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92歳のシャルル・アズナブール「最後の日本公演」が素晴らしかったという。

2016-07-30 20:50:32 | 音楽

 今年6月15日NHKホールでの日本公演。「絶賛」と言っても言い過ぎではない新聞のレビュー。さすがに高音の伸びは落ちてはいるもののパフォーマンスは年齢を感じさせないという。そして元気を与えてくれる。

 92歳までまだ少し時間がある私にとってもシャルル・アズナブールの存在は、青春の血汐を今一度蘇らせてくれる。数多くの曲と映画出演の過去を持つが、曲の中でも「帰り来ぬ青春」と「She(忘れじの面影」が特に好きだ。

 とりわけ1974年作曲の「She(忘れじの面影」については、イギリスのTVドラマ「女の七つの顔」のために作られ、のちにエルビス・コステロがカバー。さらにジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント共演の映画「ノッティングヒルの恋人」の主題歌としてリバイバル・ヒットした。

ネットで宇藤カザンという人の訳詩を見つけた。
フランス語版「Tous les visages de l'amour  忘れじの面影」(一部)
Toi, parée de mille et un attraits
Je ne sais jamais qui tu es
Tu changes si souvent de visage et d'aspect
Toi, quel que soit ton âge et ton nom
Tu es un ange ou le démon
Quand pour moi tu prends tour à tour
Tous les visages de l'amour

数限りない魅力で飾られた君
頻繁に顔や姿を変える君の
真の姿を僕は伺い知ることができない
年令や名前を偽って
様々な愛の姿を次々と変える君は
天使なのか悪魔なのか

英語版「She  シー 」(一部)
She may be the face I can't forget
A trace of pleasure or regret
May be my treasure or the price
I have to pay

忘れ得ぬあの人の面影
愛の歓びや後悔の痕跡は
僕の宝石なのか代償なのか 

 どちらもフランス的なエスプリが感じられないとおっしゃる。私にはよく分からないんですが、その「She」をシャルル・アズナブールでどうぞ!
         
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ジムニー2代目3期のJA11……これ動くんですよ。

2016-07-28 21:18:14 | 

   
 初期登録平成5年(1993年)、もうすでに23年が経過しています。ひょんなことから手に入ったというか押し付けられたんです。私の年齢はすでに70歳を過ぎていますから、私の娘に言わせると「運転免許を返納してもいい時期」ということになります。

 ところが私は返納なんて考えたこともありません。二年ほど前には、早朝4時ごろ小樽を出て翌朝の朝8時過ぎに千葉の自宅に帰ったこともあります。これは私だけの秘密なんです。これを娘に話せば烈火の如き怒りを浴びるのは間違いありません。

 二度とそういう無謀なことはしませんが、オートマティック車は馬鹿でもチョンでも(実はこの言葉、使用禁止用語らしいです)運転が出来て、アクセルさえ踏めばスムーズな発進と加速が得られる。時速100キロになるまでそれほど時間がかからない。スピードオバーの事故を心配した娘の深謀遠慮がマニュアル車のこのJA!!のジムニーとなったわけです。

 この車も時速80キロは出るんですがちょっと怖い気がしています。なにしろオフロード用のいかついタイヤを履いていますし、コーナーを無理すると簡単に転ぶそうで慎重な運転が望まれます。娘の術中に嵌ったといったところでしょうか。

 置かれた環境で何とか楽しもうとするのが私の特徴で、剥げていた屋根やボンネットをカラー番号をエンジン・ルームで確かめてオートバックスで調色したのをスプレーしました。ところどころムラがありますが、まあいいでしょう。

 エアコンも修理して暑さ対策もOKとなりました。関東地方の梅雨が明けた7月28日、九十九里の片貝にある漁協直売所に魚を買いに行きました。自宅からほぼ1時間くらいの距離です。

 季節はずれのサバと九十九里のハマグリを買いました。サバには寄生虫アニアキスによる食中毒の危険があるそうです。直売所の人はしめ鯖やサバ寿司もOKと言っていましたが、大事をとって一旦冷凍室に放り込みました。アニアキスは加熱や冷凍で死滅するといいます。一部を今夜の味噌煮にして明日はサバ寿司にでもしましょう。ハマグリは大粒なので酒蒸しにでも。

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外に出よう! がコンセプトだった。「ポケモンGO」

2016-07-23 13:01:11 | 先端技術

 いまや世界的社会現象の「ポケモンGO」。発売は任天堂だが、開発したのはサンフランシスコにあるベンチャー企業ナイアンティックだった。

 創業者で最高経営責任者のジョン・ハンケという人で、グーグル・マップのチームが現実世界にポケモンのキャラクターを潜めるというエープリル・フールの遊びがヒントになったと言う。

