写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

八十肩

2020年11月12日 | 生活・ニュース

 ここ2カ月ばかり、人知れず悩んでいることがあった。右肩の痛みである。日中は痛みを感じることは殆どないが、夜寝ていると鈍痛で目が覚めることがたびたびあって、睡眠不足を感じる日が続いていた。

 古い手帳をめくってみると、10年前には左肩が、6年前には右肩が痛くなり、整形外科に数回通い、注射や電気を当てたりしたが直ぐには良くならなかった。結局、肩の痛みは「時間が薬」といわれる通り、半年ばかりが過ぎたころ、やっと傷みがなくなったことがある。

 そんな経験から、今回は医者には通うことなく、サロンパスを貼るくらいのことでお茶を濁し、痛みに耐える夜を過ごしていたが、2ケ月が過ぎても一向に改善の気配はない。1週間前の日曜日のことである。

 相変わらず、夜になると痛む日が続くので、ついに我慢ができず、あれほど病院へは行かないと決めていたにもかかわらず、翌朝一番に病院へ行ってみることにして休んだ。

 ところがどうしたことか、その夜に限って肩の鈍痛が襲ってこない。久しぶりに熟睡が出来た。長い間、あんなに苦しめられた肩の痛みが、全くないではないか。それも、翌日には病院へ行くと決めた日の夜のことである。


 不思議でしようがないが、ただ一つ心当たりがある。その日の夕方、しばらく休んでいた夕方の散歩に出かけた。意識して腕を大きく振って、往復2kmを30分かけて速足で歩いた。これが効いたのかもしれないが、人間の体も、気合いの入れ方で痛みが軽くなるってことがあるのかもしれない。


 ともあれ、その後、肩の調子は完璧とは言えないまでも、まあ順調である。こんなことは初めての経験であるが、説明ができない四十肩ならぬ八十肩ではある。そこで結論「年を取ると、体の異常で説明できないことは多い」ということか。