まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1250  マツタケは不作どころか凶作! 異常でこんな経験したことがないという.

2017年10月02日 |  マツタケの林地栽培 

10月7日(土)は、606回活動日です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告者は、三輪 新造さんです.当日夜、是非ご覧ください.

写真1. 最近、特に若い方は、マツタケ臭(松茸の香りを決めるトランス型ケイヒ酸メチル、2種類のマツタケオールなど)を嫌う傾向にある.その理由はマツタケがべらぼうに高く食べた経験がないからという.彼女は将来マツタケ好きに育つだろう.

写真1 マツタケ好きの大人になるかな?

 岩手県岩泉の15年の観察調査では、気温が低く雨の多い年は、発生がだらだらと続きそのピークも定かでなく不作もしくは凶作になっている.また、15回の観察で、平年作以上は7回しかない.その他は気象に何らかの問題がありそれを下回る.

 北海道のSさんの話では、8月の半ばに2度ばかり発生を確認したが、その後ばったりとマツタケの姿は見られなくなったとのことです.
 東北岩手は、内陸も沿岸もその発生の始まりは北海道と同じ頃.その後だらだらと“夏マツタケ”とよばれる物が出た.このマツタケは、雨が多いためきのこが柔らかく、その上気温高と来ているので虫に食われている物が多い.
 
 9月になって気温は寒いくらいに下がったが、発生状況の回復は見られず、尋常な場所ではマツタケ発生が確認できないと大野の小沢さんはいっている.探しても探しても取りこぼしか見落としマツタケが見つかる程度であるという.
 
 これらはどうしても大きくなっている.「ツボミやコロがない」と京都錦の「かね松」上田会長と三条寺町の「とり市」山本専務の話とよく符合する.ご両人は、京都で松茸を扱って50年のキャリアを持つベテランだが、こんな変な年は経験がないと語っている.10月という最大需要期を前にして、「とにかくものがない」である.
 長野大学の森本さんの話でも、長野産も発生がよいとはいえないとのことである.関西では、京北(これからというのに終りっぽい)、丹波篠山、滋賀朽木、奈良・和歌山県境付近の山、兵庫・岡山で発生は確認できているが、これからの気象がこのまま行けば良さそうに思うが、第2週から暑くなるという予報が気に掛かる.
 それにしても健全なアカマツ林がないのだから気象がよくてもたかが知れているのだが(残念).私達の経験・「京マツタケが再生アカマツ林に復活」を教訓にしてアカマツ林の造成を試みましょう!!! 難しいことはなにもありません.
 今夜も寒いくらいになっています(2日、山科御陵の最低気温13.6℃).

 また、中国雲南省や韓国もあまりいい発生ではないようである.全般的にもの不足気味で推移しそう.松茸好きには辛い年かも知れません. 
図1.岩倉香川山の地表下cmの地温 縦軸は温度(℃) 
 僕たちは、岩倉香川山に試験地を持っているが、図1に示すように、9月24日、25日と26日にマツタケ子実体原基形成刺激温度に近い地温が得られている.刺激を仮に受けたとしても、その日のうちに地温が19℃を上回り生殖成長へのスイッチは切れた状態だ.9月の雨は平年並だが、目下、土は充分に湿っている.
 しかし、計器の誤差などを考慮すべきだが、標高の高いところは確実に刺激を受けているはずだ.今後の気温変化と有効な降水量が決め手となるだろう.和歌山県富喜試験林には岩手大野高校から帰ったら早速調査に出かけたい.

 

田んぼ苦戦記 2017年 -終-   池内 正憲

農業機械、トラクターやコンバイン、田植え機。いろいろあるけど設備が多いわりに使用頻度はトラクターをのけて少ない。
使用時期が重なり、天候に左右されるので、ここでは貸し借りはほとんどない。
以前は、やっていたらしいが、結局都合のいい日にできないので、みんな設備を持つことになった。
貸し借りは、一反につき耕し1万、田植え1万、草刈り1万、乾燥、脱穀5万となり、してもらうと、耕すのが年に4回くらい、一反15万くらいかかる。4反もすると、年に60万となり、米を買うよりはるかに高くつく。
で、機械が老巧化すると、耕すだけで除草の代わりをし、田植えはやめて、耕作放棄地のようになっていく。
 村の作業者のほとんどが70才を超え、設備投資をしなくなっていっているので、休耕田が急に増えている。

 農業機械は、手作り。車のように完成されていない。作業者が手を入れていかないともたない。
田植え機などバランスが悪いので、小さな坂でも転ぶ。一度、畔を乗り越える時に、後ろにこけて、助けてもらった。
トラクターは畔を超える時に横倒しになる事故が多いらしいが、今のところそれはない。
いたるところに、農機の油挿入が必要で、たまにしか使用しない機械は、整備に時間がかかる。
 整備してもらうと、費用が数万かかるので、自分で行うが、作業中に他の農機具機械が停止しているのを見ることは毎度だ。
故障など、普通にある。コンバインの機構がおかしくなって、メーカーを呼んだのが4回、そのごとに費用が発生する。
これでよくやっていると思うが、まあ副収入がある人しかできないという世界になっている感じ。
 並行して、野菜や果実をしないと、米では農業は維持できないといわれる。
(滋賀で十数町歩<町は反の10倍>米つくりをしていた若い人が岩出に流れてきていた。米作りを数名でしていたが、年収200万いかなくて、野菜つくりに岩出に来たと言っていた。)

 水は用水路を経由して農地に入れる。水利組合があって管理と費用の収集をしている。農地の大きさに沿って割り当てが決まっていて、水田でなくても農地があれば水利費が割り当てられる。
 この地の用水は、紀ノ川用水。で、和歌山、奈良、三重の山からの豊富な川の水を使用する。
 流れている水なので、高い気温の時でも水自体の温度は高くない。だから、水を入れ替えていければ、おいしいお米ができると思う。
 水は6月から9月まで流されるので、冬場は流れない。水利の開閉は組合がするが、村への供給の開閉は自分でする。そのため、勝手に締められたりするし、上流が優先して水を取ることになっているので、下流では、水を取るのが遅くなり、夜中に入れたり、同じ時期を避けて早くに田植えをする人もいる。
 水は、村でさまざまに分岐し、分岐させて(板を置いたりして、他の水路を止める)農地まで持ってくることになる。
その結果、水の取水はみんなの了解がないと、困ったことになる。水を入れた後は、板を外さないといけない。
入れっぱなしにしたい8月は、田によって水の取り合いになるのである。
 田によっては自動で水が入るようにすることができる田と、そうでない田がある。
用水路と田に段差があると大きな板が必要で、入れっぱなしはできない。しかし、分岐した用水路では、少しの段差で田に水を入れれる場所もあるので、その場合、少しずつ入るように工夫ができる場合もある。この場合はラッキー。
中には、上流の田から直接漏れてくる水もあり、漏れ水だけで、水がいっぱいの場合もある。

 そんなわけで、稲つくりは毎年苦戦続き。でも、なんとか続けていけてる。
今年も、おいしい米ができる。

 汗を拭きながら、紀伊平野からの山々を遠目に見る。暑い日なのに心地よい風がある。水田の中に入ってくる水は涼しげだ。
都会と違う心地よい風と水が農作業のひと時をいやしてくれる。水田の夏。赤とんぼが飛んでいる。

(1年目のコンバインの故障での刈り取り危機。2年目の田植え機故障の危機-村の人にしてもらうことができた-。3年目、4年目冬麦つくりしたが、収穫物を処理できず。4年目、田植え機を借りて横転。5年目コンバイン泥に立ち往生。けが。6年目コンバイン故障で現場修理。今年は7回目。)思えば、何もなかったことはなかった。

 さて早いもので、書いている間に収穫期に、キヌヒカリは、収穫期が早い、コシヒカリの子供なので、同じように早生種。
今年の収穫では、2日にわたって収穫したので、水分量のバラツキをなくすために3段乾燥をしている。
 一挙に乾燥すると、水分量のばらつきで、乾燥しすぎて米の割れや、水分量が多すぎて規定に入らない場合が起こる。
そこで、乾燥途中で、慣らし期間を置くのである。乾燥は、食味乾燥なので、温度は高くはない。しかし実際は、風だけの乾燥で充分なので、乾燥作業前後は風だけで乾燥する。生産効率は悪いが、風だけ乾燥でもそんなに時間はかからないのだ。
そして数日かけて、乾燥する。乾燥機で、水分量を測っているので、まあ、水分量は正確かと。 結 