 そして経営の理念が「社会に貢献する」。それを実現する一助として人々を外に誘い出す。世界中の現象だろうか「家に閉じこもり小さな画面を見て誰とも話さず」という現象。

 アメリカの街には誰も使わない公園や広場があるが、健全な街づくりには人が外に出る必要がある。「顔を合わせる状況を作りたい」がコンセプトだという。

 事故や事件が起こっているが、その目的は達成されたようだ。きのう22日の株式市場でマクドナルド株の売上代金が517億円に達し連日で過去最高を更新というニュースもある。これもポケモンGOの拠点サービス発表が寄与したらしい。いずれにしても怪我や他人への迷惑だけは気をつけて……

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いくら歳を重ねても迷いは消えない「マリーゴールド・ホテル幸せへの第二章 ’15」

2016-07-18 16:14:53 | 映画

                  
 ジュディ・デンチ81歳、マギー・スミス81歳、ビル・ナイ66歳、リチャード・ギア66歳に加え監督のジョン・マッデンも66歳でオールド・スター・キャストの人生哲学コメディ。

 インドにあるボロホテル「マリーゴールド・ホテル」にはイギリス人男女5人が長期滞在していた。欧米人はこういう長期滞在型が多い。スリランカへ旅したときも、一軒一軒広い庭と独立した区画のリゾート・ヴィラに4日間も滞在中のイギリス人女性二人がいた。

 朝になると若き経営者ソニー(デヴ・バテル)が名前を呼ばわって生きているか確かめる。そういう配慮の必要な高齢者であってもほのかな恋心と無縁ではない。

 イヴリン(ジュディ・デンチ)とダグラス(ビル・ナイ)。後からやってきたアメリカ人のガイ・チェンバース(リチャード・ギア)とソニーの母親カプー夫人(リレット・デュベイ)とのロマンス。

 若きソニーには二軒目のマリーゴールド・ホテル開業の夢とフィアンセのスナイナ(ティナ・デサイ)との結婚に心を砕いていた。老いも若きも愛を求める。クライマックスの結婚式で、いずれのカップルもハッピーエンドになる。

 人間は恋をすると元気になるし、元気でないと恋ができない。その恋は苦しいもの。60代以上となると幾多の恋の甘い味や、苦い味も知り尽くしている。それでも彼又は彼女に心のうちを明かすべきかと悩む。

 ダグラス(ビル・ナイ)がソニーに捧げるスピーチで詩を引用する。「旅の興奮に休息はない 人生の美酒を飲み干そう 世界を貪欲にさまよい全ての時を楽しむ 多くを見聞し見たものすべてを糧にする 時は無限に流れ一生はあまりにも短い 私はつかの間 永遠の沈黙からその一瞬を手に掴む その一瞬は私にもたらす 未知なる新しいものを」

 これはソニーへの贈る言葉ではあるが、イヴリン(ジュディ・デンチ)への愛の告白でもある。こういう詩に気持ちを託すというのは、知性と品格と経験が裏打ちとなっているのだろう。ビル・ナイに見事にマッチしていた。

 この結婚式のハイライトはソニーたちのダンス。日本の盆踊りを連想させる賑やかさにロックンロールの味付けで盛り上がる。インドが舞台ではあるがインド半島の先端インド洋に浮かぶスリランカの旅を思い出した。この映画にも出てくる「スリーウィラー」という乗り物。あの小さな三輪車が多くの荷物が積めるのに驚いたものだ。乗り心地は決していいとはいえないが。ゴールの見えた人生、飲んで踊って恋して……これがいいようです。劇場公開2016年3月
             
             
             
             
             

監督
ジョン・マッデン1949年4月イギリス、ポーツマス生まれ。

キャスト
ジュディ・デンチ1934年12月イギリス、ヨーク生まれ。
マギー・スミス1934年12月イギリス生まれ。
ビル・ナイ1949年12月イギリス生まれ。
デヴ・バテル1990円4月ロンドン生まれ。
ティナ・デサイ出自不詳。
リレット・デュベイ1954年5月インド、ボンベイ生まれ。
リチャード・ギア1949年8月ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。

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実在した狂気のチェスプレイヤー「完全なるチェックメイト ’15」劇場公開2015年12月

2016-07-16 11:30:57 | 映画

                
 将棋や囲碁の対局から殆ど動きのない退屈極まりないチェス・ゲームだろうと想像していた。ところが予想は完全に裏切られた。とはいうものの天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)が精神異常の様相を見せるという常人とは違った側面を見せるから画になるともいえる。

