久しぶりに正規の観覧料金を払って展覧会を観にいった。
行ったのは町田市国際版画美術館「中国憧憬」である。
開館20年ということで観覧料金は800円、カタログは三千円と力を入れている。
要は狩野派も含めて日本美術は中国の影響下にあったと主張したい展覧会らしい。
展示室2の「南画」が中国の影響下にあったことは当たり前だ。
だから狩野派が中国の影響下にあったかを検証するのが先決だ。
展示は雪舟派や狩野派が好んで描いたという西湖図と、狩野派が手本にしたという中国の明の時代の皇帝のよい行いと悪い行いを描く「帝鑑図」から影響を探ろうとする。
西湖図は狩野探幽や狩野元信も描いたようだ。
そして帝鑑図、探幽が描いたものは重要文化財になっている。
その他探幽縮図から、中国の影響を受けたとされるものも展示される。
さて南画が中国の影響を受けたのは当たり前のことでありわざわざ展示することもないかもしれないが、明時代の「八種画譜」というのがちょうどいいお手本になっていたとのこと。
狩野派については板橋がいいコレクションを持っているし、大倉集古でもいま展覧会をやっている、僕としてはもっと勉強してから結論を出したい。
常設展示では菊池怜司というわずか22歳でこの世を去った銅版画家の特集でこちらのほうが印象深かった。