【お知らせ】
読売テレビ、毎日放送 ちちんぷいぷい他 取材がある予定

1.岩手県立大野高等学校収穫祭 
   日時:10月3日(火)~6日(金)
   場所:岩手県洋野町 岩手県立大野高等学校 並びに久慈平岳試験林
      10月4日:講演(人と里山とマツタケと)とまつたけ狩りの打合せ、懇親会.
      10月5日:まつたけ狩りと昼食会
      問い合わせは大野高校(0194-77-2125)


2.岐阜県御嵩町(ミタケチョウ) マツタケ発生環境整備作業体験
   日時:10月13日(金)607回活動日 
   場所:香川山 午前中マツタケについて講義、昼食後、香川山にて作業 5名 三品班担当


3.イワタ山調査


4.滋賀県長浜市野瀬  マツタケ発生環境整備と交流会 参加者募集
   場所:長浜市野瀬大吉寺
   日時:10月29日(日)午前8時15分 地下鉄御陵駅2番出口付近(三条通北側)集合
              午前中はマツタケ山診断
              昼食後 京マツタケ復活作戦成功の報告、続いて交流会 餅つきなど
  午後6時 御陵付近着 
   費用:高速代(休日割引、往復)3360円/1台、往復180km走行のガソリン代などを参加者で負担 

5.滋賀県荒神山 マツタケ発生環境整備と勉強会 参加者募集
  場所:彦根市石寺公民館
  日時:11月19日(日)午前9時京都市営地下鉄御陵駅2番出口発、10時荒神山集合 直ちに作業に合流
     午前8時~11時30分 マツタケ山づくり作業
       12時~13時 昼食会
       13時30分~16時 勉強会(荒神山の活動報告、京まつたけ復活成功物語)
       16時から 懇親会
  費用:高速料金(休日割引、往復)2720円/1台、往復140km走行のガソリン代などを参加者で負担
       

6.日本文化デザインフォーラム  JIDFラボ【松茸山再生と岩倉焼き】開催   

  15回 11月18日(土) 612回例会  マツタケ発生整備作業と反省  参加費:昼食代500円
      参加申し込みは吉村( E-mail)まで

7.千葉県立中央博物館 自然誌シンポジウム
  日時:2017年11月23日(木、祝)13:00~16:00
  場所:千葉県立中央博物館
  テーマ:マツタケ栽培最前線
      人工栽培(白坂憲章).感染苗利用栽培(山中髙史).林地栽培(吉村文彦)
      問い合わせは千葉県立中央博物館 吹春俊光先生 電話:043-265-3111(代表)

 

【まつたけ山復活させ隊の活動指針】

 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.注:自由に主体的に活動できることは何をしても許されると言うことではありません. 
 
 我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人などがいる.これらの作業実施・応援に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).

 参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加者)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.


【まつたけ山復活させ隊の心得】

悔いの残らないようにするには! 

あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.用いたコップの後片付けも忘れないように! 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.

【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画      

606 10月07日(土) 三輪    第2回毎木調査
607 10月13日(金) 宮崎 岐阜県 御嵩町 5名視察
608 10月21日(土) 吉村 松本
609 10月27日(金) 内田
610 11月04日(土) 池内
611 11月10日(金) 三輪
612 11月18日(土) 宮崎 内田 JIDFラボ15回
613 11月24日(金) 吉村
614 12月02日(土) 池内
615 12月08日(金) 内田
616 12月16日(土) 三輪 川崎
617 12月22日(金) 宮崎 忘年会

618 01月12日(金) 吉村 新年会
619 01月20日(土) 池内 松浦
620 01月26日(金) 内田
621 02月03日(土) 三輪
622 02月09日(金) 宮崎
623 02月17日(土) 吉村 内田
624 02月23日(金) 内田
625 03月03日(土) 三輪
626 03月09日(金) 宮崎
627 03月17日(土) 吉村 松本
628 03月23日(金) 内田   

 なお、やむを得ず担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある.

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の取り付け道路が見えたら(後400m)、案内看板手前にある道路を左折、右折、左折そしてた左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.

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§カンパありがとう!
  
 
    
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

コメント
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