昨夜は寝不足なのに飲みすぎてさっき起きました…これから回顧書きますが、まずは血クリ再掲
しかし今年も菊花賞デーにブログのアクセス記録更新で、やっぱり菊は血統というのが未だにあるんやなあ…と
ワンアンドオンリー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105072/
ノーリーズンやグレイトジャーニーの近親で、母母サンタムールはGreen Desertと3/4同血で、その母アンブロジンはトワイニングと3/4同血。Courtly Deeにさかのぼるおなじみの名牝系だ。母がNorthern Dancer3×5で自身はHalo3×4、母系にDanzigとミスタープロスペクターとSpecialと「War AdmiralとLa Troienne」が入るのでヌーヴォレコルトと似た配合パターンになっていて、できるだけ近い世代にニアリークロスや組み合わせのクロス生じさせることで、晩成型の多いハーツクライ産駒を3歳春に完成に近づけようとした配合といえる。(ここまで神戸新聞とほぼ同文)
母はタイキシャトル×Danzigらしいマイラーだったが、この馬は父の若いころに似た細身で長手の体型。ダービーはノリが勝負を賭けて引っかかるのを覚悟で出していって、実際かかり気味ではあったがでも前で受けたぶんと距離適性のぶん、そして東京で伸び伸びとストライドを伸ばして走れたぶん、イスラボニータについに雪辱したというレースだった。神戸新聞は本番を控えてダービーのように出しては行かず、しかし追い込むのではなく3角すぎからのロングスパート。ゴール前はかなり接戦になったが、先頭に立ってからの「抜かせない強さ」を見せたという点ではローズのヌーヴォレコルトと似た勝ち方で、やはりハーツ産駒が成長し完成するというのは、Hyperion的が発現してくるというのとニアリーイコールなのだ、ということを再認識させる勝ち方でもあったと思う。着差的には辛勝だったが、菊花賞の前にノリがやっておきたいことをやっておけたという意味では、トライアルとしては満点に近い勝ち方だったといえるのではないか。トップスピードに乗るまでに少し時間がかかる脚質だからここも下りからのロングスパートでいいだろうし、タイプこそ違えエピファネイアもゴールドシップも下りからのロンスパで菊を制したわけで、そのあたりの仕掛けのタイミングについてはノリに任せておけば心配無用だろう。2000~2400mベストでステイヤーではないが、エピファだってゴルシだってオルフェだってステイヤーではない。
ハギノハイブリッド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104344/
サイレントメロディの甥で、母母サイレントハピネスはローズS勝ち馬で、その全妹に阪神JFのスティンガーがいる。タニノギムレット×トニービンはクリスタルパレスとKalamounを通じる「Grey SovereignとPrince Bio」の組み合わせのクロスになるが、本馬以外に目立った活躍馬は出ていない。牝祖Real DelightはBull Lea×Blue LarkspurだからRobertoの母母Rareleaと3/4同血で、本馬はHail to Reason4×5とRarelea≒Real Delight5×7によりRoberto血脈を増幅していて、飛節のつくりなどはRoberto的Bull Lea的だが、決してパワー型とか力馬というイメージの馬ではない。母母サイレントハピネスがHalo≒Chieftain2×4、母父トニービンがHyperion5×3・5、そこにGraustark3×4のタニノギムレットが配されて、近親の菊2着フローテーション(スペシャルウィーク×リアルシャダイ×レガシーオブストレングス)や同じタニノギムレット産駒の京都新聞杯勝ち馬クレスコグランド(タニノギムレット×サンデーサイレンス)とイメージが重なるようなRoberto的ステイヤーにみえる。京都新聞杯も鋭く斬れたというよりは持続力でジワジワ抜け出してきたという勝ち方で、菊花賞で狙ってみたくなる馬だ(ここまでダービーや神戸新聞とほぼ同文)。
神戸新聞は内にいたのでロンスパ外差し合戦に乗り遅れてしまい、やむなく馬場の荒れたインを突いたが休み明けとしてはまずまずの内容だった。折り合いはいつもスムーズで、無駄のない燃費のいいフォームでトボトボと走る姿がいかにもステイヤー然としていて、ステイヤーだから休み明けは動かないだろうという予感もあった。松国師のオーダーは「下りからのロンスパで」、祐一がそう乗ってくるかはわからないが、折り合いに気を使うことなく動かしていける馬であることは前走で把握しているはず。ここは予定どおり◎級の印。
