今東京で、更紗に関する展覧会が二つ開かれている。
大倉集古館の「インドネシア更紗のすべて」朝日新聞主催、と五島美術館「古渡り更紗」だ。
同じテーマでやると展示品の奪い合いになる事が多いが、今回の展覧会は両方の美術館が連絡しあい、いわば協同事業
なのがよい。
しかし両方の展覧会を見比べて印象はまったく異なる。
僕はインドネシア更紗を先に観たが、展示構成もまったく考えられておらず、最低の説明もなく、そもそも更紗とは何ぞやというレベルの僕には理解しがたかった。
というわけで、五島美術館にも期待しないで行ったのだが、これが目からウロコなのである!
まずは彦根更紗といわれる彦根藩主井伊家に伝わった450枚もの更紗の一部がずらりと展示。
「古渡り」とは時代区分であり、そもそも今泉雄作による名物裂の渡来時期の区分であることを知る。
更紗はインド産の木綿布のことであり、南蛮船が運び、江戸の人々を魅了したという。
それはたとえば、山鹿素行が所用した陣羽織に、あるいは小堀遠州の茶道具を包む風呂敷にと転用される。
あまりの人気に更紗製作の指南書もでき、和更紗もうまれる。
インド更紗はヨーロッパにおいてもブームとなり、東インド会社が、日本むけ輸出品としてインド更紗を模倣するほ
どだったという。
初期風俗画にえがかれる小袖にはインド更紗もあったようだ。
江戸の人々を魅了したインドの世界に想いを馳せる。
その他八代桂文楽コレクション更紗たばこ入れ、中田実コレクション、ミニチュア裂手鏡など珍しいものがきちんと解説つきで狭い展示室に存分だ!
こうなると天下の朝日のインドネシア更紗はなんだったのか?
大倉集古館の「インドネシア更紗のすべて」朝日新聞主催、と五島美術館「古渡り更紗」だ。
同じテーマでやると展示品の奪い合いになる事が多いが、今回の展覧会は両方の美術館が連絡しあい、いわば協同事業
なのがよい。
しかし両方の展覧会を見比べて印象はまったく異なる。
僕はインドネシア更紗を先に観たが、展示構成もまったく考えられておらず、最低の説明もなく、そもそも更紗とは何ぞやというレベルの僕には理解しがたかった。
というわけで、五島美術館にも期待しないで行ったのだが、これが目からウロコなのである!
まずは彦根更紗といわれる彦根藩主井伊家に伝わった450枚もの更紗の一部がずらりと展示。
「古渡り」とは時代区分であり、そもそも今泉雄作による名物裂の渡来時期の区分であることを知る。
更紗はインド産の木綿布のことであり、南蛮船が運び、江戸の人々を魅了したという。
それはたとえば、山鹿素行が所用した陣羽織に、あるいは小堀遠州の茶道具を包む風呂敷にと転用される。
あまりの人気に更紗製作の指南書もでき、和更紗もうまれる。
インド更紗はヨーロッパにおいてもブームとなり、東インド会社が、日本むけ輸出品としてインド更紗を模倣するほ
どだったという。
初期風俗画にえがかれる小袖にはインド更紗もあったようだ。
江戸の人々を魅了したインドの世界に想いを馳せる。
その他八代桂文楽コレクション更紗たばこ入れ、中田実コレクション、ミニチュア裂手鏡など珍しいものがきちんと解説つきで狭い展示室に存分だ!
こうなると天下の朝日のインドネシア更紗はなんだったのか?
(参考情報)
中近東文化センターが救われた顛末が紹介されているページ。
http://www.kanshin.com/keyword/1335122
中近東文化センター附属博物館企画展の紹介。
http://www.kanshin.com/keyword/1617980
中近東文化センターには行ったこともありますし、
朝日のアスパラで、今回の展覧会のモニターに応募してもいます。
ここも問題がいろいろあるようですね。
まずオリエントについては古代オリエント博物館というのが、繁華街池袋にあり、わざわざ武蔵境まで行く必要を普通の人は感じないでしょう。
さらに今回の展覧会、会期が異様に長いことも気になります。
裏返せば他の企画をたてる余裕がないことを示しています。
学芸員の質などはおっしゃる通りで、今日ブリヂストンのテーマ展示、都市の表象と心象にいったのですが、驚くことにカタログをみるとこの展覧会、塩島明美さんという一人の学芸員の
手によって企画されたようなのです。
優秀な学芸員はそう多くはないでしょう。
ブリヂストンの底力をみた気がしましたね。
感動しながら皆さんのコメントを読んでいました。
大倉集古館、ふるいものを懸命に集めて、説明がないのは
てっきり「日本語の説明文を読めない」
「英訳で読めても、その歴史背景が掴めない」方
(ex. 広尾麻布に住む、大使館員家族や、
米欧の短期旅行者、等・・) のほうを向いている展示なのかと・・
ごくあっさり理解していたんです。
深い理由がありそうなのですね。大変失礼いたしました。
ほんとにここは、勉強になります。
小金屋さんのコメント最後の部分はとても重要に思います。
ここは他の美術館博物館で、展覧会チラシが入らないのです。
チラシを作る費用もないのか知りませんが、これでは関心を持てというほうが無理です。
一応ぐるっとパスには名前を連ねているようなので、パスを買った人がどんなものか見にいくのとあとは中東の研究家が
足を運ぶぐらいでしょう。
内容がよければ、交通不便でも、板橋区立美術館のように、口コミあるいはネットでひろまるはずですが、そういうはなしも
聞きません。
けどここでああだこうだ言っても意味ないですから、この機会に僕も足を運んでリポートしたいですね。
鮎さん、大倉集古の企画展示はいつもこんな感じです。
ここは、企画展示よりも所属作品展のほうがいいと思う。
なにしろ日本初の私立美術館ですから。