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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『 ジャカルタ日本人学校の日々 』 ( 33台のスクールバス )

2020-12-19 13:59:51 | 徒然の記

 教育関係の未読の本が、11冊本棚に残っていると書いたのは、11月4日でしたから、ひと月半が過ぎました。本日やっと、『ジャカルタ日本人学校の日々』を読み終えました。下記の通り、青字で表示したのが読んだ本ですから、あと5冊残っています。

   1. 『教育への告発』       2. 『いま教育を問う』

   3. 『いじめと不登校』     4. 『昭和教育史の証言』

   5. 『教師』          6. 『学校は変われるか』

   7. 『教なき国民は滅ぶ』     8. 『いじめ・不登校』

   9. 『教育問答』          10. 『ジャカルタ日本人学校の日々』

     11. 『日本の教師に伝えたいこと』

 教育関係の本も、手に取りますといつものパターンで、国の歴史を否定する反日左翼の主張が、私の心を曇らせます。しかしこの本には、日教組が出てきませんし、反日左翼の主張もありません。インドネシアで苦労している先生と、生徒たちの話がたくさん紹介されているだけで、私の気持ちを明るくしてくれました。

 石井光信氏著『ジャカルタ日本人学校の日々』(  平成7年刊 近代文藝社 )は、私の知らない話ばかりで、たまにこのような本を読むのは、心の健康に良いと分かり、感謝しています。

 息子たちのために、「ジャカルタ日本人学校」についての概要を、本のあちこちから抜書きしてみます。25年前の本なので、今は様変わりしているのかもしれませんが、それでも私たちには参考になります。

 インドネシアには、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、メダンの4つの都市に日本人学校がありますが、ジャカルタの学校が一番大きく、リーダー的位置にあります。学校には初等、中等のクラスがあり、日本で言いますと、小学校、中学校にあたります。

 生徒たちは大型のスクールバスで送迎され、30路線で33台のバスが、913名の生徒を運んでいます。運営しているのは、PTAバス委員会だそうです。日本でも、スクールバスを走らせている学校を、時々見かけますが、これは私立の高校や大学が、宣伝やサービスのためやっています。

 しかしジャカルタでは、そうしなければならない事情がありました。バスの運行一つをとっても、日本とインドネシアでは、大きな違いがあり、こんな苦労があるのかとびっくりします。著者の石井氏には、ネットの情報がありませんので、本人の話で紹介しますと、氏は文部省から、三年の期間決めで派遣された校長先生です。それでいて、学校は私立経営と書かれています。現地の学校がどういう形態で運営されているのか、説明はあるのですが、ピンときませんでした。

 まず、スクールバスの話を紹介します。

 「日本人学校は、ジャカルタ南部の郊外に位置しているため、」「遠い通学者の中には、直線距離にして12キロを超える者もいる。」「当然何らかの交通手段によらなければ、通学できないのだが、」「公共交通機関が発達していないので、この利用ができない。」

 「自家用車は便利であるが、家庭によっては、父親の通勤用が優先されるから、」「登校手段として利用するには、無理があろう。」「余裕のある家庭なら、別の車で登校させて良いかと考えるのであるが、」「実は、スクールバス通学の原則というものがあり、当地の行政機関が行なっている規制である。」「スクールバス通学は、距離上の問題というよりは、」「学校維持会に課せられた、義務規定なのである。」

 日本では小学校や中学校が、住宅地の付近にありますから、スクールバスがなくても困りませんが、ジャカルタでは、こんなところから条件が違っています。

 「学校設立に際して、通学は地域周辺の交通の妨げになってはいけないと、」「付帯条件が付与されているので、スクールバスによって、」「短時間のうちに登校が完了していなれければ、ならないのである。」「これは、自家用車なら数百台になる走行を、規制していることになる。」

 日本でなら、たかがスクールバスと、一笑に付される話になりますが、ここではそうなりません。

 「バスの運営は、学校維持会が経理面を担当し、運行には保護者が立ち合い、」「運航の安全指導は、学校と保護者が行っている、」「というように、三つの組織が関係している。」「改善すべき最大の課題は、運行が保護者によって行われていることである。」「路線の計画、運行上の安全管理、緊急時の対応など、」「保護者の手にあまり、責任を負えない範囲のものである。」

 保護者たちは、現地に進出している企業や、大使館、マスコミなどで働いていますから、バスの運行にかかりきりになっておれない人々です。単身赴任者もいるのでしょうが、日本企業の海外進出が広がりますと、家族帯同の長期滞在者が増えます。インドネシアだけの話でなく、同じような話が、各国であったのだと思います。

 「なぜ保護者が主導するような形で、バス運行がされて来たのかは、」「一つはジャカルタにおける、治安事件の経験という、」「歴史的要因があると、思う。」「初めからバス運行が、保護者の手でなされていたわけでなく、」「暴動事件が発生し、危機感を強くした保護者がバス運行に関わり、」「それが引き続いて、状態になっている面もある。」

 ここまでは260ページの説明ですが、154ページに、具体的な危機の説明があります。何もかも日本にいては、想像できない話ばかりです。

 スペースが無くなりましたので、続きは次回といたします。

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