シャンパーニュ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104477/
名牝ファビラスラフインの孫で、ギュスターヴクライの甥でブレイズアトレイルのイトコ。Fabulous Dancer4×3、Kaldoun3×4という大胆なクロスの父母相似配合でもある。梅花賞の追い比べで惜敗した後にバルジューが「怖がって馬の間に入っていかない」とコメントしていたが、チチカス産駒らしいAureole魂を受け継いだスタミナ寄りステイヤー寄りの中距離馬で、ベストパフォは逃げてサトノアラジンを寄せつけなかったゆきやなぎ賞。阿寒湖ではハナは切れなかったが少頭数で揉まれず外々を捲るというセカンドベストな競馬を岩田が選択し、あの形でもギリギリ勝ちきったのは収穫だった。TVhも同じパターンで外から捲りにかかったが、2000mで淀みのないペースでは追走に余裕がなく捲りきれずに4角一杯。(ここまで神戸新聞と同じ)
神戸新聞は行ききれず外にも出せずイン好位、終始周りに馬がいるという最悪の形で、おまけに外差し決着で見せ場もなかった。神戸新聞で先行した馬たちは出てこないが、セントライトで逃げたサングラスはこの枠ならばある程度主張してくるだろう。となると番手で揉まれず、4角でサングラスがバテて早め先頭に躍り出る、というのが現実的な理想形か。その形になったならば、バンデのような粘り腰を発揮して不思議ない馬なのだが…。
サウンズオブアース
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104377/
ブルーグラスS(米G1・AW9F)のDominican(父El Corredor)の半弟。母ファーストバイオリンはChris Evertにさかのぼる名牝系で、Dixieland Band×Secretariat×Hoist the Flagと母系に入っていい種牡馬が代々配されており、繁殖牝馬としてはなかなか期待大の血脈構成をしている。Gone West系El Corredorとの間に中距離のG1馬を産んだということは、ファーストバイオリンの繁殖牝馬としての地力の証明でもあるだろう。
ネオユニ×Dixieland Bandだからパワーと粘りに富んだ血統。一方でSecretariatからナスキロ柔い体質も受け継いでいてパワー粘着型に特化できず、春はミカエルビスティーのような何とも煮え切らないストライドで差していた。しかしDixieland Bandはデルタブルース、レッドリヴェール、アメリカンボス、フミノイマージン、アクシオン、イジゲン、ブラックバースピン、バーバラ、ダノンゴールド、アポロノサトリなどの母父で、母Mississippi MudがAlibhai3×4で自身はHyperion4×5・5・6だから成長力と持続力とパワーに定評がある血だ。神戸新聞の鋭いというよりはしぶとい伸びにはひと夏越しての成長が顕著で、特に腰回りが春よりも逞しくなってフォームにブレがなくなった印象。とはいえ神戸新聞はいったん少し出たところをグイッと差し返されて、さすがにダービー馬の格が一枚上と認めざるをえない2着ではあった。ネオユニ産駒としてはデスペラードあたりに近いタイプに完成しそうで距離延長もOKだろう。Dixieland BandのHyperionが発現してきた今は京都よりは阪神のほうがしぶとさが活きそうな感はあり、ここはあまり末脚の斬れで差そうとせず、トライアルよりも前で運ぶような意識があれば食い下がれるのでは。
タガノグランパ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105005/
タガノテイオーの近親で、キングカメハメハ×スペシャルウィークはクラリティシチーと同じ。母父がサンデー系でクロスがNorthern DancerとMill Reefだからローズキングダム的なアウトラインでもあり体質はナスキロ柔い。母タガノグラマラス同様この馬も外回りベターで1800mベストだろうと書いてきたが、ダービーやセントライトの好走をみるとどうやら“Blushing Groom風味のローズキングダム”という見立てでよさそうだ。
父がキンカメで母もNorthern Dancerクロスという配合はあまり感心しないし成功率も高くないが、フィフスペトルやショウリュウムーンやラブリーデイなどNijinskyクロスに累進すると時々上手くいくことがあるのは事実。ローキンは追いこんでビッグウィークを捕まえきれなかったが、この馬は前で受けられるのが強みでここも菱田くんは前で受けてくるだろう。ステイヤーではないが、京都外回りならばまたトゥザワールドに先着の可能性は高いとみる。
