写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

防犯ランドセル

2007年01月27日 | 生活・ニュース
 夕方、テレビでニュースを見ていた。早くもデパートでは新入生のランドセルのセールが始まったと伝えている。

 色は昔のように赤と黒だけでなく、ピンク・ブルー・茶色のほか、色々なものが並べられている。値段は3万円台から14万円まで、材質の違いがあるにしても、まさにピンからキリまであるようだ。

 2年後の今頃は、我が家も孫のランドセルを、あれにするかこれにするかと懐具合と相談しながら悩んでいるに違いない。

 ランドセルといえば、ひとつ気になることがあった。我が家の前を通る通学の子供のランドセルを見ると、ほとんどの子供が防犯ブザーをぶら下げている。

 最近のように思いもかけない犯罪が多いと、ブザーをぶら下げてやりたくなる親の気持ちは良く理解できる。

 しかし、その肝心なブザーを、ランドセルの横か後ろについているフックにぶら下げている。

 万が一の緊急事態が起きたとき、引っ張る紐に手が回りにくく、即座に対応が取れないように感じていた。

 ある子供に言ったことがあった。「ブザーは体の前に取り付けたほうが引っ張りやすいよ。お母さんに頼んで付け直してもらったら」と。

 親も、ブザーを取り付けてやっただけで満足しているように思えるが、いざというときのことは真剣に考えていないようだ。

 ところが、今日見たニュースのランドセルには、「防犯ランドセル」と銘打って防犯ブザーをぶら下げるためのフックが、肩ひもの前、胸の辺りに取り付けてある。

 さすが良く考えている。こうでなくっちゃと、ひとり大きくうなづいた。このランドセル、何処のメーカーか知らないが、人気が出るに違いない。

 私と同じ発想のランドセル・メーカーがあったことに気を良くして、日頃は少し残る缶ビールをその夜は全部飲み干した。

 このくらいのことなら、ちょっと工夫すれば今使っているランドセルにも取り付けることは出来る。小さい子のお母さん、今すぐフックを肩ひもに取り付けてあげませんか。

 それにしても、「防犯ランドセル」なんていう商品が売れる今の世相、少し淋しすぎませんかネ~。
  (写真は、ニュースで流された「防犯ランドセル」)