写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

13日の金曜日

2020年11月13日 | 生活・ニュース

 今朝、目がさめたとき、ラジオのスイッチを入れた。7時の時報が鳴った後、「おはようございます。今日は11月13日、金曜日です」と明るい声でアナウンサーが挨拶をする。

 むむっ。13日の金曜日だとっ! 私の古い記憶にスイッチが入った。それは58年前、1962年(昭和37年)の学生時代の出来事である。高校時代の同級生と、10日間の北海道周遊旅行を計画した。

 7月13日に岩国駅を、夜行寝台列車ではなく座席指定の特急列車「第2つばめ」に乗って出発した。翌朝、東京駅で常磐線に乗り継いで青森駅を目指そうとしたが、大雨のため常磐線が不通だという。

 出だしから計画は大幅に狂い、道内に予約していた宿は全部キャンセルせざるを得なかった。そんなこともあったが、無事に旅を終えて帰った後、7月13日は金曜日であったことに気がついた。

 英語圏やドイツ、フランスなどでは、「13日の金曜日(Friday the 13th)」は、不吉とされる日である。「キリストが磔にされたのが13日の金曜日とされ、クリスチャンは忌むべき日であると考えている」という俗説がある。

 今改めて北海道旅行に出発した日を調べてみると、13日の金曜日ではあるが、日本の暦では「大安」であった。大安といえば運勢でいえば六曜の中で「最も吉の日とされる。何事においても吉、成功しないことはない日」とされている。外国と日本とでは、真逆の結果であった。

 さて、時は流れて今日11月の「13日の金曜日」、暦では「赤口」とある。一体どんな日なのか。「何をしても、支障が起こりやすい日」と書いてある。外国でも日本でも、今日はおとなしくしていた方がいいようであるが、空を見ると雲一つない秋晴れだ。北海道までとはいかないまでも、近くの紅葉狩りくらいには出かけてみたい。