だらだら日記goo編

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これが美術展?

2007-12-12 22:14:16 | アート・文化

結構期待していたのである。

だから成城のクリニックの診察が終わったらすぐバスに飛び乗った。

向かった先は世田谷美術館「パラオーふたつの人生」の展覧会だ。

だがこれは期待はずれもいいところだ、今年のワーストに上げたい。

中島敦と日本のゴーギャンといわれる土方久功、この二人が出会ったのは1941のパラオだった。土方はゴーギャンの「ノアノア」を愛読してて1929からパラオに暮らしていたがそこに中島がやってきて二人の不思議な交流が始まったという。

でその交流や両者の影響を知りたいのだが、それらは全く無視!

中島は風土病にかかって1942に土方と一緒に帰国するが、展示されているもので両者の交流を示したものは二人の日記で土方が「敦ちゃん」と呼んでいて確かに親密そうだがそれ以上のものは示されない、展示品はあくまで二人別個の世界だ。

今県立神奈川近代文学館が中島敦のデジタル画像DVDを作っているそうで、その一部が大画面で公開されるのは良い。

世田谷パブリックシアターでの「敦、山月記、名人伝」という芝居も上映されているからまあ時間つぶしにはなる。

たいして土方は、彫刻がいろいろ展示されるが詩集も作ったようでそれも大画面で展示される。

「私は島を見たのだ、生き物の島を

私が見たのは

それはベックリンの見た「死の島」ではない」

などは南国の島を反映しているのだろう。

しかし後の展示、原稿用紙とか手紙とかは箸にも棒にもかからない。

字が小さすぎて読めないのだ!

こんなもの何のために展示しているのだろうか。

カタログも分厚いが買うほどのものではない、やはりこういう展覧会はDVDなどのカタログつきのほうが似合っている。

時間の無駄です、わざわざ足を運ぶには及びません。


カタログの値打ち

2007-12-10 21:53:30 | アート・文化

今年はどうも体調がすぐれないが、体調がいい日に河口湖美術館まででかけたことがある。

乗り継ぎで約二時間半はかかったが、ロケーションは素晴らしく湖を眼下にお茶が飲めるという贅沢な美術館だった。

それにもまして驚いたのは過去開催のカタログがほとんどすべて500円均一で売られていることだった。

当たり前だが中古品ではない、新品のカタログだ。

僕は「ドーミエ展」のカタログを購入した。

風刺画で有名なドーミエだが、彫刻さらには油絵まで収録した三百ページに及ぶ素晴らしいカタログだ。

これで五百円、古本屋で売られてもおかしくない価格だ。

目黒区美術館、練馬区立美術館など一定期間たったカタログは安値になる美術館も確かにある、しかし五百円均一で販売しているのは河口湖くらいなものではないか。

惜しむらくはこの美術館には立派なホームページがない、つまりカタログ大安売りの告知もしていないのだ!

部屋の整理をしていてこのカタログが出てきたのでちょっと記しておく。

しかし今年は本当に体調が悪い。

この土曜日曜も寝て過ごした、というわけで案内した桂田さんの個展には行けずじまい。

ブログに描いてもらおうと思っていたプレゼントは用意してあるのでそれを送って許してもらうことにしたい。


お静かに、小学生たち!

2007-12-07 22:23:12 | アート・文化

北斎は亀や蛇をよく描いた。

それというのも北斎が妙見信仰の信者だったからだという。

妙見菩薩は北極星と北斗七星を神格化したもので、四神のうち玄武を守るからだという。

そのくせお釈迦様の一代記の挿絵には「酔中乱筆」などと書くおどけた北斎だ。

しかしこの展覧会の目玉はそれではない、北斎が海外向けに作った浮世絵の里帰りだ、北斎はカビタンつまりオランダ商館長から絵の依頼を受けていたのだ。

江戸東京博物館の「北斎」の展覧会だ、始まったばかりのためかお客様はごく少ないのでゆっくり観られる。

で、その海外向けの絵だが北斎の作というより、「北斎工房」の作といったほうが正しいようだ。

つまり作者は北斎とその取り巻きでホントのところはわからない、ただ一つ展示65は署名から大塚八郎という人の作品ということはわかっている。

展示はこの海外向け作品を今まで知られていた作品との類似点やシーボルトとの関係からいろいろ解き明かそうとする、なかなか面白い。

これだけでは展示が少なすぎるので、北斎の作品のいろいろな側面をクローズアップしたのが第二部だ。

たとえば「東海道五十三次」と言えば広重と相場が決まっているが北斎も描いていた!

