写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

僧 月性(げっしょう)上人

2011年09月30日 | 生活・ニュース

 今までに何度となく国道188号線を車で走った。その都度、柳井港近くの道路わきに「月性展示館」と書いた看板と、右手で刀を振り上げた僧侶らしき像が建ててあるのを見ていた。「何かなぁ」と思いながらいつも素通りしていたが、先日奥さんと2人で立ち寄ってみた。

  

 妙円寺というお寺の境内に立派な展示館が建っていた。入館料は200円。70代の女性がパンフレットや資料をくれた後、懇切丁寧に案内してくれる。まずは月性とは一体どんな人なのか? パンフレットには次のように書いてある。

 

 「文化14年(1817)柳井市遠崎にある妙円寺に生まれた幕末期の尊皇攘夷派の僧。妙円寺の住職。詩人として、また、海防僧として業績を残した。天保14年(1843)には有名な『男児立志の詩』を作った。嘉永元年(1848)には、清狂草堂を開塾した。遠近より入塾を希望する若者が集まり、明治維新に活躍する多<の人物を輩出した。尊王攘夷・海防の急を説いた。吉田松陰とも交流があった。病のため、42歳でその生涯を閉じた。」

 館内には自筆の詩や、幕末期に活躍した志士たちとの交流の手紙や絵・額などが数多く展示してある。庭には、私塾である清狂草堂がきれいに保存してある。「
男児志を立てて郷関をいず 学もしなる無かんばまた帰らず 骨を埋むる何ぞ期せん墳墓の地 人間到る処青山あり」と刻んだ「男児立志の詩」碑も建ててある。

 展示物もさることながら「月性は大変な酒好きだったようです」と言いながら案内をしてくれた年配の女性の、ユーモアあり、笑顔あり、上手な説明の3点セットが印象に残る。皆さんも是非1度ご訪問あれ。質疑応答でたっぷり1時間が、あっという間の楽しいひと時で
あった。