日光に竹久夢二美術館がある?伊香保の間違えではないのか、artscapeにも載っていないぞ!
だが実際にそれは存在するのだ、鬼怒川温泉の旅館に嫁いだ女将が50年にわたってコツコツ集めた作品群ーそれがいま池袋三越に来ている。
どこぞのギャラリーでもらった招待券を手に池袋に、今年初めての美術展は竹久夢二とした。
これがなかなか素敵だ、肉筆画のいいのがかなりでている。
夢二ははじめ詩人か歌人になろうと思っていたがその詩心を絵に託したという。
だから夢二の絵には詩のようなものがたくさんでてくる。
たとえば「日本男児」
「どんなに悲しい時にでも日本男児は泣きませぬ。泣くのは涙ばかりです」などうまい。
夢二の作品を集めた女将は夢二の作品には「耐えている女」「待っている女」のイメージが強いという。
いい例が「宵待草」だろう。ご存じセノオ楽譜のひとつだ。
夢二はある時銚子の島の可憐な乙女「お島さん」に恋をしたという。
恋をして待っているのは夢二なのだが絵を観ると乙女が恋をして相手を待っているようだ。
夢二は又写真もよく撮ったという、「ベス単」という小型カメラを愛用してパシャパシャとる、「モダン」な飲み物コーヒーも撮ったりする。
また港屋の風景を再現したコーナーがあるなど趣向をこらしている。
夢二はモダンだったんだなと改めて思う、夢二と淡谷のり子の写真も残されている。
ふとしたギャラリーでもらった招待券が年初めにいい展覧会と出会わせてくれた。
ブログ仲間との出会い、美術愛好家との出会い、本との出会いーいろいろな縁を糧として今年も歩んでいきたい。