赤い空が印象的だ。

「風流おどけ百句」なるものもつくった、「○○とかけて××ととく、その心は△△」という謎かけの戯画だ、北斎の茶目っ気たっぷりだ。

四季耕作図屏風というのも出ていた、北斎の農村図で極めて珍しい屏風作品、しかもあのコンドルが所有していたという。

北斎漫画ももちろん登場なかなか見どころの多い展覧会だ。

この展覧会も東京新聞からのチケットだが常設展示も観られる、ということで移動。

わー、小学生たちでいっぱいだ、走ったり遊んだりしている。

第二企画展示では茶の湯、川上不白の展覧会をやっていてこれもかなり大規模だが、君たち小学生にはお茶はわかりませんよ。

ビデオで茶の作法をやっているが小学生が脇をどんどん走りぬけていく!

係員が盛んに「走らないで」と注意しているが一向に効き目なし!

担任教師はどこでなにをやっていることやら。


個展のご案内

2007-12-03 22:56:16 | インポート

ここからもリンクしております桂田祐介さんの個展が明日から始まります。

会期、12/4-9 9:30-19:00、ただし最終日は17:00まで。

会場、名古屋市民ギャラリー矢田、第七展示室。

会場アクセス、地下鉄名城線「ナゴヤドーム前矢田」から徒歩三分。

詳しくはブログ一日一画と、桂田さんのサイトを参照なさってください。

桂田さんは理系の研究者ですが、絵画制作は決して素人の余技といったレベルではないことは桂田さんのブログをご覧になった方にはおわかりになるでしょう。

僕自身体調不良で名古屋まで行かれるかはまだ未定ですが、お近くの方はぜひご覧になられてはいかがでしょう。

とりあえずのご案内です。


泣いても笑っても今日限り

2007-12-02 22:26:12 | アート・文化

さてクイズです。

この展覧会、今までで最高の待ち時間は110分と公式ホームページに出ていましたが、最終日の今日日曜日、特別夜間開館を実施して午後五時に博物館についた僕はどれほど待ったでしょう?

すんなり入れた、そうお考えの皆さん、現実はやはり甘くないのです、待ち時間30分!

入館できたのが五時二十分、七時閉館なのでのんびり観ている暇はない、とりあえずごった返している第一会場は避けて第二会場から観る。

言わずと知れた東京国立博物館「大徳川展」、はろるどさんからチケットをいただいているのでどうしても行きたかった。

第二会場も当然混雑している、茶碗とか能面とかそんなものはさっとみてすいているところへ急ぐ。

それでも千利休の異例の作品、竹茶灼、虫喰などはしげしげと眺めることはできた。

絵巻登場、ここいらへんで列に並ぶ、西行物語絵巻はいかにも古めかしい、掃墨物語絵巻とは初めて聞く、いづれも尾張家へ伝来したもの。

国宝源氏物語絵巻とご対面、しかしその前に金沢文庫の旧蔵品の源氏物語、河内本というのもある。

絵巻を出ると酒井抱一と狩野探幽の絵がお出まし。

しかし絵画はその二点だけ、探幽は御用絵師だったのだからもっと出品してもよかった。

お次は姫君の調度品、これも割愛、ただ千代姫婚礼調度で、金95%銀5%でぴかぴかに光っているのは驚いたねさすがは徳川家!

で、第一会場へ入る、何か大きな旗が見えるが人ごみでわからない、後回し。

面白いものがある、ぜんまい仕掛けの洋時計だ、晩年の家康は数多くの時計を所持していたという。

面白いといえば秀吉が愛用し、家康との対局に使ったという碁盤まで出てくる、こんなものまで登場するのだからすごい展覧会だ!

すごいといえば芝東照宮のご神体が出品されているのには驚く。

家康が六十の誕生日を迎えて彫刻させた等身大の像だ!

「デウスの十戒」がある、いわゆる旧約聖書の十戒をうつしたものだ。

キリスト像もある、銅製の像で水戸家が保存していたもの。

あとは望遠鏡、地球儀、こういうのが好きなのですよ。

でまた第二会場をさっとみて、第一会場冒頭の大きな旗へ。

家康の馬印だった、金でできているのが家康らしい。

あとはカタログでと思って会場をあとにした、平成館一階の小さな部屋では黒田記念館から借りてきた黒田清輝の作品展をやっているがお客様だれもおらずゆっくり楽しむ。

やはり僕は人の少ない展覧会をゆっくり鑑賞するほうが性に合っていると思った。