写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

挨拶運動

2005年07月01日 | 生活・ニュース
 地域の小中学校の校長と生徒指導の先生から、最近の学校及び児童生徒の状況を聞く機会があった。

 話のひとつとして、いずれの学校においても挨拶運動をやっており、子供たちにはよく挨拶をするように指導しているという紹介があった。

 それを聞いた後、ひとりの年配の男が質問をした。「先日、中学1年生が錦帯橋に遠足をしている列に出くわした。その時に、『こんにちは』と子供達に声をかけたが誰も挨拶をかえさなかった」と不満な顔で言った。

 それに対して、小学校の校長が答えた。「学校では、見知らぬ人にまで挨拶をするようには指導しておりません。近年は、不測の事態が起きることがありますもので・・・」

 中学1年生のことであれば、まだ小学校側の指導責任があると思ったのであろう。小学校長は、中学校長を制してこのように答えた。

 最近のニュースをみると、見知らぬ男に声をかけられて、悲惨な事件に巻き込まれたというようなことは結構ある。

 挨拶を返さなかった中学生達は、果たしてどう思ったのかは分からないが、素直に挨拶も交わせない世情は殺伐としている。

 人間同士、コミュニケーションの第一歩は挨拶から始まる。どんな場においても、挨拶ができない者は疎外される程である。

 説明会を聞いた後、自転車に乗っての帰り道、ランドセルを背負った元気な足取りの小学生3人を追い越した。

 「こんにちは」と声をかけると、「こんちくわっ」と大きな声が返ってきた。こいつら、小さいくせに、曲者だ。大丈夫と見た。
   (写真は、元気盛りの小学生)