写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

70°対90°

2007年01月08日 | 生活・ニュース
 70°と90°とが、こんなにも違うとは思わなかった。何の話? まあ聞いてください。

 毎日何時間か、パソコンに向かって何かをしている。今日の午後、その手を休め、漠然とパソコンの画面に目をやったときに、怖いものを見た。

 青1色の画面に、私の顔が鏡を見るようにはっきりと映っている。しかしその顔は険しく不機嫌そうに見える。

 いつも鏡で見る自分の顔とは随分違う顔であった。人目を気にしない無防備な表情は怖くもある。

 そのままの表情で、パソコンの中の自分の顔を研究してみた。不機嫌そうに見える原因を探ってみた。

 小鼻から両口角に向かって入るシワを「ほうれい線」というが、その角度に問題があることが分かった。

 何か物事に熱中していると、口角を下げて唇を突き出していることはよくある。そうするとたちまち険しく不機嫌そうな顔に見える。

 その時のほうれい線が描く角度を測ってみた。私の場合は約70°であった。これではいけない。思いっきり口角を上げて、愛想の良い顔をしてみた。

 ほうれい線が大きく広がり、明るい顔に変わる。そのときの角度は、丁度90度であった。

 この20°の差は大きい。相手の人を暗くも明るくもさせる。人と対するときには「口角を上げよ」とはよく聞くことではある。改めてその意味がよく理解できる。

 この1年、口角を上げ明るく接するる努力をしてみたい。正月明けの寒い1日、分度器を取り出し、口の周りでくるくる回してみた閑人の暇つぶしの話である。
   (写真は、紙で作った「70°と90°」)