ヴォルシェーブ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103789/
リルダヴァルの3/4弟で、母母はディープインパクトなどを産んだ名繁殖ウインドインハーヘア。「ネオユニヴァース×ウインドインハーヘア牝系」の組み合わせは、Halo≒Sir Ivorのニアリークロスと同時に、ポインテッドパスとBurghclereのところでCrepelloやHyperionやFair TrialやWild Riskなど重厚な欧血をクロスする。この組み合わせには他にトーセンソレイユ=モンドシャルナ姉弟などがいるが、どちらも馬格のなさに泣いている現状(ネオユニらしく捲るにはある程度の馬格が必要)と比較すると、本馬は母父にサンダーガルチのパワーが入ることと母がNorthern Dancerのクロスを持つことで、上記2頭より馬格に恵まれたのは大きい。(ここまで神戸新聞と同じ)
あまり父には似ておらず、リルダヴァルが胴も脚も長くなったようなイメージで、この伸びのある体躯を活かして東京で追い込んで勝ってきたが、神戸新聞は直線追い出してからの加速で上位陣に置いていかれた。さすがにオープンまでくると、後方からまとめて差し切るには鋭さが足りない。Hyperion的な粘着力はある馬だから、岩田なら今度は前々で運んできそうな薄気味悪さは少なからずあるが、でもソコソコ穴人気になりそうなので…。
トーホウジャッカル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100482/
トーホウアマポーラの3/4弟で、Quiet AmericanやFappianoやオジジアンなどが出るファミリー。母父Unbridled's SongはFappianoの父系なので、母トーホウガイアはCequillo6×4の牝馬クロスを持つ。姉はフジキセキのIn Reality的な側面が強く出たスプリンターだが、こちらはわりとNureyevが強くフサイチパンドラをサンデー×ミスプロ的に柔緩慢にしたような中距離馬。緩慢なストライドは外回り向きだが、良馬場でオープン馬を相手にするとちょっと鋭さが足りない印象…と神戸新聞では書いた。
その神戸新聞は上がりのかかる持続戦になったのもよかったのだろうが、直線で立て直しながら1,2着馬に迫ったしぶとい末脚は光った。とはいえ「しぶとい」と「距離延びていい」は必ずしもイコールではない。母父Unbridled's Songは芝2200m以上で[0.1.2.18]、賞金上位はトーホウアマポーラ、エーシントップ、サイレントソニック、クリーンエコロジー、アカンサス、バンドワゴン。そしてあのしぶとさは京都より阪神向きのイメージでもあるだろう。菊は高速馬場でもロンスパ戦でわりと上がりのかかる決着になりがちだから、ここもしぶとさで食い下がれる余地はあると思うが、神戸新聞よりは多少パフォーマンスは落ちるのではないか、という読みでいってみたい。
ワールドインパクト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104051/
ダノンジェラート、ロジプリンセスの全弟で、母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3・芝7F)に勝ち愛1000ギニー2着。そこへディープインパクトで、AlzaoとShareef Dancerを通じるNorthern DancerとSir IvorのクロスにCozzeneからもSir Gaylordが重ねられて体質はナスキロ柔く、一方でLyphard4×5にBusted~CrepelloやBurghclere≒AureoleやCourt Martialのクロスでウインドインハーヘアのスタミナもシッカリ押さえて粘着力にも富む配合といえる。ナスキロ柔く斬れて差レースもできるし、ハイインロー的粘りで先行踏ん張るレースもできるし、どちらもできるのだがどちらにも特化しきれないのがディープ×ペンカナプリンセスの難しいところと言えるのかもしれない。
現状は東京や外回りがベターで、青葉のように直線先頭か大寒桜のように大外一気か、いずれにしてもあまり馬群の中に長くいるのはよくないと思う。テン乗りのブドーがそのあたりを理解して乗ってくるかどうかもポイントといえそうだ。
ゴールドアクター
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105266/
牝祖トサクインの産駒に神戸新聞杯のホウシュウリッチがいるが、近親には目立った活躍馬はいない。父スクリーンヒーローはNorthern Dancer4×4とHail to Reason4×4を持つので思った以上に早期から動く産駒を出している。本馬は母父キョウワアリシバがNative Dancer4×4、母母父マナードがPharos=Fairway5・5・5×5・6で、しかし母ヘイロンシンは強いクロスを持たないので、緊張と緩和のリズムに優れた配合ということができる。父スクリーンヒーローと似た歩みというか、着実な成長を遂げてここに駒を進めてきた。
母父キョウワアリシバのベストパフォは朝日CC(阪神内2000m,通過順位3-3-2-2)3着で、準オープン勝ちが旧中京芝1700mを5-4-3-1、Alydar系らしい捲り脚質の中距離馬だった。その父Alysheba(ケンタッキーダービー,BCクラシック)はAlydarよりもスタミナに寄っていて、Alyshebaを母父とする馬の賞金獲得ベスト3の顔ぶれ(エアエミネム、アラバンサ、ウイングランツ)を見てもそれは実感できる。キョウワアリシバは長い距離を走ったのは生涯一度だけで、それが94年松前特別(900万下)、札幌2600mで2着を10馬身ちぎる爆勝だった。だからゴールドアクターが札幌2600mで水を得た魚のように走っている姿には、スクリーンヒーローよりもキョウワアリシバの面影のほうを重ねやすい。長丁場でバテたことはない馬だが、青葉賞はショウナンラグーンやワールドインパクトに斬れ負けという4着だった。Alyshebaを母系に持つ馬の芝連対率は阪神内18%、東京14%、中山13%、阪神外13%。京都内12%、京都外8%。京都外が最も悪く阪神内が最も良いが、これはパワーとスタミナに富むが斬れ味一息という特徴を浮き出させているといえよう。エアエミネムはマンハッタンカフェの勝った菊で好位から抜け出しかかったが3着だった。ここもバテることはないはずで先行して見せ場はつくるだろう。でもやっぱり京都の高速馬場では、上がりがかかっても掲示板の端っこぐらいかなあ…。
ショウナンラグーン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102893/
母母メジロドーベルはオークスと秋華賞とエリザベス女王杯勝ちで、その父メジロライアンはHyperion5・6×5・5、母メジロビューティーはPerfume≒Nasrullah4×4・5。そこにHalo≒Boldnesian2×4のマンハッタンカフェが配され、Nasrullah≒Royal Charger5・5×5であまり強いクロスをもたないシンボリクリスエスが配されて、ショウナンラグーン自身はHail to Reason4×5、Boldnesian6×6など緩い父母相似配合になっている。(ここまでダービーと同文)
シンボリクリスエス×マンハッタンカフェでSeattle SlewとLaw Societyを通じるBoldnesianとPrincequilloとWar Admiralのクロス。父と母父を足して割ったような体型で、ショウナンマイティを少し硬質にしたような斬れで東京の直線を追い込んでくる。体型的にもストライドを伸ばして走りたいタイプなのだろうが、マンカフェ譲りの体質の硬さも少し出ているのでG1級をズバッと差し切るほどの斬れ味はない、というのは辛すぎる評価か。長丁場の持続戦で末脚が映えるタイプなのかどうかだが、後ろから追い込むだけでは幸運が転がり込んでくることはなさそうだ。
トゥザワールド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103975/
トゥザグローリーの全弟で、母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯に勝ちドバイワールドC2着。キングカメハメハ×サンデーサイレンスは様々なタイプが出るオールラウンドな配合だけに、母母のところに何があって、何がクロスされて何がONになっているかが仕分けのポイントだ。母母のところでMill Reefをクロスすればローズキングダムになるし、Alibhai×Mahmoudをクロスすればソリタリーキングになるし、Hornbeamをクロスすればミッキードリームになる。本馬はNureyev4×3のクロスにSharpen UpからTudor Minstrel(HyperionとLady Juror)が絡み、コディーノ(Special≒ポッセのニアリークロス)にHyperionを追加でトッピングしたような粘着力+機動力の脚質になったのは順当だろう。皐月も弥生もセントライトも持ち味を発揮したレースだったといえる。
