ウディ・アレンが天才学者を皮肉っていると思えてならない。アメリカ東部ロードアイランド州ニューポートの町の大学に赴任してきた哲学教授エイブ(ホアキン・フェニックス)は、人生の意義を見出せずウツに見舞われ、暗く沈んだ表情をしている。
こんな男でも女は不思議にモーションをかる。同僚のリタ(パーカー・ポージー)だ。リタは夫がある身にも拘らず積極的にエイブに接近、セックスを誘って落としてしまう。エイブも同僚ということで簡単に一線を越える。
もう一人エイブに興味を持つ女性がいた。それは学生のジル(エマ・ストーン)だ。ジルはエイブがレポートを褒めるほど優秀な学生。そのジルは、暗い表情のエイブをなんとか助けてあげたいという母性本能に動かされ積極的に接近する。
エイブは学生とのラブ・アフェアは、ご法度であり自身の見識にも反するということで「それはいけない」と言い続ける。ところが女は不思議、ますます思いを打ち明ける。
そんなある日、エイブに転機が訪れる。町のダイナーでジルとランチを共にしていた。隣の席から聞こえてきたのは、悪徳判事の存在だった。それを聞きながらエイブは、その判事殺害を決断する。
つまり判事に困らせられている女性を助けて、世のためになることをするというのがその理由だった。人生の意義を見出し、人が変わったように陽気なエイブになり、ジルの関係も一線を越える。どんな天才でも体のほうは並の男と同じ。
殺人が生き甲斐となった哲学教授エイブ。殺人の方法を模索して出た結論は、青酸カリを使うことだ。まあ並の手法だろう。しかし、青酸カリを使って殺害に成功する。ブログにはここまでしか書かないことにする。映画を観てのお楽しみというわけ。
ただ、青酸カリを使うというのは、一般的ではない。大学のような研究室を持っているところでは手に入れやすいが、一般人では入手が困難。
そこで「殺人術」という本にある「ドライアイス」をつかう方法がいいかもしれない。ドライアイスは、どこでも売っているし買える。インターネットで業務用なら大量に入手できる。
使い方は、対象が眠っているベッドの下に置くのがいいらしい。室内の二酸化炭素の濃度が致死量に達し、その後蒸発する。このガスは無臭で自然死の結果が得られる。
これが本当かどうかは分からない。いずれにしても映画や小説の世界での利用がよろしいかも。この映画かなり古風なというか1960年代風味と言ってもいいかもしれない。エイブの乗るサーブも古い形だし、音楽も1965年全米第2位の大ヒット曲、ラムゼイ・ルイス・トリオの「The “ in” Crowd]」が流れる。
ジルはすんでのところで命拾いをして、浜辺を歩きながらエイブの言葉を思い出す。「教科書からは何も学べない」射的場の景品、懐中電灯が思わぬ救いの神となった皮肉にはこの言葉がぴったり。
ラムゼイ・ルイス・トリオで「The in Crowd」をどうぞ!
監督
ウディ・アレン1935年12月ニューヨーク州生まれ。
キャスト
ホアキン・フェニックス1974年10月プエルトリコ生まれ。
エマ・ストーン1988年11月アリゾナ州スコッツデール生まれ。
ジェイミー・ブラックリー1991年7月イギリス生まれ。
パーカー・ポージー1968年11月メリーランド州ボルチモア生まれ。
ご面倒ですが、クリック一つで私は幸せになります!
エンタメ(全般) ブログランキングへ