だらだら日記goo編

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今上野が面白い

2005-08-23 23:46:08 | アート・文化
さすがはルーブルだ、今日ばかりは圧倒されうなるしかなかった。
ルーブル美術館所蔵「古代エジプト」の展覧会に東京都美術館へいってきたのだ。
そんじゃそこらのエジプト展とはわけが違う。
会場はいるとまずナポレオン像がお出迎え。
それもそのはずエジプト学はナポレオンのエジプト遠征ではじまつたのだ。
ナポレオンの遠征が1788-1801,ルーブルのエジプト部門の開設が1826だ。
ナポレオンのエジプト遠征の遺物は現在大英博物館に所蔵されているようだ、ルーブルにエジプトの文物の収集を勧めたのはエジプト文字の解読者シャンポリオンだ。そしてマリオットという、古代遺跡を保護した人物も生まれ、ルーブルのエジプト文物の所蔵は今や55000にもなるという、そこからの選りすぐりの展示だ。
展示解説もまたすぐれている。
「正面向きの女性のレリーフ」が取り上げられる、普通人物像は横顔向きが多い、いわれればそうかと気づく。
古代エジプト人はかなり発達していた、「指輪」や「かつら」まで用い、異国人に労働させ、パンとワインを食していた。
官僚組織と行政システムも発達し、「書記」になることはエリートで高収入の道であり、そのために養成学校まである。
会場には当時の集合住宅の間取りまである!
つまりこの展覧会はとかく、ファラオだのミイラだのが強調されるエジプト人の当時の生活を浮き彫りにする。
無論来世への信仰はエジプトを語るのに欠かせない、「死者の書」やミイラを入れる棺も展示される。
しかしエジプト人がなぜ来世にそんなにこだわったか、すべてはナイル川と太陽にあるという。
没しては又上る太陽、そこにエジプト人は来世の復活を見たのだと。なるほどとうなづかざるを得ない。
神の解説も丁寧だ、オシリス、イシス、ホルスーキリスト教の聖母子の原型がここにはある。
キリスト教といえばコプト語で書かれた福音書も展示されるのは丁寧だ。
総じてエジプトの代名詞吉村作治さんがまったく登場しない、むしろ古代オリエント博物館などの研究成果が反映される質の高い展示だ。
惜しむらくは会場に休憩所がないので、無神経に係員のいすに腰掛けるおばさんもいる。
それはともかく今上野は、ドレスデン展、模写模造展と質の高い企画がそろっている、ぜひ足を運んでほしい。


6 コメント

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愛知万博のエジプト館は、全て、レプリカなんです... (やすみ)
2005-08-24 20:42:01
愛知万博のエジプト館は、全て、レプリカなんです。(~_~;)
東京都美術館で本物を見ることができるなんて、なんか、
変ですよね。

もうひとつのブログで拝見しましたが、体調になみがあるのですか。大丈夫ですか。

蒸し暑い日が続いてますものね。
台風も近づいてるようです。気をつけてくださいね。
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こんばんは。 (千露)
2005-08-25 21:16:32
こんばんは。
ルーヴル美術館所蔵古代エジプト展は
いろいろなブログで感想を読ませていただいているのですが、
とても充実した内容みたいですね。

エジプト学はナポレオンのエジプト遠征により始まり、
ヒエログリフを解読したのもフランスのシャンポリオンなのですから、
ルーヴルのエジプトコレクションが充実しているのも、無理ないことかもしれません。

エジプト考古庁の長官も1950年代まではフランス人が勤めていたそうです。

>エジプトの代名詞吉村作治さん
展覧会によっては全く登場しないときもあります。
私が1999年に行った大英博物館所蔵古代エジプト展のときも
展覧会には関係していなかったようです。
2000年のカイロ博物館所蔵古代エジプト文明展では
展覧会の基礎となった、NHKスペシャル「四大文明」の番組監修を行っていたので、図録にも寄稿しています。
今回は古代オリエント博物館の学芸員の方が展覧会の監修を行ったのでしょうね。

長文になってしまって申し訳ありません。
「エジプト」と聞くとどうも血が騒いでしまうのです。
この展覧会が京阪神に巡回しないのが残念です。
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やすみさんこんにちは。 (oki)
2005-08-25 22:34:04
やすみさんこんにちは。
体調に波があり、パソコン昨日はまったく立ち上げなかったので失礼しています。
この展覧会は名古屋市博物館ですでに開かれたようです。
本物というかなんというか、ルーブルの集めたエジプトで、エジプトに残されている本物とは違いますがー。
愛知万博、みなレプリカですか、エジプト政府もけちですね。
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千露さんこんばんは。 (oki)
2005-08-25 22:38:57
千露さんこんばんは。
実は大丸ミュージーアムでもエジプトの展覧会開かれてまして、それは音声ガイドなんかも吉村作治さんなんですよ。
大丸の展覧会はエジプトの神々に焦点を当てた展示のようで、ルーブルの展示とはまったく趣がちがいますね。
名古屋、博多と来て東京ー確かに大阪地方は飛ばされてますね。あれ、確か岡山にもオリエント博物館があった気がしましたがー。
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こんばんは。 (千露)
2005-08-28 21:23:30
こんばんは。
岡山には岡山市立オリエント美術館があります。
古代からイスラム時代に至るオリエントの歴史をたどることができます。
規模はそれほど大きくないのですが、
2回にある屋内庭園がオリエント風でとても素敵です。
喫茶室ではアラビックコーヒーを味わえます。
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千露さんこんばんは。 (oki)
2005-08-28 23:11:23
千露さんこんばんは。
美術館で食事やケーキも楽しみの一つですね。
「週刊朝日」に毎週「お散歩レストラン」なんて、美術館のレストランを紹介してます。
残念ながら東京のオリエント博物館は喫茶もレストランもありません。
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