〈 観光立国 時系列表の続き 〉
平成 15年 12月 自民党総務局長二階俊博 「観光庁設置を急ぐべし」( 雑誌『選択』に寄稿 )
平成 17年 二階俊博氏 経済産業大臣就任
平成 20年 12月 麻生内閣 中国公船初めて尖閣領海侵犯
平成21年 7月 鳩山内閣 国土交通大臣・前原誠司 中国個人観光ビザ発給開始
平成 22年 菅内閣 尖閣領海にて中国漁船衝突事件
平成 24年 野田内閣 尖閣諸島国有化 中国各地で反日暴動発生
平成 27年 5月 二階俊博氏訪中 習主席と面会 首相の親書渡す 3000名の訪中団引き連れ
これは「武漢コロナ」についてのブログで、日中関係や、政治家の動きを調べているのではありません。感染経路不明の「武漢コロナ」患者が、日々増大する危機を前に原因の究明をしたら、このような結果になりました。
平成23年1月7日付の、「中国網日本語版〈チャイナネット〉」の記事を見つけました。「チャイナネット」は、中国共産党直属の中国外文出版発行事業局が管理・運営するニュースサイトで、
中国語 英語 フランス語 ドイツ語 日本語 スペイン語
アラビア語 ロシア語、 韓国語で、各国へ発信されています。
こんな組織があると初めて知りましたが、日本のマスコミが伝えない事実を知る重宝さがあります。長い記事ですが、記事の見出しと共に、なるべく省略せず紹介します。
「日本、中国人へのマルチビザ発給検討 その背景は」
・2011 ( 平成23 )年元旦明け早々、日本の外務省と、国土交通省の高官は忙しくなった。
・日本の共同通信は、前原誠司外相と、国土交通省観光庁の溝畑宏長官が、3日、11年度に3回目の、中国人向け個人観光ビザ(査証)発給要件を緩和し、有効期限内なら、何回も使える「マルチビザ」を、発給する方向で話し合ったと伝えた。
・この日本の行動について、探ってみる。
初めて読む中国側の記事ですが、彼らは私たちより日本の政界事情に詳しく、「観光立国」という政策が、自民党だけでなく、民主党にとっても重要だったことを教えてくれます。
・中国人旅行者向けの「マルチビザ」発給は、前原外相の外交戦略とみることができる。前原外相は、日本の政界で強硬なタカ派の人物として知られる。その彼が、新年早々このような友好的な態度をとった理由、その目的はどこにあるのか?
「観光立国政策」は、自民党の政治家と業界が進めていると思っていましたが、「チャイナネット」を読みますと、民主党政権も同様であることが分かりました。
・国土交通大臣経験のある前原外相は、「 観光立国 」 のスローガンを掲げ、それを国策にまで高めようとし、2010年の訪日外国人旅行者数を、500万人から、1000万人に倍増する目標も立てた。
・目標達成に向け、彼は中国杭州で開催された「中日韓観光閣僚サミット」にまで出席。
・その後、観光庁長官の努力が足りないとみた前原氏は、この長官を更迭した。その一方で氏は、外相になって以来、 「タカ派 」 の考えと行動が目立つようになり、外交上行きづまり身動きが取れなくなった。
・そんな時に、再び目をつけたのが、中国人旅行者のビザの問題だ。これによって、外交上の難局打開を試みる一方、今春の訪中を希望している、菅直人首相のお膳立てもできるわけだ。
二階氏は小泉総理を支援するため、雑誌『選択』に寄稿しましたが、前原氏は菅総理の中国訪問の手土産とするため、「マルチビザ発給」に力を入れていました。台頭する大国中国に対しては、自民党も民主党も膝を屈する対応しかしていません。
「チャイナネット」の記事の紹介を続けます。
・中国人旅行者向けの、「マルチビザ」発給によって、外資の日本進出が盛んになる。2009 ( 平成21 ) 年、日本政府は、経済回復がなかなか進まない中、中国人向け「観光ビザ」の発給要件を緩和した。
・裕福になった中国人を通じて、日本の社会が、中国の高度経済成長のパワーを、肌で感じるのにそう時間はかからなかった。中国人旅行者の猛烈な購買力に、まず大手家電量販店や免税店が呆然となり、その勢いは、日本の不動産市場にまで及んだ。
彼ら自身が掴んだ情報なのか、日本の学者たちの協力なのか、「チャイナネット」の分析は的外れな推論でなく、当時の日本をよく見ています。
・1回切りの「観光ビザ」では、ビジネス業界や不動産業界が、長期的に中国人旅行者の資金を吸収していくためには、限界がある。
・長期的な角度からみると、中国人旅行者の日本への視察や投資にも、影響が出るだろう。このことから「マルチビザ」の発給は、日本政府が外貨収入を増加するための前提条件となる。
おかしな話ですが「チャイナット」のお陰で、政府の動きを教えられています。次回も中国共産党メディアの記事を紹介します。