日経新聞に「ビジネススクール」というコラムがある。「成長へ導く8つの秘訣」と題して、リーダーのすべきこととして、8つのルールが紹介してあった。20世紀最高の経営者に選ばれた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の前CEO(最高経営責任者)ジャック・ウェルチが書いた「ウィニング」から引用したものである。
8つのルールとは(1)チームの成績向上を目指して一生懸命努力する。あらゆる機会をとらえて、チームメンバーの働きぶりを評価し、コーチし、自信を持たせる (2)部下にビジョンを理解させるだけでなく、ビジョンにどっぶりと漬かるようにさせる
(3)みんなの懐に飛び込み、ポジティブなエネルギーと楽天的志向を吹き込む (4)率直な態度、透明性、実績を通じて信頼を築く (5)人から嫌われるような決断を下す勇気、直観に従って決断をする勇気を持つ
(6)うたぐり深く質問し、部下が行動で答えるようにさせる (7)リスクをとること、学ぶことを奨励し、自ら率先して手本を示す (8)派手にお祝いする
8つのルールの中には相反するものもあるが、リーダーは様々な相反するニーズのバランスをとる必要がある。これは難しいことだが、逆に言えばそれが「難しくてできない」と言い訳をする人はリーダーの資格がないということだと書いてある。
さてこのリーダーシップ論、大勢の部下を率いている現役のビジネスマンだけの話ではない。家庭の中のお父さんやお母さん、ちょっとした仲間の世話役さん、同好会の会長さんなど、小さなグループのリーダーに対しても当てはまる話のようだ。
今現在、私の家庭は夫婦2人だけの組織。定年退職後、主導権争いはずっと続いている。未だどちらがリーダーかは定かではない。言ってみれば日替わりのリーダー。いや、担当業務別のリーダー制。食事関係は奥さん、力仕事は私という類だ。
奥さんが食事を作ってくれたときには、(1)「お前の作ったものはおいしいよな」と言って自信を持たせ(2)今夜は何が食べたいかはきちんと言っておき(3)何か手伝おうか、など優しく言ってみる(5)甘すぎたり辛過ぎたときにはその旨伝える(8)おいしかった時には、感謝の気持ちを表し、ワインなどを出して派手にお祝いする、などが差し当たり亭主の立場のリーダーシップ論か。