ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

共産党と志位委員長 - 2 ( 「アジア政党国際会議」での深刻な対立 )

2022-09-01 20:25:56 | 徒然の記

 今回も、志位委員長の関連情報を紹介します。

 「日本共産党委員長の志位は、〈わが党が、中国に対する見方を決定的に変えざるをえないと判断したのは、2016 ( 平成28  ) 年9月にマレーシア・クアラルンプールで行われた、」「アジア政党国際会議」( ICAPP )での体験だった〉と述べている。」

 この会議に、日本共産党代表団団長として出席した志位氏によると、次のような経緯であったと言います。

  ・日本共産党代表団は、総会宣言に過去の総会宣言で盛り込まれた「核兵器禁止条約の国際交渉の、すみやかな開始を呼びかける」という記述を再度入れる修正案を提案した。

  ・中国共産党代表団が強く反対したため、日本共産党副委員長で代表団副団長の緒方晴夫は、中国共産党代表団に話し合いを申し込んだ。

  ・その会談で緒方は、「過去2回のICAPP総会で中国も賛成し、全会一致で賛成しているものだ。何の問題があるのか」と問いただした。

  ・中国共産党代表団は「過去のことは知らない。こういう文章を入れることは、侵略国の日本がまるで被害国のように宣伝されてしまう」と述べた。

  ・緒方は「この修正案には、日本の被爆の話も被害の話も一切ないではないか。人類的な大きな国際問題として提起している」と反論した。

  ・中国側は「この問題については議論したくない。われわれは修正案には反対だ。提案は拒否する」と理由も述べずに反対する姿勢を繰り返し、会談を終わらせた

 こういうやりとりがあったことを初めて知りましたが、簡単に言いますと、「夢を追いかける日本共産党」と「現実しか考えない中国共産党」の違いです。

 「世界平和のためには、すべての国の核兵器を全廃する。開発も研究も禁止する。」

 日本国内でなら、日本共産党の意見は素晴らしい提案だとマスコミが称賛し、反日左翼学者たちが拍手喝采します。日本共産党は同じ効果を狙っているのでしょうが、この図式は日本国内で通用しても、国際社会では成り立ちません。亡国の「日本国憲法」を「平和憲法」と共産党が言うと、反日マスコミが称賛の記事を書き、お花畑の人間たちが大声で賛同するのは、日本国内での話です。

 説明では、日本共産党と中国共産党の意見の応酬だけが語られていますが、重要なのは出席した他の国々の反応です。日本共産党の意見が正しくて、中国の主張だけが間違っているのだとしたら、中国はここまで強気で応じられません。他国が明確な反対の姿勢を示し中国を批判するのなら、彼らは別の対応をします。

 核兵器は敵に使われると自国が壊滅しますが、自国が使えば敵を全滅させる兵器です。「相互不信」と「騙し合い」の国際社会では、他国の甘言を信じていると領土も国民も無くなってしまいます。国際社会の常識は、「簡単に他国を信じるな」「黙っていないで、やられたらやり返せ」です。

 日本の国会での論戦なら、日本共産党の言い分が正しいとされますが、国際社会ではそうなりません。息子たちのためにも、「アジア政党国際会議」でのやりとりを続けて紹介します。日本共産党の代表団が、再度の会談を中国側に求めています。

  ・再会見で緒方は改めて、「中国は核兵器禁止条約をこれまで主張してきたのに、なぜそれに反する態度をとるのか」と問いただした。

  ・中国側は答えず「あなたは覇権主義だ。自分たちの意見を押し付けている」と緒方を批判した。

  ・緒方は「それは当たらない。議論しているのだ。これが押しつけなら議論ができないではないか」と反論した。

  ・中国側は「何度も俺を呼び出しやがって、無礼だぞ」と言った、侮蔑的な言葉も投げつけた。

  こうした中国共産党代表団の態度について、志位氏は事態の重大性を深刻に捉え、次のように述べたと言います。

 「1998 ( 平成10  ) 年の両党関係正常化の際の反省は、いったいどこにいったのか。」

 国際社会を知らない「井の中のかわず」と、彼らは自民党の保守を揶揄していますが、今頃このような発言をしているのですから、志位氏も似たような「かわず」ではないでしょうか。共産党勢力の跋扈する日本でお山の大将になっていると、ここまで愚かになるのでしょうか。広島原爆忌の式典を邪魔するデモ隊の中にいた、白髪の老人を「学びを忘れた劣等生」と評しましたが、志位氏は彼を上回る劣等生のようです。

 国際会議で強硬な中国と、これを阻止しない他国の姿勢から、日本共産党が孤立している状況が認識できないのですから、政治家失格の劣等生としか言いようがありません。「力の均衡」で動く、というより、それでしか「動けない」国際社会を目の当たりにしながら、氏は主張を変えません。

 数年来国難に対峙している日本の状況も、当然氏には見えません。国民が悲願とする「憲法改正に」ついても、「国民は改憲を求めていない」と主張し、国会の憲法審査会に出席しても、審査拒否を続けます。

