ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

アヒルの水かき

2020-06-30 21:52:52 | 徒然の記

 福田赳夫氏が首相だった頃、米国一辺倒の日本を脱し、アジアに主軸を置く国になろうと、あれこれ努力をしていました。子息の康夫氏の動向を見ますと、どうやらそれは、親中の動きだったのかもしれませんが・・・

 私の本題はそこにあるのでなく、福田氏が、米国に気兼ねしながら、日本独自の外交政策を模索していた時、その動きをやや自嘲気味に、「アヒルの水かき」と表現していたことを、思い出しました。

 去る6月26日の新聞に、小さな二段組の記事がありました。

 「自民党保守系議員 新グループ設立」、という見出しです。それによりますと、自民党の保守系議員が、「保守団結の会」という、新グループを結成したとのことです。稲田幹事長代行が、自民党内に二つの会派を持っていたということを、この記事で初めて知りました。

 1. 「伝統と創造の会」 ・・平成18年結成  当初34人

   ポスト安倍を目指す、稲田氏が中心となり、靖国参拝など、日本の文化と伝統を守ろうと結成

 2.  「女性議員飛躍の会」・・昨年結成  43人

   選択的夫婦別姓の勉強会を開始 女性や弱者に寄り添う政策を発信

 「伝統と創造の会」に属する議員が、「女性飛躍の会」を作った稲田氏に失望し、新たな「保守団結の会」と言う会派を結成した、と言う内容です。代表世話人は、高島秀一筆頭副幹事長です。

 私の驚きは二つでした。

 1. およそ防衛大臣に相応しくない服装で、自衛隊員の前で訓示した、危機意識のない稲田氏が、まだポスト安倍を狙っていた。

 2. 反日野党が議員がくっついたり離れたり、政権狙いで動いているが、自民党にも、負けずに動いている議員がいた。

 自民党の中に、どんな会派があり、どういう動きをしているのか。「護る会」を知るまでは、まったく無知でした。今日の記事を合わせると、私の知る自民党内の新しい会派は、4つになります。

 1. 「日本の尊厳と国益を護る会」    代表 青山繁晴 令和元年発足  43名

 2. 「日本の新しい未来をつくる勉強会」 代表 安藤裕  令和2年発足  30名 ?

 3. 「保守団結の会」                           代表 高島秀一  令和2年発足       名 ?

 4. 「女性議員飛躍の会」              共同代表 稲田朋美  令和2年発足  43名? 

 稲田氏が共同代表を務める、「女性議員飛躍の会」 の会派は、二階氏の支援で作られたと聞きますので、最初から論外ですが、他の3つの会派には、自民党を変える萌芽があります。

 節操のない離合集散でなく、国益を中心とした若手議員の政策集団なら、期待が膨らみます。互いに切磋琢磨し、本来の自民党を再建して欲しいと思います。無節操な妥協ばかりする古参議員を、乗り越えられるか。これが、課題です。

 結果が現れれば、参加する議員が増え、マスコミも無視できなくなります。

 こうした若手議員諸氏の動きを、「アヒルの水かき」と表現しました。親中派の故福田氏の言葉なので、気に入らないかもしれませんが、「水面下での苦労」と言う意味では、適切な表現だと思います。途中で挫折したり、変節したりせず、期待する国民を忘れず、地道に頑張って欲しいと、エールを送ります。

 小さな記事でしたが、千葉日報の二ユースは、日本を照らす希望の灯でした。小さくても、「武漢コロナ」を吹っ飛ばし、政界を走る閃光のように、たまにこんな記事があると、生きている甲斐があります。

コメント (4)
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『沈む国 昇る国 』- 2 ( 虐殺記念館 )

2020-06-30 06:04:20 | 徒然の記

 中川氏の意見が、旧ソ連について語る時だけ、正論を述べていると言う具体例を紹介します。77ページです。

  ・ソ連邦の解体は大混乱を招き、それは今も続いている。

  ・しかしこの混乱期は、衰退を続ける社会主義経済の構造的欠陥を解消し、政治的には、一党独裁と党官僚専制性を排除するための産みの苦しみ、と見るべきであろう。

  ・その意味において、ゴルバチョフの主導したペレストロイカ(改革)と、グラスノスチ ( 情報公開 ) は、旧ソ連に明るさと、近い将来の経済発展の夢をもたらす、第一歩であったと言えよう。」