 ゲーム会場へ同行するかつてチェスプレイヤーだった神父ビル・ロンバーディ(ピーター・サースガード)は、次のように言う「チェスというのは“ウサギの穴”だ。4手進めれば3000億もの可能性を考える。1ゲーム40手数(てかず)以上なら銀河の星の数だ。だから精神状態は極限を超えかねない」

 ブルックリンの貧しい家庭で育ったIQ187のボビー・フィッシャーは、世界一を標榜するソ連のボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)と対決する。当時は米ソの代理戦争とまで言われた。その緊迫した対局に固唾を呑んだ。

 このボビー・フィッシャーという男、チェス以外興味を示さない。スパスキーに勝っても笑顔も見せないし、数百万ドルのオファーも拒否。タイトルを放棄、人々の前から消えた。

 1980年放浪罪で逮捕される。留置場で虐待されたと主張。1992年姿を現し、セルビアの首都ベオグラードで再戦した。反交渉勢力の宣伝になるとアメリカ政府から試合を禁止されていた。経済措置に反する罪でアメリカ政府は逮捕状を発行。

 ボビーは「アメリカはウソと盗みの国だ」と反発。日本にも滞在したようで2005年アイスランドに亡命する。そのアイスランドで2008年死去する。時に2008年1月17日享年64歳。
         
         
         

監督
エドワード・ズウィック1952年10月イリノイ州シカゴ生まれ。

キャスト
トビー・マグワイア1975年6月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。
ピーター・サースガード1971年3月イリノイ州生まれ。
リーヴ・シュレイバー1967年10月サンフランシスコ生まれ。
マイケル・スタールバーグ1968年7月カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。



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サブプライム住宅ローン危機は何を残した?「マネー・ショート華麗なる大逆転 ’15」

2016-07-10 16:13:11 | 映画

                  
 2008年9月15日大手投資会社リーマン・ブラザーズが倒産した。サブプライム住宅ローンの焦げ付きが発端だった。これを予測した人物が二人いる。元医師でサイオン・キャピタルを運営するマイケル・バーリ(クリスチャン・ベイル)とドイツ銀行行員ジャレッド・ベネット(ライアン・ゴズリング)だ。

 じゃあこの危機をどう利用するか。もともと高成長が見込まれていたMBS(住宅ローン担保証券)は、最高格付けのAAAクラスのローン債権と言われていた。アメリカは移民の国でもあるため、個人の年収や住宅情報、勤務先等の情報およびローンや公共料金の支払、クレジットカードの支払情報などクレジット・スコア(個人情報)を重視するお国柄でそれらを専門に扱う業者もある。

 その個人情報を数値化して、信用力の高い人たちをプライム層といい、低い人たちをサブプライム層として区別している。住宅の値上がり傾向は永遠に続くという錯覚をもたらし、甘い審査をすり抜けてサブプライム層へ浸透していった。

 当然、MBSに占める格付けAAAの割合が低下して、BBBやBが多くなり実体はBBBが殆どを占めるようになる。それらをCDOと呼ばれる。CDO(債務担保証券)は、Bランクの売れ残りを山と積み重ねる。リスクは分散されたように見えるから、スタンダード&プアーズやムーディーズなどの無節操な格付け機関は質問もせずAAAをつける。

 そして悪いことにサブプライム層へのローンは、最初の数年間は返済額を低く抑えられている。ところがその数年を過ぎると変動相場制になって返済額が2倍から3倍に膨れ上がる。この変動相場制に移行する時期が危ないとみたマイケルとジャレット。

 マイケルは、ゴールドマン・サックスとCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)契約に成功する。このCDSは一種の保険契約みたいなものでMBSの下落時の保証と言える。空売り契約をして値段が下がれば買い戻して利益を得る。従ってマイケルは保険料を支払うことになる。ゴールドマン・サックスの誰一人もMBSが紙くず同然になるとは思ってもみないから、無駄な保険料を払うマイケルが退室したあと全員で大笑いをしていた。ドイツ銀行やバンク・オブ・アメリカなど次々と契約して総額13億ドルの契約となった。

 同じような論旨を展開するドイツ銀行のジャレットの話を聞くモルガン・スタンレー傘下のフロント・ポイント代表のマーク・バウム(スティーヴ・カレル)と仲間達。

 JPモルガン・チェースのロビーに座るブラウンフィールド・ファンドのチャーリー・ゲラー(ジョン・マガロ)とジェイミー・シプリー(フィン・ウィットロック)は、この有名企業の担当者と会えるので興奮気味。

