中川博氏著『沈む国 昇る国』( 平成10年刊 明石書店 ) を、読んでいます。
只今108ページで、約半分のところです。中丸薫氏の著作も平成10 年でしたから、この年は、禄でもない本の当たり年だったのかとつい思います。
著者は、私より二つ年上の昭和17年生まれで、反日・左翼思考の持ち主です。「日本だけが悪かった。」「日本だけが間違った戦争をした」と、本気で考えています。
大して違わない年齢なのにどうしてこのような人物が生まれるのか、考えさせられます。
中国と韓国に対して贖罪意識を持ち、その反動で日本を全て否定します。同じ頃の日本で育ち、同じ教育を受けていながら、私と氏はどうしてこうも違うのか。
確かに歴史の授業では、先生たちが日本の侵略戦争について教えました。中国と朝鮮にどれだけ酷いことをしたかと、軍の悪口を聞かされました。
一方的な批判だったため私は反発し、逆に日本贔屓になってしまいましたが、氏は、素直な少年だったのでしょうか。
先生の話を正しいと受け止め、日本軍に怒りを感じたのでしょうか。そうだとするなら、当時の生徒たちの中で私が変わり者だったのかと、氏の著書を読んでいますと錯覚に陥ります。
どう言う経歴の人物なのか検索しましたが、著名人でないらしく、情報がありませんので、本の裏表紙に書かれた略歴を紹介します。
・昭和17年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業
・同志社大学大学院を経て、現在四条畷 ( なわて ) 学園女子短期大学教員
これ以上知る必要も感じない、内容のお粗末さです。「温故知新」の読書を始めた頃は、偏見の本に出会うと怒りに燃えましたが、もう慣れました。
いい年をしていつまでも自分の国が愛せないのかと、返って哀れみを感じます。本が出版された平成10年が、どう言う年だったのか調べてみました。
・ 内閣総理大臣・橋本龍太郎 7月30日より、小渕恵三内閣
・ 内閣官房長官・村岡兼造 7月30日より、 野中広務
・ 新進党の6分裂と民主党の躍進 公明党の再発足
・ 自社さ政権の終焉により、政界勢力図が大きく変動
・ 前年に続き、日本長期信用銀行や日本債権信用銀行など、銀行や大手企業の倒産が相次ぐ
今は「武漢コロナ」で騒々しいのですが、平成10年は、「バブル崩壊」後の激動が続いていました。こう言う時に氏は、京都の女子短大で教師をしながら各国を訪問し、その見聞をもとに反日・左翼本を出版していたのです。
1. ソ連 2. 中国 3. 韓国 4. インド 5. イギリス
訪問した順に、それぞれの国のことが述べられています。今韓国まで読み、これからインドにかかるのですが、反日・左翼と言っても、氏はソ連については客観的な見方をしています。崩壊したソ連なので遠慮するのを、忘れたのかもしれません。
・旧ソ連は、プロレタリア独裁を標榜してきた。
・そのことが戦前、唯一の社会主義国であったソ連へ、搾取に苦しむ資本主義国の労働者階級を引きつけ、社会主義を理想と仰がせた。
・この標榜は、戦後も長く、資本主義国の民主化運動、労働運動にとって、魅力あるものであった。
・ところが現実のソ連は、プロレタリア独裁でなく、党機構と秘密警察が暴力で国民を統制し、テクノラートが支配する国であった。
氏は、支配層である党幹部の腐敗と横暴について述べ、犠牲となった庶民の姿を詳しく語ります。
同じことが中国で行われているのに、氏の思考はソ連で止まったままです。中国は良いところばかりが語られ、素晴らしい国と強調され、その反動で日本が悪者になります。
私も単純な人間ですが、氏には及ばないようです。
保守自民党を応援し、自民党以外に「憲法改正」を期待できる党はないと考える私です。「皇室護持」についても、自民党以外に信頼できる党はありません。
「男女平等」と言い、「女性宮家」や「女系天皇」を認めるような党は、日本の歴史を知らない「亡国の党」と信じています。と言って、盲目的に自民党を支持しているのでなく、反対は反対と言います。
氏の意見には、中国への批判が皆無です。韓国についても、彼らの日本攻撃は全て妥当とし、反論する日本を批判します。
中国と韓国について、氏には是々非々の思考がなく、「日本だけが絶対に悪い」です。氏のような人物が、女子短期大学の教員として通用し、氏の著書を出版する書店があり読者がいると言う事実は、笑って済ませることではありません。
22年前の本の話ですが、先日のニュースで、文科省が、教科書に「従軍慰安婦」という言葉を復活させたと聞きました。
捏造記事が発端となり、あれほど日本人の心を傷つけた韓国の言いがかりだと言うのに、文科省の大臣と役人は、なにを考えているのでしょう。
氏に似たうつけ者が自民党政府内にいるのですから、息子や孫たちのことを思うと、ブログが止められなくなります。
萩生田氏は、常識のある自民党の政治家と思っていましたが、中川氏と似たり寄ったりでした。総理もこう言う人物を文科大臣にするようでは、「憲法改正」の本気度が国民に疑われます。