写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

春財布

2013年01月07日 | 生活・ニュース

 慌ただしくも少し楽しい年の瀬と正月が過ぎ、今日7日で松の内も終わる。と、書いたところで「松の内」は本当に7日で終わるのかと思いネットで確認してみた。

 「松の内とは、正月の松飾りをしておく期間のこと。その期間は土地によって必ずしも一定せず、元旦から3日まで、あるいは7日、15日前後までとする所などがある。3日など比較的早い時期に門松をとる所では、その穴の跡に門松の芯の小枝をとって少し挿しておく所が珍しくないことから、3日などではなく7日もしくはそれよりも長い期間が本来の松の内ではなかったかと思われる」と書いてある。 

 今まで松の内とは7日までと思っていたが、必ずしもそうとは限らないことを初めて知った。例年のように、我が家は今年も、7日の夕方に松飾りをとることにしよう。そんな昨日、暖かい日差しに誘われて、広島のデパートへ出かけてみた。早くも防寒着やセーターなどの冬物衣料のセールが始まっている。

 そんな中で、財布の売り出しをやっていた。財布は春に買うのが良いという。理由は、「春」が「張る」と同音で、ふくらむにつながることから俗に金運を呼び込むとされるからだという。そんなことを聞いたことはあるが、すでに昨年の末に財布を買い替えていた。

 今まで使っていたものは、20年前に買ったものであった。表に「mr.Jyunko」と刻印された黄金色の長財布である。長年使ってきたにもかかわらず、どこもに傷んだり破れたところはないが、いくら手入れをしても染み込んだ汚れは如何ともしがたい。人前で財布を出すにはちょっと恥ずかしい様相になっていた。

 愛用してきたものなので手放すには一抹の淋しさはあったが、思い切って新しいものに買い替えた。今までのものと同じタイプで、中にファスナーが付いている長財布。色はやや暗い黄金色。今度は「TAKEO KIKUCHI」と刻印がしてある。

 さて、これで札束を入れる小道具は準備できたが、当てにしていた年末ジャンボ宝くじは当たらず、如何せん肝心の札束の持ち合わせは全くない。懐に入れた空っぽの長財布が何故か無性に重く感じる年の初めである。