階段を上るとビデオをやっていた。
展覧会を見物する前にどんな人か知っておくのも有益である、早速座ってみる。
ベートーヴェンの音楽とミケランジェロの造型に魅了されたらしい、「芸術は生きるために必要なもの」で「つぼは彫刻である」という信念をもっていたらしい。
青磁に魅了されたのは五十歳のころ、日本で知るものがいなかったので独学で習得したらしい。
さて展覧会へー東京国立近代美術館は工芸館の岡部嶺男の回顧展だ、初日ということでがらがらである。
早速引き締まった造形感覚が僕たちを魅了する、この人独特なのは縄目文様だ。
なんでも荒縄を巻きつけた叩き棒で土をたたいて作っていくという、その迫力たるや尋常ではない。
中には展示11の「青織部縄文塊」のようにうつわとしての口を持たない作品まである!
具象的な絵画表現を好まなかったようで、華麗さはないが男性的な荒々しさが満ちる。
この人の作陶は日本古来の伝統に基づいたものと、中国青磁の影響を受けたものとに二分されよう。
青磁とは行っても陶土を用いるため磁器と区別して別の漢字を当てる。
これまたこの人個性的な「二重貫入」がでてくる。
言葉はおどろおどろしいが、要はひび割れだ。
表面にあらわれたものと釉の途中で止まっているものとをいうそうだ。
会場ではこの人の愛したベートーヴェン弦楽四重奏曲も流れていていい雰囲気だ。
お堀の桜はまだ咲いていないが、今日山種の桜のチケットが送られてきた。
近代美術館本館「愛光」、昭和館「手塚治虫の漫画の原点」も開催される。
ちょくちょくあちら方面に足を運ぼう。