だらだら日記goo編

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日本画の世界に浸る

2008-01-16 21:33:53 | インポート

この前は日本橋三越で山形美術館の素敵なヨーロッパ絵画に出会えたと思ったら、今度は長野から素晴らしい日本画だ。

長野は水野美術館という聞いたこともない美術館、しかし、足立美術館と東京国立博物館に所蔵されている横山大観の同名の作品「無我」をここも所蔵していること、さらには清方の現存する六曲一双の屏風絵七点のうち一つがここにあることを思えばその質の高さがうかがわれよう。

その水野美術館の名品が新装開店した大丸に来ている、流石に招待券は入らないが、千円も出すのも癪なのでフリーパスを買う。

作品も実にいいが誰が誰に影響を与えたという点がなかなか面白い。

たとえば大観と春草は互いの技術向上のために合作を作っていたという、今回展示される「旭日靜波」もその一つ。

山本丘人という雅号は師の松岡映丘から「丘」を拝借したものだとか。

で、その山本丘人が高山辰雄に戦後の荒廃の中ゴーギャンの伝記を勧めたとか。

で高山は「日月星辰」という東洋の天文思想を作品のテーマにしたとか。

堅山南風という人も面白い、「横山大観先生」という絵を描いたが直接見せに行くのは恐れ多くてできずに妻に持って行かせたとか、こういうエピソードが面白い。

人間関係でいえば川合玉堂まで日本美術院創設に参加したとはこれまた面白い。

その玉堂はおなじみ「鵜飼」とかいろいろ出品されている。

はじめて聞く画家は西郷孤月、雅邦の女婿になるが数年で離婚すると放浪の旅に出て、その旅の途中で死んだそうだ。

一方おしどり夫婦もいる、池田蕉園と輝方。

一つ一つ紹介していったらきりがない。

素晴らしい名品ぞろいなのに会場はがらがらなのはいかなることか。

今度は長野で本物の作品と会いたいと思った。