写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

栞(しおり)

2007年10月02日 | 生活・ニュース
 10月20日に、2冊目のエッセイ集「アールグレイを飲みながら」を、市内のある本屋で発売することが決まっている。

 今は印刷・製本中で、作業は順調に進行中である。1冊目の「行くぞ! ハートリー」と同じく、この度も100部を出版することにした。

 装丁も表紙のイメージも、前回と同じように白でシンプルなものにした。理由は簡単だ。色をつけない方が安いからである。

 「外見ではなく、中身で勝負だ」と言いたいところだが、肝心の中身が心もとないのは仕方がない。こればかりは、お許しを願うしかないようだ。

 しかし、読んで頂けるという奇特な読者の皆さんに、今回は一つささやかなプレゼントを用意した。手作りの「栞」である。

 今日、A4サイズにワードを使って本の題名を書いた栞を作ってみた。裏面には、筆者から読者にお伝えしたいメッセージを5行に亘って書き込んだ。

 作り終えて、いよいよ印刷をする段になったが、手持ちの用紙は栞にするにはやや薄すぎる。電器店に走り、普通紙より2倍厚いものを買ってきた。

 裏と表が、うまく1枚の栞に印刷されて行くことを確認しながら作り終え、手押しの裁断機で切っていった。

 その1枚の栞を手にとり、なかなかいい出来栄えだと自画自賛する。その時、切り落としたやや細い紙が目に留まった。捨てるにはもったいない。

 栞の長さに切り、万年筆で「アールグレイを飲みながら」と書いた栞を作ってみた。この方がいいという人がいるかもしれない。このいずれかを「アールグレイを飲みながら」の中に入れて店頭に並べておくことにした。

 ところで「栞」といえば、私は全く違うことを思い出す。駅前にある飲み屋街のビル4階に「栞」というスタンドバーがある。

 サラリーマン時代、2次会で飲みに行くといえばよくこの店に行った。豊満で愛嬌のあるママ一人の小さな店である。カラオケもなく、静かに語り合える今どき珍しい店であるが、通わなくなってもう久しい。今もあのママは元気かな~。
 (写真は、自費出版書に入れる手作りの「栞」)