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原題は、「The Motel Life」。かなり地味な映画。映像も冬の暗い場面が多い。しかし、観終わって何か心温まるものを感じる。
父は家出、母を亡くした十代の兄弟。兄ジュリー・リー(スティーヴン・ドーフ)と弟フランク(エミール・ハーシュ)は、モーテルが住家。成長した二人は相変わらずカリフォルニア州リノでモーテル暮らし。
そんなある日、ジュリー・リーが血相を変えて駆け込んで「子供を撥ねて殺してしまった」と。動転していた二人は、モーテルから逃げるしかない。
子供を撥ねた車で移動中、フランクが食べ物を買いに出た隙に、ジュリー・リーは弟を残して走り去る。
郊外の雪原でジュリー・リーはその車を全焼させ、町に戻って川べりのベンチに座り自らの命を絶とうとしたがそんな勇気は持っていなかった。どういうわけか右太ももを撃った。急を聞いて駆けつけたフランクに申し訳なさそうな兄がベッドでにやり。
やがて燃やした車に興味を持つ警官。兄の恋人ポーリーの「うちに警官が来たよ」の言葉は、二人をリノからネバダ州エルコへの旅に急きたてる。
アメリカ映画お得意のロードムービー。私はこういうロードムービーが大好きで、その国の表情がよく分かる気がする。
カリフォルニア州リノからネバダ州エルコへは、インターステート80号線の一本道。アメリカの大地は、だだっ広く変化が乏しい。眠くなるような風景の背景音楽は、カントリー・ミュージックがよく似合う。この映画も当然そういう音楽に彩られている。
エルコは、町の中を一本の地方道が貫いていて、日本の集落を思い起こさせる気だるい風景がそこにあった。
フランクには、アニー(ダコタ・ファニング)という恋人がいるが、アニーも不運な女性でジュリー・リーに言わせると「不運な人間には不運な相手がお似合いだよ」やや自嘲気味とはいえ、なぜか宿命を感じさせる。
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監督
アラン・ポルスキーとガブリエル・ポルスキーの兄弟。
キャスト
エミール・ハーシュ1985年3月カリフォルニア州生まれ。
スティーヴン・ドーフ1973年7月ジョージア州アトランタ生まれ。
ダコタ・ファニング1994年2月ジョージア州生まれ。
クリス・クリシトファーソン1936年6月テキサス州生まれ。