 その担当者と自己紹介のあと「ハイレベルな取引をしたい」手持ちの資産を聞かれ担当者の返事は「ISDAの資本条件を満たしていない。取引には14億7千万ドル足りないですね」

 しかもISDA(国際スワップデリバティヴ協会)の同意書もいることが分かる。まったくのドジを踏んだ個人投資家の二人。そこでこの二人は、犬の散歩で知り合った元JPモルガンのトレーダーだったベン・リカート(ブラッド・ビット)に相談。協力を取り付けることに成功する。

 こうして男たちは花の匂いに舞う蝶々のように、金の匂いにうっとりとする。ここでちょっと不思議に思うのは、金の匂いに吸い寄せられるのは男どもで女がいない。多分、金の匂いを女が嫌っているわけではなく、男が働いた果実を横取りする算段なのだろう。妻や恋人が待ち構えている。

 それはともかく、目論見どおりサブプライムローンが破綻した。その影響は、マークの親会社モルガン・スタンレーに150億ドルの損失をもたらした。

マイケルがいつも書くホワイトボードの倍率が+489%と書き換えられた。

ジャレッドには運用益4億8900万ドルが振り込まれた。

 あとの男たちもそこそこの利益を手にした。個人投資家のチャーリーがベンに聞く「どうしてこの話を受けたんだ?」「金持ちになりたいだろう?」とベン。

 こういう機会は滅多にない。目ざとく見つけるのはごく少数。それ以外は、「状況が沈静化したときには5兆ドル分の年金と不動産価値や401k貯金や債券が消失していた。800万人が失業し600万人が家を失った。その被害はアメリカに止まらない」

 銀行や投資会社の責任は思い。しかし、2015年大手銀行がハイリスクなデリバティブ商品を売り出した。経済・金融他総合情報サービスのブルームバーグによると看板を付け替えただけのCDOだという」

 近き将来この映画のような事態が起こるのだろうか。それは神のみぞ知る。「厄介なのは知らないことじゃない。知らないのに知っていると思い込むことだ。マーク・トウェイン」

 この映画一度観ただけではなかなか理解できない。MBSやCDS、CDOやISDAなど専門知識が必要。映画の中ではシェフや泡立った浴槽に浸かる美女などの解説があっても。ただし、130分が長いとは思わなかった。劇場公開2016年3月
           
           
               
           
           

監督
アダム・マッケイ1968年4月ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。

キャスト
クリスチャン・ベイル1974年1月イギリス、ウェールズ生まれ。
スティーヴ・カレル1962年8月マサチューセッツ州生まれ。
ライアン・ゴズリング1980年11月カナダ、オンタリオ州ロンドン生まれ。
ブラッド・ビット1963年12月オクラホマ州生まれ。

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パリの不動産事情が学べる「パリ3区の遺産相続人 ’14」劇場公開2015年11月

2016-07-07 21:03:26 | 映画

                 
 ニューヨークからパリ3区と4区にまたがる、かつての貴族の建物が残る最も優美なマレ地区にやってきたマティアス・ゴールド(ケヴィン・クライン)は、周囲をきょろきょろと見回しながら昔ながらの狭い街路をボストンバッグを提げてうろつく。お目当ては父からの遺産、アパートメントだ。

 ようやく探し当てたそのアパートは、大きな木の扉を入ると広い庭が広がっていた。「ハロー!」鍵のかかっていないドアを開けて中に入る。人の気配がない。いくつもある部屋のドアを開けて覗く。誰もいない。ようやく見つけたのはお昼寝中のマティルド・ジラール(マギー・スミス)。

 ここからマティアスとマティルドの会話が面白く、ニューヨーカーには信じられない「ヴィアジェ」という不動産事情に行き着く。ニューヨークから素寒貧でやってきたパリ。このヴィアジェのせいで毎月2400ユーロを払う羽目になろうとは夢にも思わなかったマティアス。

 さて、このヴィアジェ、住宅を買った場合売主が死亡するまで居住する権利を保証しなければならない。しかも毎月一定の金額を払わなくてはならない。買ってすぐに住めないは毎月一定額を払わないといけないはで何の得にもならないようだが、どういう計算方法か知らないが高級住宅地の物件を格安で手にする一つの方法らしい。

 売主が高齢者ならこんないい制度はない。たとえ相場の半値であっても、一時金と毎月の収入が保証される。死んでからいくら高額に売れても本人には関係がない。生きている間に人生を楽しめるほうが断然いい。年金以外に別途収入2400ユーロ(7月6日午後3時現在の相場111,55とすると約26万円強)が入るとなれば少し贅沢でも構わない。

 ちなみにヴィアジェの意味が「終身年金」となれば、まさにこの映画の女主人マティルドのようにお手伝いさんを雇っていて自分で料理をすることはない。午後8時の夕食には、ローソクの光を部屋一杯に満たして、まるでレストランの雰囲気の中、赤ワインを飲む習慣もあり、「これは10年寝かしたものよ」なんていう。別の日にはシャブリを飲みポルヘノールが含まれる赤ワインを飲んでいるせいか90歳になっても元気。

 そういう事情でマティルドを追い出せないとなると、マティアスにとっては2400ユーロを払ってでもこのアパートに住み着くしかない。マティルドには娘が一人いる。クロエ(クリスティン・スコット・トーマス)と言い、母マティルドの英語教室を継いでいる。オールドミスだ。こういう舞台設定だと物語りの行く末はほぼ分かる。マティアスとクロエのハッピーなロマンスで終わる。

 90歳のマティルドにも、若かりしときには幾多のロマンスの経験者。それが意外な方向に向かうが、それは映画を観ていただくしかない。

 いずれにしても会話の妙もあり、またセーヌ川のテラスでオペラを歌っている女性に唱和するマティアスというたおやかな場面。さらにネットで検索していると本格オペラ鑑賞ができるレストラン「BEL CANTO PARIS」があることも分かってくると1年でもいいから住んでみたくなる。そんなことを考えながら観ていた映画ではある。ヨーロッパ好きには必見かも。
                
                
                
                
                
                
                


監督
イスラエル・ホロヴィッツ1939年3月マサチューセッツ州生まれ。

キャスト
ケヴィン・クライン1947年10月ミズリー州セントルイス生まれ。
クリスティン・スコット・トーマス1960年5月イギリス生まれ。
マギー・スミス1934年12月イギリス生まれ。


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信頼は愛を越える「サヨナラの代わりに'14」劇場公開2015年11月

2016-07-02 09:33:20 | 映画

                 
 友人達を招いたパーティでピアノの演奏を求められたケイト(ヒラリー・スワンク)の指は、快調に鍵盤を叩く、しかし突然指が硬直する。診断は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)だった。

 何もかも人の手を借りないと出来ない。毎朝、夫エヴァン(ジョシュ・デュアメル)がアイメイクや口紅を塗る。勿論、シャワーを浴びたり排尿後の始末まで。しかし、エヴァンの出勤後が問題。

 そこで女子大生のベック(エミー・ロッサム)が採用される。このベック、高校生の頃介護のポランティア経験しかない。しかも料理がまるでダメ、言葉も下品でファックなんて当たり前のように喋る。男関係も不純。そういうベックに顔をしかめるケイトではあるが、天性の陽気さと何でも学ぼうとする姿勢に賭けた。

 このALSは、発症から3~5年で呼吸筋麻痺で死亡する。やがてケイトにもそのときが訪れる。肉親からは人工呼吸器の延命措置の希望が出される。

 しかしケイトは、その判断をベックに委ねる。母親からは強い不満と怒りをベックに浴びせる。ベックはケイトの意思を尊重して「連れて帰るだけ」と言う。その夜、ベックに抱かれたケイトは永遠の眠りについた。
           
           
           
           

 肉親はふたこと目には「愛している」というが、ケイトの気持ちを本当に理解しているとはいえない。愛の定義をどう理解していますか? 家族の愛、異性愛、人類愛。いくつもある愛の形。

 詩的に表現した人がいる。「二人なのに一人のような感じ」ここには信頼が大きな位置を占めている。信頼があってこそ愛は本物になる。

 ヒラリー・スワンクは、二度もアカデミー主演女優賞を受賞した女優で、殆ど車椅子の演技と病気の進行を言葉の不自由さで表現している。

 ベック役のエミー・ロッサムは、子供の頃からオペラを学び、メトロポリタン劇場でプラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・バヴァロッティなどとの共演の実績もある。この映画でも熱演と言える。エンドロールで彼女の歌声が重なる。「Falling Forward」をどうぞ!
      
監督
ジョージ・C・ウルフ1954年9月ケンタッキー州生まれ。

キャスト
ヒラリー・スワンク1974年7月ネブラスカ州生まれ。1999年「ボーイズ・ドント・クライ」2004年「ミリオンダラー・ベイビー」でそれぞれアカデミー主演女優賞受賞。
エミー・ロッサム1986年9月ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。
ジョシュ・デュアメル1972年11月ノースダコタ州生まれ。


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