  ・拙速でありすぎたとの批判もあるが、ゴルバチョフが祖国へ果たしたノブレス・オブリージュ ( 高貴なる者の義務 ) であったと、私には思えてならない。

 しかしすぐ後で、訳の分からない意見を述べます。78ページです。

  ・ひるがえって近年の日本はどうか。数年前から政治改革が叫ばれ、衆議院選では、中選挙区制から小選挙区と比例区に改正した。

  ・戦後長らく続いた自民党政権は、一時的に止まったが、野党の離合集散が続く中で、これでまた自民党政権の長期化となろう。

  ・これでもかと明るみに出る、官僚の腐敗行為にもかかわらず、行政改革は抜本的にならぬまま終わろうとしている。

  ・自民党と官僚の関係は、崩壊前の共産党と官僚たちの関係に、あまりに酷似している。

  ・国民は、その民度にあった政府を作るとよく言われる。

  ・もうこの辺で国民は目を覚まし、将来に希望が持てる政治と、それを実現できる政府づくりに意を注がなければならない。

 つまり氏には、社会主義思想そのものの理解ができていません。崩壊したソ連の社会主義を批判するのであれば、発展しようとしている中国も、同じ社会主義を標榜している国だとそこは思いが至りません。

  ・ところが現実のソ連はプロレタリア独裁でなく、党機構と秘密警察が暴力で国民を統制し、テクノラートが支配する国であった。

 そっくり同じことをするのが社会主義国だと、日本国民が知っているから、金権腐敗の自民党に我慢しています。

 目を覚ましているから、恐ろしい反日・左翼議員に投票していないのだと言うのに、国民の苦労も知らず、氏は何をつまらないことを喋っているのでしょう。

 書評を止めてもいいのですが、息子や孫たちのために、辛抱しなくてなりません。どんな意見が愚かなのか、的の外れた主張なのか、滅多にない具体例です。

 第二章は、氏の大好きな中国です。

  ・中国は、面積では日本の26倍、人口では10倍とまさに大国である。

  ・私はこれまで、訪中歴9回、延べ日数にして120日ほどになるが、そのうちの8回はほとんど江蘇省内を動いただけである。

  ・それゆえ、10把ひとからげに中国はとか、中国人はとか、国家や国民性について一般論を展開すべきでないし、私にはその能力もない。

 大国である中国について、一般論で片付けるべきでないと、自分を戒めています。しかし氏は単に、中国が日本の何倍もある大国だから、簡単に喋るなと言いたいだけです。

 氏の論に従えば、日本も10把ひとからげに、「日本は」とか、」「日本人は」など言えないはずですが、日本を批判する時は平気でひとからげにします。

 一億二千万人の日本人にも、多様な意見があるという認識がないから、日本国民は目を覚ませと、乱暴な一般論を述べます。

  ・昭和61年春、南京を訪問した時、虐殺記念館を見学した。

  ・玄関前に到着したバスから降りると、それほど大きくない建物が目につく。

  ・白い壁に貼られた大きな文字を、一字ずつ目で追って、思わずギクッとした。そこには、侵華日軍の四字がある。漢文の素養がない私にも、中国を侵略した日本軍のことだと分かる。

  ・次に、南京大の 文字が目に入る。」

  ・次に続く文字は虐殺だと思って読むと、屠殺とある。

  ・無数の中国人捕虜をはじめとして、老若幼の女性を含む幾多の一般人を、惨たらしい手段で殺したことを本や記録映画で知っている私は、南京大虐殺の言葉に、慣らされていた。

  ・屠殺といえば、鶏や牛や豚などの家畜を殺すことと思っていた私は、そばにいた通訳の魏鴻文さんに尋ねた。

  ・彼はべらぼうに流暢な日本語を話す。

  ・私の驚いた様子をみて、中国では大虐殺と言わず大屠殺というのだと、教えてくれた。

  ・帰国した私は、勤務先の短大図書館で、諸橋轍次の漢和大辞典という初めての大著に挑戦した。

  ・さすがに諸橋の大辞典、「皆殺しにする、敵をせめて城を毀ち、衆人を殺す」と書いてあり、魏鴻文さんが説明してくれた通りである。

 反日の氏は、こんなことに感激するらしく、しきりに強調しています。

 平成30年6月に、福田康夫元首相が、江蘇省南京市にある「南京大虐殺記念館」を、訪問しています。

 ここを訪れた首相経験者は、村山富市、海部俊樹、鳩山由紀夫各氏に続き、福田氏で4人目となります。

 福田氏氏は犠牲者に花輪を手向け、黙とうを捧げた後、記者団に

 「日本人は、もっと過去の事実を、正確に理解しなければならない。」

 「多くの日本人が、記念館を参観すべきだ。」

 「より多くの日本の政治家が記念館を訪れ、この歴史に触れてほしい」、と語っています。

 総理経験者でさえ南京事件についての知識がなく、中国政府に騙されるのですから、中川氏が読者に捏造話を語っても不思議はありません。

 しかしここは大事なところですから、改めて次回に、氏の間違いを説明します。

コメント (2)
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