田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ガラスの城の約束(The Glass Castle)

2019年07月21日 17時36分53秒 | 日記

「the glass castle poster」の画像検索結果

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 「ルーム」でアカデミー主演女優賞を受賞し、「キャプテン・マーベル」でマーベルヒーロー映画の主演も務めるブリー・ラーソンが、自身の出世作ともいえる「ショート・ターム」のダスティン・ダニエル・クレットン監督と再タッグを組んだヒューマンドラマ。ニューヨークで自立して暮らす主人公の女性が、関係を絶っていたホームレスの父親との再会をきっかけに、本当の幸せをつかむための人生を再び歩み始める姿を描いた。人気コラムニストのジャネットは、恋人との婚約も決まり、順風満帆な日々を送っていたが、ある日、ホームレスになっていた父親のレックスと再会する。かつて家族のために「ガラスの城」を建てるという夢をもっていた父レックスは、仕事がうまくいかなくなり、次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていった。高校生になったジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、親との関係を絶とうとしたが……。(映画.comより)

 

 

 

 

 最近「実話」と称するものが多いですね。この作品もそうです。彼女はアメリカでは人気コラムニストなんですってね。でもどうなんだろうね。私個人的には、この両親はアカンと思いました。確かに知的なところもあり、いろいろ教えてくれるし、子供に対する愛情を持っていたのは間違いないでしょう。でも、親は親だから何してもいい、というものではないのです(と私は思う)。やはり、子供を産んだ以上、最低限の生活と教育は与えるべきなのです。少し前に見た「はじまりへの旅」でも、ヴィゴ・モーテンセンは子供たちと森の中で暮らしていましたが、彼はちゃんとした教育を施していましたし、生活に困っていたわけではありません。しかしながら、今回の両親は、仕事もせずに子供が4人。極貧の生活で子供たちが3日も何も食べてない状況でも手を打たず、いちいち社会に突っかかって問題ばかりを起こす、幼い子供にけがや火傷を負わしたうえ医療費を踏み倒して逃げる、空き家に勝手に住みつく・・・もう書いているときりがありません。自分たちの人生がうまくいかないのを子供のせいにしてないところは、まだ救われますが、この主人公がニューヨークで成功したころは、ホームレスとなり、ごみばこを漁っているのです。しかもその娘のそばまで来てホームレスになってる。「なんでニューヨークにいるの」と娘が思うのも当たり前です。すると、「おまえが間違った選択をしていることを諭しに来てやった」という意味のことを言うのです。大きなお世話。誰のせいで子供の頃、あんなに苦労したと思っているの。しかも主人公の婚約者を「偽善者」だと。世の中、自分を中心に回っているんじゃないよ!

確かに、主人公は肩肘張っていたかもしれません。でもそれは、極貧でままならなかった人生前半の反動かも。それに、自分の才覚を生かし、自分で掴んだ成功。たとえ結婚生活がうまくいかなかったとしても、それはそれで本人の責任なんだから、周りがゴタゴタ言うものではないはずです。しかも、婚約者は確かに彼女を愛していたと思います。多少見えを張るところはあったとしても、彼女のことは愛していたと思いますね。

 でも悲しいかな、子供は親を選べません。生きている以上、親に縛られてしまうのです。そして、そんな親もまた、辛い思いで育ってきたことがわかってきたりもするのです。これは日本でも、「虐待された人間は自分も虐待する」「貧困家庭の子はまた貧困」など、「連鎖性」あるいは「再生産性」とか言われてますね。もちろん、”自分がつらかったから絶対にやらない”と、きちんと自覚できる人もたくさんいますし、”自信がない”と、再生産しないために子供を作らない人もいるでしょう。皆に連続性があるわけではないと思います。でも、一部意思の弱い人は、子供に当たってしまう、あるいはどんな目に遭っても夫に依存してしまう、そんなことが起きるのだろうと思うのです。

 主人公は「結局幸せだった」と結びますし、姉弟が集まって昔話をする姿は、そのセリフに説得力を与えています。それはとてもわかるのですが、人生って、自分を含めてですが、"そう思わないと生きてゆけない”みたいなことが、無意識に起きていると思うのです。例えば、タチの悪い夫に散々苦労させられた女性が、「私には通らなければならない道だったんだわ」などと言う現象とか。まぁ人生を肯定することは、必要なことなのですが。

 そんなこんなで、私は気持ち半分半分で見ました。俳優さんたちはとてもよかったと思います。父親役のウディ・ハレルソンは、カミソリみたいなアブナイ俳優だったのに、いつの間にこんな名優になったんでしょうね(笑)。母親役のナオミ・ワッツも、なんでもこなす器用な女優さんですね。美人なのに、汚れ役も。主役のブリー・ラーソンは言わずもがな。私個人的にも大好きな作品「ショート・ターム」の監督さんと再び組んで、気丈な女性像を見せてくれます。原作があるようなので、機会を捉えて読んでみたいな、と思います。

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