写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

下調べ

2011年09月29日 | 生活・ニュース

 「岩国エッセイサロン」というエッセイを書くことを趣味とする同好会に入っている。年に1度か2度、親睦と研修を兼ねて小旅行をしている。今年は「宮島探訪とグルメの旅」と題して、近場ではあるが安芸の宮島へ出かけることに決まった。案内役は不肖私が務めることにした。

 探訪といえば、ただ物見遊山かというと、そうではない。会員の皆さんは、幼いころから何度となく宮島見物には行っている。厳島神社に参り、廻廊を渡りながら大鳥居も拝んでいる。五重塔や千畳閣も見たことがある。今さら行ったからといって、特に目新しいものは何もないと思っているに違いない。 

 ところが、あに図らずやである。宮島検定のテキスト本を読んでみると、宮島には知られていない史跡は多く、奥が深い。厳島神社だけでも、国宝や重要文化財が思いのほか沢山あることを知った。岩国との関わりのある史跡も随所にある。会員の皆さんにもぜひ知ってもらいたいと思い、この小旅行を企画した。

 テキスト本を片手に探訪の行程を作ってみた。昼食・お茶の時間をはさみ4時間半の行程にした。「こんなもんかな」と思いながら所用時間を記入してみたが、15人の会員を引率していくにしては今一つ時間配分に自信が持てない。「よしっ、今から下調べに行ってみよう」。奥さんを誘って宮島に行ってみることにした。

 平日なのに、季節がら観光客は多い。連絡船で宮島に渡った後、行程に沿って歩いてみた。時計を見ながら所用時間や滞在時間をチェックする。厳島神社の近くにあるお茶屋さんで、昼食にあなご飯を食べてみた。おいしい。ここは当日、昼食をとる予約を入れておいたレストランだ。2階の座敷を借り切って食事をすることにしてある。見晴らしもよく、いい場所が見つかってよかった。

 途中、もみじまんじゅうを食べながらのお茶屋さんも、座席が十分にあることも確認できた。観光案内所で観光地図とパンフレットも人数分もらった。原案の時間配分を、ほんの少し修正するくらいで大丈夫だと確信し、下調べを終えた。10月19日の晴天を祈るだけである。