 今年の参院選の最中、志位氏は習志野文化ホールで開いた党演説会で、次のように語りました。

 「ロシアのウクライナ侵攻に乗じ、日本の政権与党は憲法改正や、敵基地攻撃能力導入を実現させようとしている。」「共産党の躍進で、断固止めよう。」
 
 「世界平和は日本の再軍備化でなく、憲法に基づいた平和外交が実現するのです。」
 
 夢を語る共産党は、日本国内で「根なしの浮き草党」であるだけでなく、世界の共産党からも孤立しています。こんな亡国の共産党のために、日本が崩壊するのを見ていて良いのでしょうか。
 
 「アジア政党国際会議」に関する情報がまだありますので、次回も紹介します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

共産党と志位委員長 ( 不安定な日中共産党の関係)

2022-09-01 13:33:15 | 徒然の記

 1998 ( 平成10  ) 年6月に日中共産党が関係修復した時のことを、志位和夫氏が次のように語っています。

 「関係正常化の段階でも、中国の民主主義と人権の問題については、見過ごすことのできない状態だったため、〈但し書き〉を入れた。」

 「日本共産党が〈社会主義をめざす新しい探究〉の評価を行った判断基準は、経済体制について評価を行うと内政干渉になるため、指導勢力が社会主義の事業に対して真剣さ、誠実さをもっているかどうか、そのことを対外的な関係で評価するという態度をとってきた。」

 どうやら日中共産党は、すっきりとした形で関係修復をしたのではないようです。それはそうだと思います。「社会主義市場経済」などというマルクス主義を逸脱した政策を、科学的政党なら簡単に認められません。率直に言えないから、次の委員長の志位氏も、回りくどい弁明をしています。

 「指導勢力が、社会主義の事業に対して〈真剣さ、誠実さ〉をもっていれば、さまざまな困難をのりこえて、前に進むことができるでしょう。それがなくなってしまったら、前に進む保障はなくなってしまうでしょう。」

 科学的理論が貫かれる党だと主張していますが、中国共産党との関係修復については、科学でなく〈真剣さ、誠実さ〉という精神論が重視されています。矛盾に目を瞑ったままの、苦しい説明が続きます。

 「その基準に照らし志位は、関係回復した当時の中国の指導部が、日本共産党への干渉の誤りを認めたこと、そのことをテレビや新聞で国民に周知する対応をとったことなどから、日本共産党としては〈社会主義事業に対する真剣さ、誠実さ〉があると判断したとしている。」

 ということは、中国共産党の姿勢に〈真剣さ、誠実さ〉が無くなったら、関係修復はいつでも断絶するということになります。何かあると中国と韓国が、〈日本は反省が足りない。真剣さと誠実さが見られない。〉と言って、政府間の合意を無いものにする屁理屈と似たものがあります。

 「志位は中国の将来について、〈楽観的、固定的に見ているわけではない〉と繰り返し表明した。」

 「この立場から日本共産党は、〈内政不干渉の原則を守りつつ、国際的な性格をもつ問題点については、節々で我が党の見解を伝える〉という方針をとった。」

 矛盾の山積する中国共産党との関係修復が、いかに困難であったか、これからもその困難さが続くことを、志位氏の言とこの説明が示唆しています。

 「その立場から日本共産党は、尖閣諸島問題や南沙諸島問題といった領土問題での強硬姿勢、またチベット・ウイグル問題、香港民主化デモ弾圧など、国際的な人権擁護の取り決めに反する次元の強権的内政について、度々中国共産党を機関紙などで批判した。」

 私がウッカリ見過ごしたのか、それともいつものようにマスコミが「報道しない自由」を駆使したのか、共産党が中国を厳しく批判したニュースを目にした記憶がありません。共産党でさえ、尖閣諸島問題や南沙諸島問題、またチベット・ウイグル問題、香港民主化デモ弾圧などに批判をしているというのに、肝心の自民党政府があまり声を上げていませんでした。

 公明党などは、「チベット・ウイグル問題」に関する国会批難決議に反対し、共産党も驚く媚中の姿勢を見せました。現在の自民党が、共産党顔負けの親中政党となっている事実が、こんなところでも見えてきます。野中広務、古賀誠、加藤紘一、山崎拓、石破茂、二階俊博氏など、中国に取り込まれた歴代の自民党幹事長の顔を思い出すと、中国共産党が、日本共産党を本気で相手にしなかった理由がうなづけます。

 政権与党の実力者中にこれだけの中国親派がいて、欲しい情報をくれるのですから、志位氏の批判など痛くも痒くもありません。亡くなった故橋本総理は、中国工作員の美女にからめとられ、彼女を秘書扱いにしていました。こうした中で、安倍総理が「憲法改正」を言い、「皇室護持」の旗を立てていたのですから中国政府が目の敵にします。死者に鞭打つ中国人を真似、彼らに支援されている左翼過激派勢力が、故人となった氏を今でも糾弾し顰蹙を買っています。

 しかしこれは本題でありませんので、説明文の紹介へ戻ります。

 「志位は2014 ( 平成26  ) 年1月の第26回党大会決議で、次のように述べ、両党関係回復以来、はじめて警告的な意見表明を行った。」

 「中国の前途については、模索もあれば、失敗や試行錯誤もありうるだろう。覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。」

 「そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。私たちは、〈社会主義をめざす国ぐに〉が、旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている。」

 続きがありますが、スペースの都合で次回とします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする