ねこ庭の独り言

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北海道の土地問題 - 13 ( 二階俊博、竹中平蔵氏の重用)

2020-06-09 09:42:33 | 徒然の記

 第8回のブログで述べましたが、四面楚歌を知った総理は、「戦後レジームからの脱却」の公約を脇に置き、米国の同意する経済問題へと、政策の舵を切りました。これが、「国家戦略特区構想」です。アメリカと中国という大国に挟まれ、議員たちが日本のためというより、この大国の代弁者として政治を行なっている・・・。この時ほど総理は、日本の国際社会での弱さを、実感したことはなかったのかもしれません。

 第一次安倍内閣での激しい攻撃を経験しましたが、国民の支持を得て再登板した第二次安倍内閣においても、同様の批判と反撃を受け、「戦後レジームからの脱却」の旗を、そっと脇においたのではないかと、これが私の推測です。

 この時はまだ、国民の負託と信頼を裏切る気でなく、アメリカの協力を得るため、当面経済に集中しようと意図した、という気がします。

 小泉内閣も、アメリカと中国の二頭立ての馬車で走っていました。靖国問題では、中国を意に介さない言動を続けていましたが、肝心のところは押さえおり、それが、二階俊博氏の重用でした。

 小泉氏は、氏を経済産業大臣に任命し、中国重視の「観光立国政策」を任せました。一方アメリカに対しては、竹中平蔵氏を、経済特命大臣から総務大臣へと重要閣僚を歴任させ、米国寄りの政策を推進していました。

 内閣を安定させ、自分の政策を実現するには、小泉ラインを受け継ぐしかないと言う事実。もちろんこの辺りは、調べたデータからの、私の推測に過ぎませんので、別の意見があると思います。しかしその後安倍氏が実行した人事は、私の推測を裏付けています。

 1. 竹中平蔵氏

  ・平成25年 経済特区を推進する「産業競争力会議」の、民間顧問に任命

  ・平成26年 内閣府「国家戦略特区」の諮問会議メンバーに任命

 2. 二階俊博氏

  ・平成25年 衆議院予算委員長に任命

  ・平成26年 自民党総務会長に任命

  ・平成28年 自民党幹事長に任命

 政界は一寸先は闇と言われますが、安倍政権も例外でありません。目的を達するための、当面の政策であった「経済再生」が、総理の意向を遥かに超え、引き返せない所にまで進んでしまいました。

  1. 平成30年4月 IR ( カジノ ) 法 ( 統合型リゾート法  )

  2. 平成30年12月 移民法 ( 改正入管法 )

  3. 平成31年4月 アイヌ新法

 それがこの三法であったと、私は考えます。これらはすべて、アメリカと中国の意に沿うものであり、党内の議員は反対しません。経済界も反対しません。それどころか、野党ですら建前の反対だけで、本気で抵抗しません。今では政界で推しも押されぬ実力者となった、竹中、二階の両氏が、力づくで進めるのですから、民意は無視のままです。その結果が、「北海道の土地問題」でないのかと、私は考えています。

 「国益を守り、歴史や伝統の上に立った誇りを守ることも、私の仕事だ。」「それを削れば、関係がうまくという考え方は間違っている」「靖国への抗議を、韓国が始めたのは、」「盧武鉉時代から顕著になったが、それ以前はほとんどない。」「なぜ急に態度が変わったかも、調べる必要がある。」

 「わが閣僚は、どんな脅しにも屈しない。」「尊い英霊に、尊崇の念を表する自由を確保していくのは、当然のことだ」

 そうでなければ、第二次安倍内閣の発足当時、ここまで主張していた総理が、こんな悪法を成立させるなど、とても考えられません。三つの法律は、すべて国を崩壊させる悪法であり、日本を大切にする政治家が考えつくものではありません。竹中平蔵氏と二階氏には、もともと愛国心がなく、賛成した自民党の議員にしても、米国の利権に染まっています。安倍氏が一人で抵抗しても、党内の勢力基盤からして無理な話でしょう。

 だから総理に責任はないと、そんなことは言いません。たとえ政治が妥協の産物だとしても、国の根幹を損なう妥協をしてはなりません。戦後日本の特殊事情を勘案したとしても、ここまでの背信は許されません。「コロナ対策」で頑張る総理を攻撃する人々と私は、同じ辞任を口にしても中身が違っています。

 私の反対は、個人攻撃でなく、次の総理のための対策を含んでいます。さらに言えば、安倍氏に対しても面否定でありません。功績は功績として、認めます。次回は、次の総理に安倍氏の二の舞をさせないため、私たちに、何ができるかについての述べたいと思います。

 ネットの情報に、「竹中語録」があり、信奉している者がいると、先日紹介いたしましたが、その中に次のような言葉があります。

 「思いっきり戦って敗れた人には、魅力がある。」「人生には、勝つ時もあれば負ける時もある。」「それはそれでいい。結果は、後からついてくるものなのだ。」

 この売国学者の言葉こそが、総理へ贈るにふさわしいと、思えてなりません。まさか本人も、そのつもりで喋ったのではないのでしょうが。二階氏とともに、日本にとっては最低の人事でした。私たちは、この事実も忘れてはいけません。
コメント (4)
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