まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1256  地温は、目下発生に最適!雨はありすぎ! マツタケの姿はゼロ、なんでやねん? 

2017年10月23日 |  マツタケの林地栽培 

                      写真1. 和歌山県富喜マツタケ  今年は、幻に近い.発生期の気象異変か?
 
 10月27日(金)は、609回活動日です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告者は、内田 正明さんです.当日夜、是非ご覧ください. 台風21号被害が発生.次回は、修復に向けて共同作業を行います.よろしくご協力を願います.

 10月25日(水)毎日放送テレビ ちちんぷいぷい(午後1時55分~)の「お天気部」コーナーで 『マツタケと気象』放映.
 10月26日(木)朝日放送テレビ キャスト(午後4時58分~)の「なんでやねん」で『日本人は、なぜ松茸が大好きなの?』放映.

 マツタケの発生解析には、長期的にはホスト林(アカマツ林など)の状態を、短期的にはシロの栄養生長期と生殖生長期の気象という3要因を見る必要がある.マツタケの生息地になるアカマツ林の現況を、健全林、準健全林とメタボ林(不健全林、老齢林)に分けている.これは今年の発生には考慮せずです.でも、これも問題、林の劣化で急にある年から出なくなることも観察されている.このメタボ林対策は、アカマツの若返りである.

 京都では今年の降水量は、栄養生長期には不足状態だが、発生期の雨は降りすぎである.雨降の効果は、土質も考慮せねばその意味を取り違える.また、子実体生長の有効降水量の判断も大切である.長雨年は、発生量に勢いがなく少量のマツタケがだらだらと発生する.こんな年は、平年作にも至らない経験を持つ.
 
 気温を見ると、平均では栄養生長には充分である.それではこの不作を理解できない.生殖生長期の温度を見る必要がある.マツタケ子実体生長の代謝の切り替えが行われる温度を考えねばなりません.こちらでは、19℃前後の地温の変化が、子実体発生の鍵となる(ブログ1254参照).東北では8月の低温で発生したが、関西では、9月の気温はやはり低温であったが、発生刺激を受けるほどのものではなかった.

 日本列島は細長く、気象の変化に富む、しかも列島の真ん中を走る山脈で気候を表と裏に分けるため、マツタケの発生量はどこかが悪くても反対側が良好というのが通常である.発生が未だ終わってはいないが、経験50年の取り扱い業者も熟練の取り手も、こんなの始めてというお手上げの状態である.
 世界的にどこも悪いのだ.スカンディナビア半島も中国大陸も朝鮮半島も、もちろん日本もである.北アメリカはよく分からないが、市場への出荷の様子ではよくないように見える.

 さて、岩倉香川山の京マツタケ(写真2.雍州府志 黒川道祐著 1682-86)の発生は、目下ゼロである.10月4日に刺激を受けて、しかも刺激温度感受性の多様性を考慮しても、ほぼ全域に刺激が与えられたであろう15.5℃になっている.10月8日-10日の地温上昇は22℃を超えた.これでほとんどの子実体原基は、わずかの生長後潰れたと推測するのが妥当である.

写真2.京マツタケ(昨年) 

 こうなると、今、地温は図1のように、発生に最適状態になっているが、マツタケの発生は全くなく、シーズンは終わったと思われる(確度高い).でも、ダメージがなかった部分は、あればだが、今後の地温(12℃まで.昨年は11月16日まで発生)如何で、頭を出すことはよくあることだ.でも冬が急ぎ足でやってくると、それも適わない.
 しかし、ダメージがないシロ部分は、来年の発生エリアとして残るように見えてならない.これは、大昔勉強したことと見方が異なるが、正しいと思う

図1.香川山地温 2017年 10月13日から21日

 
【お知らせ】 

1.滋賀県長浜市野瀬  マツタケ発生環境整備と交流会 参加者募集
   場所:長浜市野瀬大吉寺
   日時:10月29日(日)午前8時30分 地下鉄御陵駅2番出口付近(三条通北側)/現地 集合
              午前中はマツタケ山診断
              昼食後 京マツタケ復活作戦成功の報告、続いて交流会 餅つきなど
  午後6時頃 御陵付近着 
   費用:高速代(休日割引、往復)3360円/1台、往復180km走行のガソリン代などを参加者で負担

2.11月9日(木)午後6時30分~7時 ならどっとFM  今年のマツタケは大凶作  

3.滋賀県荒神山 マツタケ発生環境整備と報告会 参加者募集
  場所:彦根市石寺公民館
  日時:11月19日(日)午前9時京都市営地下鉄御陵駅2番出口発、10時荒神山集合 直ちに作業に合流
     午前8時~11時30分 マツタケ山づくり作業
       12時~13時 昼食会(昼飯代500円)
       13時30分~16時 報告会(荒神山の活動報告、京まつたけ復活成功物語)
       16時から 懇親会
  費用:高速料金(休日割引、往復)2720円/1台、往復140km走行のガソリン代などを参加者で負担
       

4.日本文化デザインフォーラム  JIDFラボ【松茸山再生と岩倉焼き】15回開催   

   11月18日(土) 612回例会  マツタケ発生整備作業と反省  参加費:昼食代500円
      参加申し込みは吉村( E-mail)まで

5.千葉県立中央博物館 自然誌シンポジウム
  日時:2017年11月23日(木、祝)13:00~16:00
  場所:千葉県立中央博物館
  テーマ:マツタケ栽培最前線
      人工栽培(白坂憲章).感染苗利用栽培(山中髙史).林地栽培(吉村文彦)
      問い合わせは千葉県立中央博物館 吹春俊光先生 電話:043-265-3111(代表)


【まつたけ山復活させ隊の活動指針】

 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.注:自由に主体的に活動できることは何をしても許されると言うことではありません. 
 
 我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人などがいる.これらの作業実施・応援に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).

 参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加者)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.


【まつたけ山復活させ隊の心得】

悔いの残らないようにするには! 

あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.用いたコップの後片付けも忘れないように! 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.

【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日     報告担当者  男厨シェフ   特別企画 
 
609 10月27日(金) 内田
610 11月04日(土) 池内             第2回毎木調査
611 11月10日(金) 三輪
612 11月18日(土) 宮崎      内田      JIDFラボ15回
613 11月24日(金) 吉村
614 12月02日(土) 池内
615 12月08日(金) 内田
616 12月16日(土) 三輪      川崎
617 12月22日(金) 宮崎             忘年会

618 01月12日(金) 吉村             新年会
619 01月20日(土) 池内      松浦
620 01月26日(金) 内田
621 02月03日(土) 三輪
622 02月09日(金) 宮崎
623 02月17日(土) 吉村      内田
624 02月23日(金) 内田
625 03月03日(土) 三輪
626 03月09日(金) 宮崎
627 03月17日(土) 吉村     松本
628 03月23日(金) 内田   

 なお、やむを得ず担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある.

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の取り付け道路(案内看板あり)が見えたら(後400m)、案内看板手前にある道路を左折、右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
§カンパありがとう!  
    
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする