも貸さぬと言われれば、返されず、米国の権力下において、そこでやるという事になる。
 
 ・米国の力で国防をやる今日、どこか必要なれば、我慢して提供し、(むしろ)小笠原等を米国が返すようにせねばいかん、と思うのに困った事だ。
 
 〈 昭和28年6月1日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・平和をいうなら、一衣帯水の千島や樺太から侵略の脅威となるものを、先ず去って貰う運動からして貰いたい。現実を忘れた理想論は、困る。
 
 田島氏
 ・理想論者は、千島の前に日本国土から米軍を引いて貰いたいと、申すかと思います。
 
 陛下
 ・それに対しては、私は、朝鮮を見たらすぐ分ると思う、と言いたい。朝鮮の現状等を見れば、現実問題としてそれは大変なことだと思う。
 
 親ソの田島氏は、米軍の撤退あるいは基地の縮小をするには、日本が憲法を改正し再軍備するのでなく、米国の駐留が問題でないのかと答えています。
 
 ルーズヘルトとスターリンの、カイロ・ヤルタでの密約をご存知ない陛下は、日ソ不可侵条約を破ったソ連への警戒心の方が、強かったことが伺えます。
 
 アメリカについてはマッカーサー元帥を通じて、親近感を抱かれているという事情があったのかと思います。元帥は朝鮮戦争勃発後、次のように陛下の望まれる方向で動いていました。
 
  ・ 日本への再軍備要請
 
     ・レッドパージ ( 共産党員とその親派の追放・押さえ込み  )
 
 元帥の独断でなく本国の指示でしたが、陛下には元帥の意向が大きく見えていたのかもしれません。日本の反日・左翼勢力はこれを「逆コース」と呼び、以後反米へと傾いていきます。
 
 田島氏が、陛下にご報告していたのか分かりませんが、当時を伝えるネットの情報がありますので、参考までに紹介します。
 
  「昭和25年、アメリカ極東海軍司令官から、山崎猛運輸大臣に対し、日本の海上保安庁の掃海部隊の、派遣要請があり、」
 
  「10月7日、第一掃海隊が下関を出港した。」「元山掃海作業では、10月12日、眼前でアメリカ軍掃海艇2隻が、触雷によって沈没したが、日本は敵からの砲撃を回避しながら、3個の機雷を処分した。」
 
  「10月17日に、日本の掃海艇のMS14号が触雷により沈没し、行方不明者1名、重軽傷者18名を出した。」
 
 「12月15日、国連軍のアメリカ極東海軍司令官の指示により、解隊されるまで、特別掃海隊は46隻の掃海艇により、元山、仁川、鎮南浦、群山の掃海作業に当たり、」
 
 「機雷27個を処分し、海運と近海漁業の安全確保に努め、国連軍が制海権を確保することとなった。」
 
 「戦地での掃海活動は、戦争行為を構成する作戦行動であり、事実上朝鮮戦争における掃海活動は、」「第二次世界大戦後の日本にとって、初めての参戦となった。」
 
 「平和憲法」を建前にする日本では、マスコミが伝えませんので、国民はこの事実を知りませんでした。
 
 「特別掃海隊に対し、北朝鮮外相朴憲永が非難し、ソ連、国連総会で非難した。」
 
 「李承晩韓国大統領は昭和26年4月、万一、今後日本が、われわれを助けるという理由で韓国に出兵するとしたら、われわれは共産軍と戦っている銃身を回して、日本軍と戦う、と演説で述べた。」
 
 初めて知る情報ですが、こうした事実は、おそらく陛下もご存じなかったのではないでしょうか。左系の田島氏が情報を遮断していたと、勘ぐり過ぎかもしれませんがそう思ってしまいます。
 
 反日左翼勢力に偏見の強い「ねこ庭」ですから、田島氏にも偏見が先に立ちます。念の為、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、他の情報も参照にされることをお勧めします。
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驕るNHK - 33 ( 陛下の、ソ連への警戒心 )

2019-09-05 06:26:02 | 徒然の記
 本日は、「吉田はどうも楽観に過ぎる」の続きです。
 
  〈  昭和28年11月11日の拝謁時のお言葉 〉
 陛下
 ・ソ連は千島を未だ返さず、万事ソ連はひどいのに、平和の美名の為に迷って、日本では親ソ反日の空気が相当ある事は、嘆かわしい事だと思う。
 
 ・この反米感情を和げ、正当に日本は、アメリカと仲よくやってく事が必要だと思うに、ソ連や中共側の宣伝に躍らされているのは、困った事だ。
 
   〈  昭和28年11月24日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・吉田は、どうも楽観に過ぎる。
 
    ・外交の事はいいかも知れぬが、国防作戦の事は知るまいに、簡単に楽観している。
 
    ・ソ連が日本へ来る間には、近い欧州へ先に出ると簡単に片付けてるが、現に千島や南樺太に空梯隊を置き、一衣帯水の処であり、本州には、来ぬにしても 北海道に来ぬとはいえぬと思う。
 
 田島氏
 ・樺太等はソ連のみでなく、中共という者が今は近い処にいますし、現に北鮮に侵入しました事ゆえ、 総理のような楽観はどうかと思います。
 
 冷戦が始まり、米ソが二大強国として世界を支配し始めた時、日本のマルキストたちには、ソ連が人類のユートピアを実現する国に見えていました。ウイロビー准将芦田首相も田島氏も、その仲間だったのではないでしょうか。
 
 氏がソ連への厳しいご指摘にまともに反論をせず、心ない相槌を打つ様子が、メモにされています。
 
 戦後74年が経過した今、共産主義思想の行き着く先は、言論と国民弾圧の全体主義国家だと判明しています。ソ連は内部崩壊し、「20世紀最大の失敗は、マルキシズムだった。」と言われる時代になりました。
 
 「時代遅れ」とは、陛下のことでなく、番組を作ったNHKと古川氏であることが、明らかになっています。それなのに彼らは、なぜいつまでもこの番組を「NHK  NEWS  WEB」に残しているのか、不思議でなりません。
 
 陛下を冒涜するふりをして、実は賞賛の番組だったとでも言いたいのでしょうか。そんなことなら、4月1日のエプリル・フールの日に、まとめて報道すればよかったのです。
 
 次は「第5章.  再軍備・改憲」で、下記(3)にかかります。

   (1) 再軍備・改憲 やりとり詳細
 
   (2) ソ連の侵略 現実的な脅威を認識
 
   (3) 旧軍と軍閥 頑なに否定
 
   (4) 基地反対闘争に批判的な見解も
 
   (5) 再軍備・改憲 専門家の見方
 
 (3)の 内容は、下記1項目のみです。
 
  ◦ 捧げ銃」に警戒感
 
 【  捧げ銃」に警戒感  】 
 
   〈  昭和27年1月11日の拝謁時のお言葉 〉・・ 警察予備隊 「捧げ銃」
 陛下 
 ・ともすると、昔の軍にかえる様な気持を持つとも、思える。
 
 ・私は例のメッセージには、反省するという文句は、入れた方がよいと思う。
 
   (  独立回復の際に出す国民向けのメッセージに、戦争への反省の要素を、入れなければならないと述べた、と記されています。)
 
 拝謁時のお言葉を、NHKと古川氏は細切れにして、様々なタイトルをつけ、軍を警戒される陛下というイメージを、国民に印象づけようとしています。
 
    国民には、暴走する軍閥はお嫌いでも、国を守る軍隊は必要だという陛下のお気持ちがすでに伝わっていますので、無用な小細工で不要なのに分かっていません。
 
  〈 昭和27年5月8日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・私は再軍備によって、旧軍閥式の再抬頭は絶対にいやだが、さりとて、侵略を受ける脅威がある以上、防衛的の新軍備なしという訳にはいかぬと思う。
 
 (3) 項が終わりましたので、次回は (4 ) 項す。
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驕るNHK - 32 ( NHKと、古川氏の合作番組 )

