「安倍談話」は平成27年8月14日に出されていますが、「あかはた」の批判記事は8年前の平成19年、第一次安倍内閣の時のものです。前回愛国心のない説明者が語っていた、「歴史問題でトラブルに巻き込まれた」直後の記事かもしれません。
〈 2007 ( 平成19 ) 年3月30日(金) 「しんぶん赤旗」 〉
「安倍首相は〈従軍慰安婦〉問題で、強制連行はなかったと言い張り、自ら継承すると言明したはずの『河野談話』(一九九三年)を事実上否定しています。世界の世論は、そんな安倍首相と日本政府の姿勢に厳しい目を向けています。」
これが、記事の書き出しの文章です。反日朝日新聞が吉田清治の大ウソ報道を訂正し、社長が辞任したのは平成26年でしたから、まだ「従軍慰安婦」という言葉が堂々と使えた時です。
「あかはた」が最初に取り上げたのが、韓国の新聞7紙の反応でした。
「韓国の新聞七紙は二十八日付の社説で、「慰安婦」問題についての安倍首相の一連の発言を批判しました。「おわびする」と言いながら、国の責任を認めない安倍首相の “ 謝罪 ” を批判しました。」
朝日新聞の大嘘とも知らず、韓国中が日本攻撃で興奮していましたから、安倍総理を攻撃するには、韓国の新聞を紹介するのが一番です。
「中央日報は〈(慰安婦の方々が)そのような立場におかれたことに、おわび申し上げる〉とした、安倍首相の二十六日の参院予算委員会での答弁を引用。」
「(この)言葉遊びのような表現からしても分かるように、政府次元の責任を回避する態度には本質的に変化がない、と指摘。〈彼の謝罪には真剣さが見られない〉と、断じました。」
韓国を引き合いに出せば、安倍総理攻撃の材料がふんだんにあります。これらを紹介するだけで、読者は同調させられます。
「ソウル新聞は、米国務省のケーシー副報道官が二十六日に、〈(日本は)過去に犯した罪の重大さを認識し、率直で責任ある態度をとるべきだ〉と述べたことを紹介。〈歴史わい曲と責任回避にきゅうきゅうとする日本に対し、米国が公式の立場を明らかにするのは前例がない〉と説明した上で、〈安倍首相の、二重的であいまいな態度を非難したものだ〉と指摘しました。」
やはりこの記事は、前回紹介した「歴史問題のトラブル」に安倍氏が巻き込まれた時のものです。朝日新聞が大嘘の記事を訂正せず、逆に「慰安婦問題」の記事を書き続けていますから、当然韓国が騒ぎます。一緒に騒ぎを煽っているのが、日本国内の反日左翼勢力となれば彼らは強気になります。
「同報道官の発言を中央日報、京郷新聞はともに〈異例〉と報道し、日本に事態の深刻さを認めるよう迫っています。」「安倍首相が、北朝鮮による日本人拉致問題を最優先課題とする一方、〈慰安婦〉問題では政府の責任を否定していることにも強い批判があります。」
今もそうですが、当時の私は「あかはた」を読みませんので、同社がこれほど激しい批判をしているとは知りませんでした。
「安倍首相が二十六日、〈拉致問題は現在進行形の人権の侵害〉で〈慰安婦問題とはまったく別〉と述べたことについて、ハンギョレ紙は〈慰安婦問題は決して過去のものではない〉と反論。」
「まだ多くの慰安婦ハルモニ(おばあさん)が、その当時の苦痛を持ったまま生きている。安倍首相をはじめとする日本政府の官吏の発言は、傷口に塩を塗る重大な現在進行形の人権侵害だ、と批判しました。」
まさか「あかはた」の記事でダメージを受けたのでないと思いますが、この年の9月に安倍氏は総理を任期途中で辞任しています。難病のためという理由で辞め、後任を福田康夫氏に譲りました。執拗な「あかはた」の記事が続きます。
「この問題では朝鮮日報十二日付が、〈孤立招く日本〉という記事を掲載。北東アジア外交再編で、日本は孤立の様相を呈している。北朝鮮による日本人拉致犯罪にこだわる一方、かつて日本が拉致した日本軍『慰安婦』を否定することにより、日本は外交的、道徳的基盤を失いつつあるとの批判も出ている、と指摘しています。」
当時の風潮の中で記事を読めば、読者は安倍氏を批判する側に立ちます。朝日新聞も同じスタンスですから、国民の多くが安倍氏批判に傾いたと思います。この上で同紙は、次に英国の新聞記事に言及します。誤解の上に立つ英国紙の記事ですから、ひどいものです。
スペースの都合で、記事の紹介は次回といたします。