写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

孫との電話

2007年01月16日 | 生活・ニュース
 この春4歳になる孫が、年末に東京から帰省してきた。正月を前に、広島の嫁の里に行った。1月の末頃までいると言っていた。

 そろそろまたやって来ないかと思い電話をしてみた。呼び出し音が3回鳴ったとき、嫁のお母さんが電話口に出てきた。

 「はい、○○です」「もしもし、ロードスターですが…」と年初の挨拶をしようと思ったとき、「M子ちゃん、Sさんからよ~」と嫁の夫である私の息子の名前を叫んでいる。

 「私の声を、息子の声と勘違いしているな」と、ひとり笑いしながら嫁が出てくるのを待った。

 嫁に、このいきさつを話すと電話口で大笑いをする。以前にも1度こんなことがあった。

 私の声が若いのか、はたまた息子の声が年寄りじみているのか、いずれにしても私の声と息子の声が似ていることには違いがないようだ。

 いや、それとも嫁のお母さんが、サザエさんのように少し…なのか? まあ、楽しくおかしい勘違いの電話であった。

 そういえば昔、こんなこともあった。息子が中学生の頃、同級生のお母さんから電話がかかる。

 私が電話に出て「はい、ロードスターです」と言うと「お母さんはおられますか?」と言う。「はい、替わります」と言って、奥さんと替わったことは何度もある。

 嫁と話をしている途中で、孫が電話に出たいという。替わってもらって話をした。「今何をして遊んでいたの?」「テレビを見てたの」「おもしろい?」「うん、おもしろいよ」

 「今度また、岩国で山に登ろうね」「うん、のぼる」「テレビばっかり見ていたら、頭がおかしくなるよ」「……ママ~、電話替わって~~」

 ちょっと、お説教じみたことを言ったら逃げられた。育てる責任もない立場で、あまり余計なことは言わないのがいいのか、言ったほうが悪いのか。

 初めての孫と、遠くにいるじいちゃんとの静かな戦いは始まったばかりである。
(写真は、幼児期の教育にやや失敗した「ハートリー」)