今年の美術館での美術鑑賞は23日の新美術館「旅」展で終了した。
これは文化庁の「芸術家在外研修」制度開始四十年を記念して今までの研修生が「旅」をテーマに新作を発表するという催しだ。
実は我が家から新美術館までは実に近い。
この日も早く着いてしまってさて時間をどうつぶそうかと思っていたら、作家のトークの会があるという。
出品作家七名が各々研修先での思い出や作品に込めた思いを語るというものでそれに参加した。
僕の心に残ったのは今井信吾という作家だ。
絵は「音のない風景・25年・永代橋」という作品で女の子が四人描かれている。
実はこれは古い絵の焼き直しなのだという。
娘さんが難聴でどんな未来を歩むことになるのか当時非常に心配して娘さんの絵を描いた、それから25年、成長した娘さんをそこに重ね合わせたのだ。
今井さんには娘さんがもう一人いらっしゃるから25年前の娘二人と、今の娘さん二人を重ね合わせて四人というわけだ。
こういう話は実際画家さんにお会いして聞かなければわからない。
その難聴の娘さんも今は絵の道に進み、来年は個展をやるという。
トークの会の終了後のカタログサイン会で実際ご本人からおうかがいした。
これから「旅」展に行かれる方は、ぜひこのトークの会のある日を選ぶとよいと思う。
年明けの1/19,1/20のいづれも午後一時半からだ。
1/19は特に、絹谷幸二、田村能里子といった名前の知られた作家が出てくる。
というわけでなかなか面白かった今年最後の美術館だが、まだデパートがある。
日本橋三越、池袋三越、松坂屋銀座はチケット入手済み。
今年ももう一回くらい更新するかもしれませんのでよろしく。