この人の作品は赤を中心とする色彩感覚で強烈に自己主張していると思うが、本人はそう思っていなかったところが面白い。
いわく「私の不幸は自分の作品があまりに雄弁でなさ過ぎることである」
画家は梅原龍三郎、その回顧展を日本橋三越に観に行く。
いまさら梅原でもなかろうが三越は招待券があったのでいってみる。
梅原の作品もさることながら、梅原の交流関係にも力を入れた展示だ。
梅原がルノアールに会う前、「伊太利亜人」という作品は面白い。
何か野蛮な原始人の趣がある。
梅原と版画のかかわりも面白い。
版画への関心は1910ごろで春信のほうがロートレックよりすぐれていると感じたという、このことは後に柳との出会いで大津絵への関心に発展する、その手紙も展示される。
交流関係では岸田劉生が面白い。
劉生の「鬼退治」などまことに面白い。
白樺同人寄せ書きというのも面白い。
湘南地方が彼らの活動のメッカとなったようで、梅原も一時期鎌倉に滞在したという。
しかし寄せ書きに梅原は登場しない、劉生が圧倒的に多い。
その他粘土による塑像なども展示される、なかなか面白い。
日本橋三越の後はなぜか全国の大丸を巡回します。