![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/69/ae0dcbee280de115a759a0c4f3b1ca6d.jpg)
♪ 深い空から枯れ葉が舞って ああ秋ですね あなたが返した合鍵が似合う 無口な私になりました 季節の変わり目を あなたの心で知るなんて もう恋も もう恋も終わるのね ♪
1980年中山丈二が愛用のギターと1本のテープを残して36歳の若さで逝去した。そのテープに入っていた曲がこの「秋冬」だという。1984年には高田みづえが「NHKの紅白歌合戦」にこの楽曲で出場した。優しく静かだが少し物哀しい秋の訪れを感じさせる私の好きな歌である。、
間もなく9月が終わろうとしている今朝、庭に出て見ると、隣りとの境に植えてある3本のゴールドクレストが人の背丈の2倍にも高くなっている。余りに高くなっては手に負えなくなるので、梯子と電動ノコを持ち出し、背丈くらいの高さに切って芯を止めた。
高い脚立の上で用心しながら切っている時、裏山の遠い所からツクツクボウシの力のない鳴き声が時を置いては聞こえてくる。この辺りはもうすっかり秋の気配。草むらでは虫が鳴き、ハナミズキも紅葉が始まっている。こんな時季、いくら鳴いたってお相手はもうとっくにいなくなっているだろうに、と思いながら聞いていた。
このツクツクボウシは、季節の変わり目ではなく、季節外れに出てきたのでは、心を知ってもらう相手なんぞどこにもいない。恋の終わりならぬ、恋も出来ないツクツクボウシがかわいそうに思えた。
今年の夏は大変な雨で、地上ではたった1週間で命を燃やし尽くすというセミの中には、地上に出るタイミングを失ったものもいるかもしれない。このツクツクボウシも、そんな1匹だったのかもしれないと思うと、ツクズク憐れで不憫ではある。