2019-09-04 18:48:16 | 徒然の記
 今日から、「第5章.  再軍備・改憲」の(2) にかかります。
 
   (1)  再軍備・改憲 やりとり詳細
 
         (2)  ソ連の侵略 現実的な脅威を認識
 
         (3)  旧軍と軍閥 頑なに否定
 
   (4)  基地反対闘争に批判的な見解も
 
   (5)   再軍備・改憲 専門家の見方
 
 上記(2)の 内容は次の2項目で、上から順番に行きます。
   ◦  募るソ連への危機感
   ◦  吉田はどうも楽観に過ぎる
 
 「『拝謁記 』の記述からは、東西冷戦が激しさを増し、朝鮮戦争が勃発する中で、昭和天皇がソ連の侵略を現実的な脅威と認識し、危機感を募らせていたことが、みてとれます。」 ・・・ 以上が、 NHKの説明文 です。
 
 【  募るソ連への危機感  】 
 
   〈 昭和27年4月9日の拝謁時のお言葉 〉
 陛下
 ・ソ連という国は、何をするかわからない 。
 
 ・中立不可侵条約があったにもかかわらず、日本が仲裁を頼んであったにもかかわらず、か宣戦して来るという国だ。
 
 ・ソ連は自国発展の為には、手段を撰ばない国柄だ。
 
   〈  昭和27年4月30日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 「ソ連の、侵略的なる事は確かだ。」
 
  〈  昭和28年6月17日の拝謁時のお言葉 〉
 陛下
 ・ソ連の、平和を口にして侵略的の実行をするのは、どうも戒心を要する。
 
 ・戦前のドイツが今のソ連であり、持てる国、持たざる国という様なスローガンが、今度は、平和という違いはあるが、これは全く同じで、その表面の言葉につられて、国民がだまされては大変だ。
 
 ・日本は海一つ隔てているだけで、いつでもやって来れる。それに備へるものがなければ、共産勢力は弱いと見れば来るに決まっている。
 
 〈  昭和28年6月24日の拝謁時のお言葉 〉 ・・ ソ連共産党大会でのスターリン演説
 陛下
 ・英国は成長した国で、老巧であるが、然しこれは実力が落ちた。
 
 ・そこへ行くと、ソ連は米国より上手だ。その上手のソ連が、朝鮮が変になると出て来る。
 
 ・中共ならばまだいいが、ソ連と直接境を接するやうな関係になると、日本は余程しっかりしないといけない。
 
  〈 昭和28年6月30日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・ソ連のやり方は、米軍が駐留すれば戦場になるぞとおどかし、又、中共貿易のような甘言を以て釣り、 日本国を共産陣営へ引き込もうとしてる事は、戦前のドイツのやり方と全然同じであり、
 
 ・ヒツトラーが、武器を沢山作ってソ連にこれを売るぞと軍人をおどかし、反英米となれば日本人は利益を得ると釣った点は、全然同じだ。
 
 ・その点を日本人は、もっとはっきり認識せねば駄目だ。
 
 【  吉田はどうも楽観に過ぎる  】 ・・ 米国に防衛強化を迫られながら、動かない総理へ
 
  〈  昭和28年8月11日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・楽観して、呑気なことを言ってるのはどうかと思うがね。
 
 ・現に日本は、虎視眈々たるソ連が居るのに、国力がとか言って呑気なのはどうも心配だ。
 
 ここで、古川教授の言葉をもう一度紹介します。
 
 ・昭和天皇が、田島との対話の中で、自らの考えが時代後れだと気づき、説得され、自分で考えて、納得した末に考えを変え、最終的に、落ち着くべきところに落ち着いていった過程が、この資料からよくわかる。
 
 一連の会話のどこに、「時代遅れの」陛下がおられるのでしょう。
 
 田島氏とブレーンが陛下を変えていったと、古川氏は喋りますが、陛下のお言葉を聞く限り、そのような気配はありません。逆に国民の多くは、陛下がここまで考えておられたのかと、敬意の念を抱くのではないでしょうか。
 
 NHKと古川氏が合作した違法番組の悪臭に、顔を背けたくなるのは「ねこ庭」の私だけでしょうか。
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