写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

高校野球

2005年07月26日 | 生活・ニュース
 夏の全国高校野球が、今たけなわである。自分の子供の世代を通り越した年頃の、高校球児の熱闘が見たく、私は今年も球場へと足を運ぶ。

 ネット裏の観客の中には、毎年やってくる常連の顔をここかしこに見ることが出来、数人と会釈を交わす。

 タオル・冷たいお茶・うちわ・麦藁帽子・日焼け止めクリームの応援グッズを持って、私もその中に座る。

 真っ黒く乾いた灼熱のグラウンドに、鍛えに鍛えられた球児が、ばね仕掛けの人形のようにきびきびと弾ける。

 血縁でも何でもないのに、母校の試合では、妙に肩に力が入る。

 しかし、勝っても負けてもいい。燃えるものを見つけて、無心になって自分の力を出し切る姿を見るのが好きだ。それを見るために、私は今日も球場に出かけて行った。

 やるだけやって負けた球児たちの悔しそうな顔の中にさえ、清々しさが読み取れる。それを見るのがまたいい。
(写真は、熱かった「高校野球見物」柳井球場:05.7KRYで放送)