北斎は亀や蛇をよく描いた。
それというのも北斎が妙見信仰の信者だったからだという。
妙見菩薩は北極星と北斗七星を神格化したもので、四神のうち玄武を守るからだという。
そのくせお釈迦様の一代記の挿絵には「酔中乱筆」などと書くおどけた北斎だ。
しかしこの展覧会の目玉はそれではない、北斎が海外向けに作った浮世絵の里帰りだ、北斎はカビタンつまりオランダ商館長から絵の依頼を受けていたのだ。
江戸東京博物館の「北斎」の展覧会だ、始まったばかりのためかお客様はごく少ないのでゆっくり観られる。
で、その海外向けの絵だが北斎の作というより、「北斎工房」の作といったほうが正しいようだ。
つまり作者は北斎とその取り巻きでホントのところはわからない、ただ一つ展示65は署名から大塚八郎という人の作品ということはわかっている。
展示はこの海外向け作品を今まで知られていた作品との類似点やシーボルトとの関係からいろいろ解き明かそうとする、なかなか面白い。
これだけでは展示が少なすぎるので、北斎の作品のいろいろな側面をクローズアップしたのが第二部だ。
たとえば「東海道五十三次」と言えば広重と相場が決まっているが北斎も描いていた!
赤い空が印象的だ。
「風流おどけ百句」なるものもつくった、「○○とかけて××ととく、その心は△△」という謎かけの戯画だ、北斎の茶目っ気たっぷりだ。
四季耕作図屏風というのも出ていた、北斎の農村図で極めて珍しい屏風作品、しかもあのコンドルが所有していたという。
北斎漫画ももちろん登場なかなか見どころの多い展覧会だ。
この展覧会も東京新聞からのチケットだが常設展示も観られる、ということで移動。
わー、小学生たちでいっぱいだ、走ったり遊んだりしている。
第二企画展示では茶の湯、川上不白の展覧会をやっていてこれもかなり大規模だが、君たち小学生にはお茶はわかりませんよ。
ビデオで茶の作法をやっているが小学生が脇をどんどん走りぬけていく!
係員が盛んに「走らないで」と注意しているが一向に効き目なし!
担任教師はどこでなにをやっていることやら。