写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

裸騒動

2007年10月22日 | 生活・ニュース
 裸騒動といっても、美女が裸になった話ではない。現役のサラリーマンでもないのに、週末の夜ともなると何だか気分がリラックスして遅くまで起きている。

 日中、外出をして何かと忙しくしていた奥さんは、お疲れなのか夜の10時を過ぎる頃からお休みモードに入り、シャワーを使ったあと寝室へ入った。

 私は休む前に風呂に入ろうと思い、湯を張るためにガス給湯器のスイッチを入れておいた。それから1時間も経ったろうか。ある作業が終わったので、風呂に入ることにした。

 裸になって浴室に入ってみると、浴槽から湯ではなく冷たい水があふれ出している。一瞬どうしてなのか理解が出来ない。

 給湯器の「運転」スイッチはちゃんと押したし、蛇口も開けて湯が出てくるのを確認していた。しかし、規定の量のお湯が入ると自動的に給湯が停止する「お湯はり」スイッチを押すことを忘れていたようだ。

 ある時間以上、給湯器にガスが流れ続けると、安全上ガスが止まる装置が設置されていることを思い出した。つまり、長時間給湯したため、ガスが止まり浴槽には水が供給されていたのだ。

 それを復旧するには、屋外に出てガスメーターについている「復帰ボタン」を押さなければならないことは知っていた。

 下着だけを着けて外に出て、そのボタンを押した。この季節の真夜中、下着姿ではもう寒い。身体中に鳥肌を立てながら小走りで部屋に戻った。

 それから20分後、やっと温かい湯船につかることが出来たが、厳しい年金生活をしている身に、来月は一体どのくらいの水道代とガス代が上乗せになることやら。

 真夜中に裸になったり服を着たりのあわただしかった1日を、湯につかってじっくりと反省した。これからは、給湯器のスイッチを押す時には、キュウッと気を引き締めてやろう。まるで「そんなの関係ない」のような、裸騒動であった。
 (写真は、押し忘れた「給湯スイッチ」