ダービーの直前にブログ「配合に素直な前チャンピオンサイアー(4)~東京G1で好走したキンカメ産駒は、みなナスキロのクロスだった(2)」で、配合に素直なキンカメ産駒が東京や外回りのG1で好走するにはラストタイクーンのナスキロ柔さをONにする必要があり、しかしトゥザワールドは母母にナスキロ血脈もトニービンも入らないことがダービーでは不安点だと書いた。そしてダービーでは皐月のように出していかず、何となく差しに回ってしまったというレース運びで、直線は外から脚を伸ばしたがゴール前では左手前に替えて失速気味。しかも先着したのがMill Reef5×5のキンカメ産駒タガノグランパだったというのは、書いた本人から見てもあからさまな結果だった。
サトノアラジン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104063/
ラキシスの全弟で、母マジックストームはモンマスBCオークス(米G2・ダ9F)勝ち馬。ディープ×Storm Catはキズナやアユサンやヒラボクディープやエイシンヒカリなどと同じ。この配合は母母のところでパワーを補わないと(Eight Thirtyのニアリークロスがベスト)Sir Gaylord≒Secretariatのクロスの柔さが勝ちすぎて、いわゆる“緩い”馬、動きが緩慢で力強さに欠けるタイプに出やすいのだが、本馬も春先は多分にそんなところはあった。
とはいえ母母父Fappianoはミスプロ系でもパワーに定評がある血だし、母はStorm Bird≒Nijinsky2×3の北米ダ重賞勝ち馬だから母方そのものはパワー型と言ってよく、全姉がそうだったように本馬も肉付きがよくなって着実にパワーアップをはかってきた。ただこの肉付きのよさは長距離向きの体質とは言いがたいものがあり、神戸新聞はワンアンドオンリーに目標にされて捲られて展開的にババを引いたところはあったものの、淀みないペースだと2400mは少し長いのかもしれない…という4着でもあったか。しなやかなディープ産駒というよりもStorm CatがNijinsky的に胴長になったイメージで、つまり父よりも母似の馬だと思うのだ。神戸新聞の内容自体は着順着差ほど悪くないし2着3着馬とは差がない馬だと思うが、京都3000mに舞台が替って上積みがあるかとなると、超スローの前残りならばなんとか…という評価が妥当か。
トーセンスターダム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103748/
トーセンジョーダンの甥で、ディープインパクト×ノーザンテースト×クラフティワイフはトーセンホマレボシやヒストリカルと同じ。こちらは母父にエンドスウィープが入ったので母はMr.Prospector3×4となり、自身はエンドスウィープからTom Rolfeが入ってその母Pocahontasのクロス5×6になり、前駆のつくりがTom Rolfe的で掻き込んで走るところはベールドインパクト(Pocahontas5×7)やゲシュタルト(Tom Rolfe6×5)などと似ている。
前駆が勝った肉付きで前の掻き込みの強さで走っていて、スタートが悪くゲートを飛び上るように出るのも頭が高いのも腰が甘いからだろう。その意味では3角からの下りで惰性をつけていける京都は合っているし、きさらぎ賞は渋った馬場もプラスだった。「腰が甘く前駆に頼っているベールドインパクト」というイメージで書いてきたが、京都替わりはプラスだし、叩き一変でベールドのような力走も期待できるかもしれない。とはいえ、ディープ×エンドスウィープ×ノーザンテースト×クラフテイワイフというのは、菊花賞で大事な一票を投じたくなるほど奥のある配合なのかどうか。少なくともトーセンジョーダンとは配合のコンセプトは全く異なる。
マイネルフロスト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011106350/
