展覧会カタログの冒頭に掲げられたあまりにもうすべったい言葉の羅列「ほほえみ宣言」、せっかくだから全部書いて見ましょう。
「私たちの身の回りには
テロや民族浄化、強制収容所、環境破壊などの情報があふれ
政府や国連は何をしているのか
世界はどうなっているのか
不安と焦燥に駆られることもしばしばです。
私一人の力では世界は変えられない。
あなたにとっての世界とはなんですか?
それは、思っているより狭いもので
自分と家族、友人
職場、学校で触れ合う人
通勤、通学途中ですれ違う人
コンビニやレストラン、スーパーで声を交わす人
これがあなたにとっての真の世界なのです。
この展覧会にはほほえみがあふれています。
特に文化が独自に発展を見せた時代と地域に。
それは文化創造には
さまざまな他者がかかわっていたからでしょう。
やがて権威主義がはびこり
ほほえみは消えていきます。
それでも、ほほえみは復活するのです。
世界は一人の力で変えられるのです。
ほほえみ宣言。
自分の本当の世界を見つめなおすこと
ただそれだけで。」
カタログ巻末のキリスト教について同じ人が述べたところも理解が乏しすぎる。
「唯一の神は人間を罪ある存在として糾弾することはあっても、慈顔をみせることはまれなのではないでしょうか?」
そうではなくキリスト教の神は裁きと赦しの神であり、赦しが先行しているのである。
「はじめに赦しありき」、お前のことは何でも私にはわかっているよといつもニコニコ「ほほえみ宣言」をしているのはむしろキリスト教の神様なのです。
こういう理解のない人が構成した展覧会ですから、会場は微笑んでいるのかいないのかわけのわからない表情の人物像ばかり。
古代オリエント博物館は「ほほえみの考古学」、円空仏だけがよかった。
受付では新年度の「ぐるっとパス」が届いてその整理をしていました。
ここも無料になるのでした、興味のある方はどうぞ。