乃木坂駅で多摩急行に乗って、カタログを取り出しよみはじめると
隣のお婆さんが聞いてきた、混んでましたか、私明日行くつもりなの、と。
いわずとしれた国立新美術館「加山又造」だ。
初日にしてはまずまずの入りと答えておいた。
こちらまた招待券でいって幾らとるのかも知らないがまあ賑わいそうだ。
加山の全貌に迫るいい展覧会だ、大作が沢山出ている。
展覧会構成は次の通り。
1章、動物たち、あるいは生きる悲しみ
2章、時間と空間を越えて
3章、線描の裸婦たち
4章、花鳥画の世界
5章、水墨画
6章、生活の中に生きる美
これに休憩室にビデオと参考展示が加わるのでかなりの量だ。
順にみていくと加山は1949に大学卒業して、十年くらいは動物画を描いていたようだ。
画面がすべて暗い、終戦後のよるべなさと父親を亡くしたことの反映か。
月に関心をもつのもこの人の特徴で、六角の月とか駱駝の月とか異様だ。
1960ごろからこの人は装飾に富んだ作品を描くようになる。
日本画の伝統としての時間、空間に捕われない宇宙の一挙の把握だ。
その代表が、展覧会チラシにも使われている「春秋波濤」だ。
大阪の寺の屏風に感動して、琳派の波濤紋を逆遠近法に使ったもの。
その本質は「倣」ということだろう。
ただ真似るのではなく、古典作品の本質を理解して、それを現代に応用すること、これが加山の本質だ。
続く裸婦は浮世絵の線に惹かれ制作したもの、しかしうまく出来ずに「習作」と名前のつくものが多かったという、
展示は少ない、続く花鳥画も展示は少ない「牡丹」の大画面の激しい黒と白の大胆さに驚く。
そして水墨ー1981に中国に旅行してつくった作品とか。
多摩美術大学美術館などからの出品、ここにも中国水墨画を換骨奪胎して日本風にした加山がいる。
最後は着物、陶器の絵つけ、版画ーなんにでも挑戦する加山をみる。
参考展示では、絵画では猫をよく描く加山が、自宅アトリエでMacを持ち込んでCGでは犬をよく描いたとかオモシロい。
加山ファンならずとも得るところは大きかった。
隣のお婆さんが聞いてきた、混んでましたか、私明日行くつもりなの、と。
いわずとしれた国立新美術館「加山又造」だ。
初日にしてはまずまずの入りと答えておいた。
こちらまた招待券でいって幾らとるのかも知らないがまあ賑わいそうだ。
加山の全貌に迫るいい展覧会だ、大作が沢山出ている。
展覧会構成は次の通り。
1章、動物たち、あるいは生きる悲しみ
2章、時間と空間を越えて
3章、線描の裸婦たち
4章、花鳥画の世界
5章、水墨画
6章、生活の中に生きる美
これに休憩室にビデオと参考展示が加わるのでかなりの量だ。
順にみていくと加山は1949に大学卒業して、十年くらいは動物画を描いていたようだ。
画面がすべて暗い、終戦後のよるべなさと父親を亡くしたことの反映か。
月に関心をもつのもこの人の特徴で、六角の月とか駱駝の月とか異様だ。
1960ごろからこの人は装飾に富んだ作品を描くようになる。
日本画の伝統としての時間、空間に捕われない宇宙の一挙の把握だ。
その代表が、展覧会チラシにも使われている「春秋波濤」だ。
大阪の寺の屏風に感動して、琳派の波濤紋を逆遠近法に使ったもの。
その本質は「倣」ということだろう。
ただ真似るのではなく、古典作品の本質を理解して、それを現代に応用すること、これが加山の本質だ。
続く裸婦は浮世絵の線に惹かれ制作したもの、しかしうまく出来ずに「習作」と名前のつくものが多かったという、
展示は少ない、続く花鳥画も展示は少ない「牡丹」の大画面の激しい黒と白の大胆さに驚く。
そして水墨ー1981に中国に旅行してつくった作品とか。
多摩美術大学美術館などからの出品、ここにも中国水墨画を換骨奪胎して日本風にした加山がいる。
最後は着物、陶器の絵つけ、版画ーなんにでも挑戦する加山をみる。
参考展示では、絵画では猫をよく描く加山が、自宅アトリエでMacを持ち込んでCGでは犬をよく描いたとかオモシロい。
加山ファンならずとも得るところは大きかった。
>ただ真似るのではなく、古典作品の本質を理解して、それを現代に応用すること、これが加山の本質だ。
倣う、というのは文学でもそうですね。
先行作品と自分の作品の有り様が、作家を規定するだろう、と思います。
おおよそ美術、文学に限らず創作行為とはそういうものでしょう。
先達に対する限りない尊敬とそれを超えようとする思い。
単なる真似なら著作権侵害になるわけで、弟子は先生をつねに超えるというのが本来の創作でしょう。
TBありがとうございました。
ぽつぽつと観たことはあっても
まとめて観る機会が中々なかった加山又造。
エネルギーもらってきました。とびきりの!
加山の展覧会は研究会のある多磨美術大学美術館でよくみていて、その限りヌードの画家のイメージ強くあまり共感できなか
ったので、今回の展覧会は目から鱗でした。
息子さんとの二人展も開催されたそうで、加山の再評価がたかまることを期待してます。