ブラックタイドはディープインパクトの全兄だが、しなやかさや俊敏さはあまり伝えず鋭い脚に欠けるので、相手牝馬からマイラーっぽいスピードを取り込んだ配合が成功している。シャイニーガール(母父アフリート)とフィールザスマート(Distant View)は母父がミスプロ系のマイラーだ。本馬は母父こそパワー中距離馬のグラスワンダーだが、母母父はDanzig×Mr.ProspectorのスプリンターDayjurで母はDanzig3×3。母の半兄にはダートの快速馬スリージェムがいる。ちなみにDanzigはテイエムイナズマの母父でもある。ダービーはビックリの3着好走で、上がり2位の脚で追い込んだテイエムイナズマの6着と重なるものがあったが、インをロスなく捌いた騎乗も大きかった。基本的にはテイエムイナズマと似たタイプで1800mぐらいで手堅い馬だろう。(セントライトと同文)
ミヤビジャスパー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102103/
京都牝特に勝ったシスティーナの孫で、母ミヤビキララは芝1800mで3勝。そこにアドマイヤムーンで、サンデーサイレンス3×3、Northern Dancer5×5・6、Hail to Reason5×5・6。緩い相似配合というべきだが、両親の持ち味は受け継いでいて、アドマイヤムーンをサクラユタカオー的に少し緩慢にした中距離馬、というイメージの馬だ。
瞬時にビュンと加速する脚はないので、外回りでジワジワダラダラと脚を伸ばして差してくるような脚質で、全勝ち鞍が阪神外1800m。京都新聞や白百合のように、京都の高速馬場で相手が揃って上がりが速くなると鋭さ負けしてしまう。この父母では長距離でプラスアルファがあるとは考えにくい。
アドマイヤランディ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103858/
ジョイフルスマイルの半弟で、3代母Canoodlingの産駒にトーヨーデヘアがいるファミリー。母父ジョリーズヘイローはドンH(米G1・ダ9F)、ガルフストリームパークH(米G1・ダ10F)、フィリップHアイズリンH(米G1・ダ9F)の勝ち馬で、Halo≒Sir Ivor1×2だから自己主張が強く、本馬はHalo3×3にTurn-to5×5・5だから主にこの母父の軽いスピードでダートを走っているとみるべきだろう。京都のような軽いダートが合っているタイプだが、芝長距離で新味が出るかとなると疑問。
サングラス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105914/
母ノッティングギャルはダンスインザダーク×ブライアンズタイムだからスリーロールスと同じ配合で、両者のスタミナ源であるGraustarkを5×4でクロスする。父スタチューオブリバティはSecretariat≒Sir Gaylord3×4などStorm Catのスピードを強力に増幅した配合で、アクティブミノルやキクノストームやカシノピカチュウなど開花の早いスピードを伝える種牡馬。本馬は母父の影響も強い体型でGraustarkクロスの影響で肩が立っていて、スタチュー産駒にしては距離がもつがアクティブミノルのような快速ではなく、重心が高い走りなので小回りの1800mを先行流れ込む競馬が一番合っていそうだ。つまりHTB賞は全て条件が揃ったわけで、それであの辛勝となるとここではまだ通用しないだろう。(セントライトと同文)
メイショウスミトモ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102556/
ロングプライドの半弟で、ウイングアローの甥で、父がゴールドアリュールで母父がアジュディケーティングという筋金入りのダート血統。やや硬肉で掻き込みの強い走りはDanzig的で母父の影響が強い馬だと思う。力の要るダートや急坂小回りに向いた1800m型で、ダートなら京都の重より阪神の良で買いたいタイプ。
2 コメント
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- Plucky Liege (ゆーな)
- 2014-10-28 23:13:45
- 勝馬がPlucky Liege直系ということと、FappianoがDr.Fagerを母父に持つのにクラシックに強いのがPlucky Liegeの影響かも?Nijinskyもセントレジャー勝てたのはBull Pageのおかげか?などと考えてみました。
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- Unknown (MJ)
- 2014-10-29 09:44:24
- FappianoのBull Dogの全きょうだいクロスの多さはすごいですよね(・∀・)
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